手段が目的化

「手段が目的化している」ではない。そもそも「目的と手段は同じ」であるのだ。

(株)キャリアデザインコンサルティングの吉川です。

「あいつは手段が目的化している」

そうコメントする人がいます。

言いたい事は「本人が目的を見失っている」との事。
これが「手段が目的化」現象です。

なるほど、言おうとしている事はわかりますが、少し自分は意見が違うので、これについて自分の考えを書いていきたいと思います。

なお、以下は
誰を批判する話ではなく、どうしたらいいかアクション案を出す話
です。(批判より生産的な事を考える方が好きなので^^;)

真実は1つ、解釈は観点で異なる

自分は「真実は1つ、観点は多数である」と考えています。
観点で解釈が異なるので、解釈は多数です。

人(立場)によって観点が違う、なので解釈が異なります。

そして「目的か手段は立場による解釈」であります。

例えば「チームをもっとよくしたいから1on1の質をあげたい」だと

目的:チームをよくする
手段:1on1の質をあげる

という整理。これをドリルダウンしていくと

目的:1on1の質をあげる
手段:コーチングスキルを身に着ける
目的:コーチングスキルを身に着ける
手段:コーチングスクールに通う

こんな感じでしょうか。

上記の通り、「1on1の質をあげる」や「コーチングスキルを身に着ける」は目的でもあり手段でもある、という事です。

さらに加えると「チームをよくする」は「会社をよくする」手段であり、「コーチングスクールに通う」は「電車に乗る」目的でもあります。

つまり、「目的」と「手段」は異なる観点からの解釈の違いであり、真実は1つなのです。

「手段が目的化」現象の正体

人・立場によって観点が違います。
自分は手段として見えているけど相手から見えている目的が見えていない、というのが「手段が目的化」現象の正体です。

ではどうすればよいか。いよいよ解決方法です。

観点が違う、相手からの観点で観れていない、という事なので、
「相手の観点に立つ」
が基本の解決方針だと思います。

具体的には以下のアクション案はどうでしょうか。

① 相手に話す時に「目的」と「手段」をセットで話す
② 相手から「手段」を聞く時に「目的」を聞く
③ 「目的」と「手段」をペアにしたカードを使って会話をする

解決案①:相手に話す時に「目的」と「手段」をセットで話す

相手に話す時、相手に動いてもらう時はつい熱がこもります。
とくに「どうやるか」の手段部分に時間を割いて説明しがちです。

そうなると利き手は「目的ってなんだっけ」となるので、「目的」は丁寧に話すとよさそうです。

解決案②:相手から「手段」を聞く時に「目的」を聞く

話し手が相手の観点で立って話せれば一番ですが、そうでない時もあります。
そういった時は目的を聞いてみるとよさそうです。

「目的は何?」
と聞くと角がたちかねないので
「手段と目的は表裏一体だと思っていて、私からは手段の○○は見えているけど、その背景の目的を教えてもらってもいいかな」
みたいな聞き方をすると話し手も話しやすいと思います。

解決案③ 「目的」と「手段」をペアにしたカードを使って会話をする

自分はこれが一番おすすめです。
口頭で説明=耳からの情報より、目からの情報の方が脳に残ります。

なので、「目的」と「手段」をペアで書いたカード(ふせんなど)を使って、こういう構造なんですよ、と話すと良さそうです。

目的に対して手段は多数なので、戦略を組み立てる時もこのやり方は非常に直感的で納得感を得られやすいです。

いかがでしたでしょうか?

「あいつは手段が目的化している」

と陰口を言うより、

「私はあの人の観点から物事観れていないかも」

と5秒自問する方が、より素晴らしい世界だと思います。

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