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色彩の教科書(46)車の色と事故率の密接な関係

車体の色と事故率を示した面白いデータがある。

(交通事故率の高い自動車の色)
1位 青 25%
2位 緑 20%
3位 灰色 17%
4位 白・クリーム色 12%
5位 赤・マルーン色 8%
6位 黒 4%
7位 ベージュ・茶色 3%
8位 黄・金色 2%
9位 その他 9%

(資料)野村順一「カラーマーケティング論」より

1位の青、そして5位の赤のデータに注目して欲しい。赤いボディーの車の8%に比べ、青い車は約3倍の25%の事故率を示している。この両者の差は何か。色には暖色と寒色というグループがあって、この二つには、進出色、後退色という特長がある。つまり赤などの暖色は実際よりこちらに進んできている印象を与え、青などの寒色はその逆の印象となる。
ということは、同じ距離にある車でも、赤い車はよりこちらに向かってくるように見え、青の車は「まだまだ遠い」といった印象となる。人と車が行きかう回数は、一日でも、それこそ何億回もあることだろう。そんな出会いの中で、この印象の差は、事故率の差に直結しているのだ。
赤は安全、青は事故が起きやすい。これは簡単に言ってしまえば「目立つ色の車は事故が起こりにくい」ということにもなるのだろう。


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