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ゴジラの記憶 #12 「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」

公開は1972年。小学校6年になっていたということもあり、流石にリアルタイムでは観ていない(当時のゴジラシリーズというかチャンピオンシリーズは小学校高学年になるとちょっとキツイ内容であった。仮面ライダーや帰ってきたウルトラマン、スペクトルマン、ミラーマンとかは見ていたのにねぇ)。初めて観たのは40台も半ば過ぎ。D社の特撮リーズDVDであった。

でもこのガイガンという敵怪獣は結構人気があって、「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」でもラス前ボスという位置付けであった。でも、その割には平成シリーズも、GFWを除くミレニアムシリーズにも出てこなかった。なぜか?理由はそのフォルムにあったのだと思う。何ていうか、あまりにも「ぼくがかんがえたさいきょうのかいじゅう」過ぎるのだ。実際、当時の男子小学生にオリジナルの怪獣を考えろと言ったら、10人中8人ぐらいはガイガンのようなものを考えたと言い切れる自信がある。

無論、単なる子供の妄想をキャラクター化して、スクリーンに登場させるのは簡単なことではない。でも、腹に回転ノコを仕込んだ生き物(サイボーグ怪獣という設定だけど)って一体何なのよ。大体、地球より科学文明が発達しているはずの異星人が何でローテクの部類に入る電動ノコを採用したのよと疑問は枚挙にいとまがないが、ただ、電気ドリルといい回転ノコといい、高速で回転する刃物は男の子にとって恐怖の対象であると同時に憧れの存在でもあるのだと思う。轟天号やジェットモグラ、ウルトラセブンのマグマライザーなど、先端にぶっといドリルを付けた人気メカは沢山あるし、今話題の「チェンソーマン」にしたって、あれは映画「ハロウィン」のブギーマンに着想を得てるとは言え、高速回転刃物に対する男子の潜在意識みたいなものがどこかに働いていると思うのである。

ただ、成長した怪獣少年=「大きなお友達」の眼をどこかで意識していた平成・ミレニアムシリーズには昭和のお子様向けゴジラの象徴として、ちょっと出しにくかったのではないか。メカゴジラは要するにロボットで、人間側の対ゴジラ兵器に設定も変えられるし、エヴァのように暴走もできる。でもガイガンはなぁ、という感じではなかったのだろうか。スクリーンに登場するのは、シリーズ総決算のなんでもありという趣の「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」まで待たないといかなかったわけである。

そう言えば、レジェンダリーの「モンスターユニヴァース」に於いて、「GODZILLA vs KONG」の続編が制作されることとなり、その敵怪獣はガイガンか?と思っていたらスペースゴジラだという話が伝わってきた。う~む、ハリウッドの力を以てしてもちょっとキツかったのかなぁ。あ、でも、好きか嫌いかで問われたら、私はむしろ好きな部類に入る怪獣なんですがねぇ。


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