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どうしたら緊張しなくなりますか?って芸人に聞く人へ

写真はたぶん8年くらい前。
時折ネタ中に顔が赤くなる自覚はあったがある時、同期の盆と正月の橋爪に
「今日のネタもうちょいウケると思っててんけど…なにがアカンかったと思う?」
と聞いたら
「全身赤すぎて入ってこーへんかったわ」
と言われた。
またまた〜!そんなコメント逃げなアカンくらいネタ微妙やったか〜?なんて思ってて他の芸人が写真を撮ってたと聞いて見せてもらって驚いた。
…ここまでとは。
内容こそ覚えてないもののどこぞの大声ツッコミさんのように「俺をおぉぉお!バスに!!!!乗せろーーーー!!!」と怒鳴り続けるネタというわけでもなくそこそこの声量のツッコミでこれだ。

後になんとなく分かって来たことだがこの写真が撮れた舞台は音楽ライブもやるような会場で照明が近くて強く、僕は特別赤くなりやすい相性の会場だということが分かって来た。
他の舞台ではここまでのことは無かったのだがここまでじゃないにしてもまぁ緊張している時はかなり気になるぐらい紅潮してしまうから問題だ。
ネタで怒っている時、平場で焦っている時、これはいい。
最悪なのはネタをお客さんにバレない感じでひとくだり丸々トバした時なんかである。
丸々キレイにトんだ場合、案外お客さんにはなにも伝わっていなかったする。
しかし当の本人はネタを続けながら「これトバしたところに後に効いてくるとこないか!?矛盾出ないか!?」「あれ?じゃあこれもう一度入れ直した方がいいか?いやでもこの順番で入れたらさっきの話と辻褄が…」なんて頭を巡らせ身体に緊張感が走る。
全身に血がめぐり赤くなっているのを感じる。
「ヤバい…!お客さん的にはなにも怒ってないしなにも焦ることない場面やのに赤くなってるヤツや…!マズイ…!」なんて思って余計赤くなる。
負のスパイラルだ。

前置きが長くなったがこういうことがあってか僕はたぶん他の芸人さんよりも"緊張"について考えることが多かったように思う。
だからこそ時折芸人以外の方に聞かれる「どうやったら緊張って無くなりますか?今でも緊張ってします?」の類の質問に辟易してしまう。
僕の答えは「緊張の種類によっては強いし、弱い。」みたいなことになるのだが、、まぁ質問者の人はそこまで深く答えられても引いちゃうやろうから適当に答えてしまう。

僕なりに赤面対策として自分の緊張を考えて来てみていくつか傾向がある事が分かった。
まずは

取り返しのつかない場面のほうが緊張しない

さっきの話にも出したがトバした時も下手に戻れる余裕があると一瞬で思考が駆け巡り余計に焦る。
そういうネタはミスで赤面するが、例えば"噛んだら終わりのネタ"で噛んでしまった時。
もうこれはどうしようもないから案外切り替えて適当にアドリブで喋れたりする。

あと

デカすぎる箱は緊張しない

個人の感覚だが(さっきからずっとそうだが)大きすぎる会場でネタをするとなんだか人と相対しているというより群と相対している気持ちになって個人が気にならなくなる。
「あれ!あそこの人笑ってないぞ!」とか思わなくなる。
なんて言うか海を目の前にしてそれが水の塊って意識ない みたいな。

あとこれはみんなある気がするが

相方の方がテンパってたらなんか自分は大丈夫なる

隣で自分よりヤバいヤツみたら落ち着くんです。
最悪ぐちゃぐちゃなっても自分のせいじゃないっていうのが大きいのかも。性格悪いですが。


今何個か挙げたし他にも色々あるんですが、これは別に緊張を気にしている人みんなに僕の話が当てはまるってことが言いたいのではなくて。
ひとえに"緊張"といってもそのパターンと種類は千差万別で。自分の緊張する傾向を掴んでその原因を潰すようなやり方がいいのかな〜という話です。
僕の場合は
お客さんが少ない時は個人として認識しないようにする
とか
下手にリカバリーを焦らず一旦ペースを落としてみる
みたいなことになるんですがそういう自分オリジナルの対応策を見つけていくのがオススメです。

こんなこと書いちゃうと"大きいライブで""相方のほうがテンパってるし""取り返しがつかない場面"でやらかした時、「このパターンは赤面せぇへんってnoteで書いたのに赤面してしまったら…!!」ってなって赤面してしまいそうで、嫌やなぁ。

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