なぜ一つ目の注文が物語の終わりと始まりなのか?
昨今は、ITバブルでシステム開発が至る所で行われている。その中でも、EC市場の成長度が激しい。ShopifyやBASEなど、気軽に立ち上げられるECサイトのASPサービスも増えてきた。一方で、システム開発の現場は、システム開発案件が増え、慢性的な人材不足を抱えている。その中で、誤った価値観でシステム開発が進められてしまう現場が多い。その違和感には誰も気づくことがない。なぜなら、稼げるから。言われた通りにしていれば、食いっぱぐれない。確かにそうだ。でも、それはあるべき姿なのか。私はそうは思わない。私は、他人に評価されてこそ正しい結果を得られ、そのために努力をすべきだと考える。その結果で、資本が増えることはあるべき姿だと思う。
現場でよくある間違った価値観
システム開発の現場では、いつの間にかクライアントの要望を叶えること、プログラムを書くこと、納期を守ることが目的化されてしまう。もちろん、すべて大切な要素だ。でも、次の問いには、Yesとは答えられない。
・クライアントの要望を叶えれば、ユーザーは満足するのか?
・プログラムを書ければ、ユーザーは満足するのか?
・納期を守ることができれば、ユーザーは満足するのか?
最終的な判断は、ユーザーに満足してもらえるかどうか。その判断は、一つ目の注文ではないだろうか。
一つ目の注文にはどんな価値があるのか?
世の中に必要とされるサービスであることの証明だ。システムは、作ったから価値があるのではなく、誰かに評価されてこそ価値がある。一つ目の注文には、そのサービスの価値証明として力がある。
私は、ECサイトの開発に携わることが多い。その中で最も嬉しい瞬間は、初注文。1件目の注文は、必ず関係者に自分から連絡して、喜びをシェアする。最近はリモートが多いのでできないが、本当はハイタッチしたい。
物語の終わりとは?
一つ目の注文が入り、初期のシステム開発の物語に、まずはお疲れ様と言いたい。初期のシステム開発では、不安がつきまとう。この方針でほんとうにユーザーに使ってもらえるのかどうか、開発時点ではわからない。その不安から、喜びに変わる瞬間(物語の終わり)が、一つ目の注文だ。そのユーザーは、自分たちがイメージした通りのユーザーか?もしくは、全く想像してなかったユーザーか?正誤よりも、取り組んだ結果として現れた現象を理解し、振り返る。そして、新たな物語を築くための材料にする。
物語の始まりとは?
より多くのユーザーへサービスを届ける物語。少なくとも1人目のユーザーと同じようなユーザーはたくさんいるはず。そのユーザーたちにどのようにサービスを届けるかを考える。そして、さらなる満足度向上のためにトライアンドエラーを繰り返す。現代は、何がバズるのか、何が熱狂的なファンを生み出すのか、それは偶発的で誰にもわからない。その偶発的な事象を起こす確率を上げるために、データを集めるという手段を取る。このように、レールがない道を自分たちで作りながら進んでいく。
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