見出し画像

地元と東京の狭間

少し前に撮った河津桜です。
光が流れていく感じが気に入っています。

合格報告がXのタイムラインに流れ、阿鼻叫喚が聞こえてくる季節ですね。
先週末は東大の合格発表があったらしいですが、東京の名門高校って100人弱も東大合格者輩出しているんですね…。
三重のど田舎で生まれ育ち、2年前に就職で上京してきた自分にとっては驚きしかないです。

今の会社に入って知ったのですが、東京生まれ東京育ち、金持ってそうな奴大体友達みたいな現代のブルジョアの子供は、小学校はSAPIXという塾に通い、御三家と呼ばれる中高一貫の名門私立に入学、鉄緑会という東大受験専門塾に入り、東大生になるという再生産プロセスが確立されているようです。
自分がこれまで生きてきた世界では「○○大学行ってるのすごいねー」くらいの会話レベルだったのですが、今の職場は半数が東大出身で、彼らの話を聞いていると、「どの高校に行っていたか」「小学校の時SAPIXでどのクラスだったか」みたいな話が繰り広げられており、いつも白目を剥き意識を飛ばしながら聞いています。
そもそも地元は小学校で塾は行かないし、中学受験という概念がないし、高校は市内に工業高校か自称進学校の二択しかありませんでした。
両親はどちらも高卒で、トンビの子はトンビなんだから大学なんて別にいかなくていいよ、とよく言われていたので、高校三年まで大学を意識したことはほとんどありませんでした。
逆に勉強しろと言われていなかったので、純粋に数学と物理に興味を持つことができ、大学に進学することができました。

ちなみに、東京のお金持ちの子供って、すごい傲慢で自己中心的、歴史の資料集に出てきた小皇帝のようなイメージがあったのですが(本当にすみません…)、実際はものすごくまともなんですよね。
頭がいいことはもちろんですが、人当たりもよくて気遣いもできる、大学生の遊びも恋愛も一通り経験しており、精神的にも余裕がある、みたいな人が多いです。
ただ会話をしているとたまに「今実家にサウナ建ててるんだよね~」みたいな訳の分からん話がぶち込まれてくるので、あ、やっぱり世界違いました~となります。
そんな中で結局自分は彼らの世界観には馴染めないですし、地元のコミュニティの価値観にももう戻れず、アイデンティティが宙づりになっている状態な気がします。
生まれ育ったコミュニティや価値観から一度離れてしまうと、自分に馴染む場所を見つけるのは難しいですね。
そういう定住できない人間はいろいろな世界の狭間を放浪するしかなく、永遠に居場所を彷徨い歩く宿命なんだと思います。

最近同じように地方から出てきた同期と話している時、ど田舎に生まれて無名の高校に行ってたのに、今東京ですごい優秀な人たちと一緒に働けてるの本当に運が良かった~と言うと、「ほんとに運だけやと思ってんの?自分の努力で切り開いてきたからじゃない?」と返され、おまえ一生一緒にいてくれやと言いそうになりました。

それでは。

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?