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告白録

何らかの創作で身を立てることへの憧れがずっとあって、将来は自分の創作をお金にしたかった。だから絵を描くことも文章を書くことも、それが好きな気持ち半分、誰かに見つけて欲しい気持ち半分、という感じだった。

でも私って創作の才能が無い。自分の創作への自信も無い。

文章を書いても、絵を描いても、写真を撮っても、全部見たことあるようなもので、何かの二番煎じで、すでにある作品の模倣でしかない、ように感じる。というか、たぶん実際にそうなんだと思う(つい最近、他人に「あなたはクリエイティビティとストレス管理能力が皆無ですね!」と笑われたのも響いている)。

小学生のころは、将来は物書きか陶芸家か研究者かになるんだと思っていた。中学受験したことで、両親の「娘ちゃんと育つかダービー」を絶対に勝たせてあげなくてはいけない、という気持ちが芽生えて、才能をお金にする、不安定な職種への憧れに蓋をした。ZINEとか作ってみたい、という夢を父に笑われたのも鮮明に思いだせる。私はちゃんとしなきゃいけないんだと思った。

たぶんそれを引きずっていて(両親を安心させなければならないという義務感はずっとある)、創作をしてはならないと思っているのかもしれない。その時期から「創作をすること」への罪悪感とかそういうものを感じ始めて創作をしなくなって、もちろん訓練をしなければ良い才能だったとしても錆び付くわけで。

普通の社会人として歯車になることに大きな不満があるわけではなくて、ただすごくすごくすごく悲しい。あったかもしれない宝物の種を捨ててしまった自分、それを育てなかった自分、正直な気持ちを主張しなかった自分、全部のしわ寄せが今来ている。もっと自分を大切にしてあげればよかった。もっと思うままに工作やら読書やら歌やら創作をすればよかった。もっともっともっと才能があればよかった、周りを圧倒させられるくらい、黙らせられるくらいの熱量を持っていればよかった、夢に向かって努力すればよかった。普通になりたくない、なんにもないまま死にたくない!



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