令和2年に、彼らを置いていく
電波があって、
光があって、
どこでも繋がれると思っていた。
でも、世界は広くて、どこでも命がこぼれ落ちていて。
そのこぼれた命の中に自分の知る人がいたなんて、知るのはずっと後。
家族電話をしたら、父から小学校の時の恩師と年下の幼馴染みの訃報を知った。
恩師はまだ50代半ばで、幼馴染みに至ってはまだ24だった。
思い出が駆け巡る。
遠い昔の、優しい記憶。
ああ、こんな年の瀬に聞いた訃報で。
今年最後の涙になってしまったけど。
今だけこの令和2年を生きた彼らのことを思いながら。
私は、あなたたちがいない年号へと旅に出る。
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