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その小説を買うまで、そして読んだ今。

このnoteは
アイドルグループNEWSのメンバー
「加藤シゲアキ」さんの
短編集「傘をもたない蟻たちは」の感想

ジャニーズに特に興味のない私が
この小説を買うに至るまでのお話です。
ふざけつつも真剣です。

・・・・

きっかけは、
鍵を忘れて出掛けたこと。


夫が帰るまで本屋で待つとしよう。
気に入った本があれば買ってどこかで読もう〜。

なぁんか読みたい本、あったっけ?
うろちょろ回って表紙を見ても思い出せない。
メモしてそうなスマホは使えない。
鍵もない上、充電もほぼない。
「疲れたから先に帰るね!」と一緒に出かけた夫に言い残しバスに乗った私。
夫からの「帰ったよ」のLINEは読める充電をキープしておきたい。



雑誌を立ち読みしてまたふらふら回る。

「ピンクとグレー」って文庫本が目に入る。
表紙がきれいだわぁ。
実は一巡目にも目に止まったけど、手を伸ばして取る前にやめた。
…「加藤シゲアキ」と入っていたから。


加藤と言えば、「加藤晴彦」で育った、どうぶつ奇想天外が大好きだった今年34歳の私
です。


父の趣味で朝のリビングに長渕剛が流れているような環境で育ち、なんとなくアイドルグループが好きだとか言えない雰囲気が家庭にありました。

加藤シゲアキさんの作品が直木賞を受賞した!と知ってから、少し気にはなっていた。(失礼しました、直木賞候補になった、でした!教養を欠いてました、てへ。2021年12月28日追記)

加藤シゲアキさんに対しての興味というより、恋愛ご法度のようなアイドルの仕事に就いた方の書く恋心とは、どんなものだろう、と思っていた。

ジャニーズの方がテレビドラマでキスする度にドキドキするんですよね。「あら、この子…このドラマが初めてのキスなんじゃないかしら…緊張するやろうねぇ…」と。ほっとけ!



本屋の話に戻る。

意図せず2度も目に止まった本。

「くそぅ…表紙のデザインてめちゃ大事やな」とか思った。
てか、何が「くそぅ」なのか。
そうか、自分にはアイドルの本は読まないぞ、とかいう頑固親父精神がある。(頑固親父への偏見かな)

頑固親父にはなりたくない!と、そろーり手に取りパラリとめくり【1987年生まれ】。
あら、同い年やないかい。
私が手に取った「ピンクとグレー」は、作家デビューの本らしい。あらまあ、これも何かの縁。


すんなり買えばいいのに。
買えばいいのに、何かが、どうしても不安だった。
ガッカリしたくない、と思った。
それは文庫本616円が無駄になるとかそういうんじゃなくて。
なんと言おう。
なんか「やっぱりアタシ、ほんっと頑固親父だったわぁ〜」て思いたい。
面白くあってくれ!!って願いみたいなもんです。


だから手前にあった短編集にした。
表紙は水溜りの写真でエモな感じ。
「傘をもたない蟻たちは」ってタイトルも切なそうでいい!
鍵をもたない私にピッタリだわ!

短編集ならたくさんのお話があるし、アイドルの書く恋模様も知れそうだし、純粋に同い年の異性がどんなお話書くんだろうってのも気になる。

ここからが感想です。

多分ネタバレはほぼない、はず。

なかなかにのめり込んでブワァーと読んだ。
まだ1話目だけですが。

用事を早く切り上げて家に帰ってきてくれたはずの夫に話し掛けられると「今はやめて!シゲアキタイム!」と没頭した。


私の念願叶って1話目は恋の話…というか、憧れの話、だったかな。
男女がしっかり交わる話だった。


内容とか切り取り方とか、アイドルが書いたからどうだとかそんなのは全く関係ない気もしたけど、こういう描写は数々の映画から学んだのかなぁ〜誰かから聞いて膨らましたのかなぁ、文学から学んだのかな、それともー……とか考えたりした私は、頑固親父でもあるけど、その前にただのスケベ。


文学のことは全く詳しくない。
有名な作家さんのものも読んでないものばかりなので、内容を語るのはとてもじゃないけど恐れ多い。

ただ、、、一つだけ。
その1話目の終わりが、釈然としてない。


短編集はだいたいほんのり終わることって多いと思うんです。あぁ今から会いに行くんだなぁー清々しい顔だろうなぁーとかって想像の余地がある感じで終わることって多いと思う。
今回のお話もそんな感じで想像の余地を残して終わっているようだけど、全くその想像が及ばないのです。

2人がこの後どうなるのかー…どうなってほしいかー…のイメージが全く湧かない。
それが悪いとかでもなく、多分初めての経験でした。
アタシ同年代の異性の考えてることが分からないってこと…?と、何かふにゃふにゃな気持ちになったので、今度夫なり、とにかく異性に読んでもらいたいと思っている。


人に読んでもらいたいって気持ちになったのも久しぶりで、やっぱり小説って面白い。

アイドルの本は読まん!と、とんだ頑固親父スタイルだった、頑固やめてよかったわ、と無事に思うことができましたとさ!

・・・・おしまい・・・・


おまけ。

タイトルの、【傘をもたない蟻たち】ついて。

傘をもたない蟻たちは、一見大変そうだけどきっと、雨を楽しんでいると思います。
なぜならば、あらここにいたのね、って葉っぱの裏とかで休んでたりするから。雨宿りがうまい。
いつもはせかせか動いてる蟻たちも、1人だったり2人だったりで雨宿りしていて、なんとなくひそひそのんびりとおしゃべりしていそうな気がします。

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