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東方遠征記

最近出張でオフィスの外に出る機会が続きました。
ただクライアント先に行き報告をして帰ってくるだけなのですが、普段はオフィスにいる時間に、いつもとは違う電車に乗って知らない場所へ行くというのが少しワクワクします。
そんなわけで金曜日に宇都宮に行ってきました。
これまでは東日本は筑波までしか行ったことがなかったので、本土最北端の地が宇都宮に更新されました。

この日は朝カーテンを開けると雪が降っていました。
ダウンジャケットを着込み、ピーク前の東西線に乗り東京駅へ向かいました。
普段はセブンのコーヒーばかりですが、東京駅のスタバで買ったコーヒー片手に新幹線に乗り込み、コーヒーをすすりながら東京のビジネスマンごっこを楽しんでいました。
窓の外を見ると一面雪が覆っており、北の地だ~と興奮しつつも、東京のビジネスマンの矜持として、はしゃがないように気を付けながら写真を数枚撮りました。

宇都宮駅に着くとまだ待ち合わせの15分前でしたが、上司が改札前の柱のそばで待っていました。
できるだけ上司と一緒にいる時間は最小限にしたいので、どこかでギリギリまで時間を潰せばよかったと後悔しました。
軽く挨拶を交わし、朝8時の宇都宮駅構内でPCを開き、資料の最終確認をしました。
宇都宮駅からタクシーで1時間移動する必要があり、車中後ろの席で上司2人が今期の売上目標の達成具合や、最近有給が全く取れないんだよぉといった話をしていました。
タクシーを降り、クライアント先の広大な敷地を歩きます。
すでに雪はやんでおり、上司2人が白い息を吐きながら談笑を続けていました。
この頃にはすでに太陽光がまぶしく、雪が解けてできた水溜まりや、まだ僅かに雪を背負った緑に反射してきらきらしていました。

報告が終わり、上司がまだ用事があったため帰り道は一人宇都宮駅に向かいました。
タクシーの車内は小さめのボリュームでクラシックが流れていました。
ドライバーは物腰柔らかく、言葉遣いが丁寧なおじいちゃんでした。
もうお昼近かったので気温も上がり、雪は完全に解け、冬の柔らかい光が車内に差し込んできて気持ちよかったです。
宇都宮駅に着くと運転手がわざわざ外に出てドアを開けてくれ、「気を付けて帰ってくださいね」と言い残し、ゆっくりとした加速でロータリーを去っていきました。

帰りの新幹線に乗り、午前の情景を思い出しながら、もう少しゆっくり生きれればなぁと考えていました。
普段通勤する時は大手町からオフィスまで地下通路で繋がっていますし、日中外に出ることもなく、ほとんど建物の中で生きています。
建物の中で仕事に追われ、平日はとにかく忙しなく時間が過ぎていきます。
そんな中でこの日に宇都宮で感じたような、なんてことないけど情緒的な場面を何度も逃しているんだろうなと思うと少しもったいなく感じました。
とはいえ普段セカセカ働いてるからこそゆったりした時間のありがたみを感じれるというのもあるのかもしれませんが…。

というわけで行きの新幹線で数枚写真を撮ったので見ていただけると嬉しいです。

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