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目標:最強にくすぶること

先日、会社全体の会合があり、全社員が集まった。
だいたい1,000人ほどだろうか。
皆がスーツを着て、パイプ椅子に座り、偉い人の話を聞く。

全部の話が面白かった。というわけではないけれど、おとなしく聞いていた。ずっと座って話を聞くのは、仕事をしているよりは幾分か楽だった。

とは言え、人が多いと疲れる。しかも皆同じような服を着て、同じような髪形をしていた。
この令和の時代、多様性が重んじられているが、私はあえて皆と同じ格好を選択している。多くの人がそうだろう。悪目立ちしたくないし、数時間の会社の会合のために個性を出すのは正直めんどくさい。
だから、家にあるスーツを着ていった。人と同じが嫌なんじゃないよ。紛れたいんだよ。

会合が終わると、一気に皆が駅に向かった。
ああ…電車、きっと混むなあ、嫌だなあ…などと思いながら私も流れに乗る。
久々に会った違う部署の人に挨拶をしつつ、帰路についた。

あー上手く紛れられた。よかった。

こうやって個性はなくなっていくのだろう。自分は唯一無二の存在であるにも関わらず、この場では他人と同化することを心から望んでいる。
疲れるもん。個性うんぬんより、自分を守ることが大事。

あれ、私、子供の頃に思っていた「つまんない大人」になっているんじゃないか…?

自分のできることをせいいっぱい体現したい。そう思っていたんだけど、今は目の前のことに必死でそんな余裕がないのだ。
これは私が悪いんじゃない。
そもそも、悪いことじゃない。
そういうもんなんだ。
理由なんてない、ただ、そういう時期がきたというだけ。

こんな言い訳を含めて、つまんない大人になってしまったなあ。
とは思うけど、人生の中でそういう時期も必要だよね。

あー今の私、くすぶっている。
ようし、このまま、どん底までくすぶってやろう。
その後、何でもいいから夢中になろう。

つまんない大人だからこそ、面白い大人になれるんだ。
そう思って、今は全力で、くすぶってやる。


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