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ゴジラの記憶#特別編 「ゴジラ-1.0」

本当は、ゴジラ1作目から順番に感想書こうと思っていたのだけど、本日公開初日に観に行ったのでその感想をば。立錐の余地もない入りを予想していたのだけどそこまでではなく(まあ、時間帯にもよるんだろうけど)、公開初日、しかも祝日でこれで大丈夫なの?という入りではありました。でも、若い観客が多い!!少なくとも、私が観た館、時間帯では、見たところ中学生ぐらいだろうか?大ヒットした「シン・ゴジラ」は圧倒的にオジサンが多かったので、このあたりがこれからどういう成り行きになるかだろう。

で、観ての感想だけど、面白かった~!ちゃんと山崎貴監督の娯楽作になっており、加えてゴジラの迫力ある造形やVFXもGood。なによりも、主役の二人(神木隆之介と浜辺美波、朝ドラの万太郎とすえちゃんですね)がしっかり主役していた。何を当たり前の事をと思うかも知れないけど、ゴジラ映画は往々にしてゴジラが主役。人間はクライマックスシーンまでゴジラを誘導する役回りか解説役になる場合が多く、冷静に観たらキャラ変やヘンなことやっているのだが(特に平成VS シリーズとか最近のモンスターバースとか)、この映画は多少ツッコミどころはあるものの、脚本はスッキリと整理されて見やすく、盛り上がるところは盛り上がり、泣かせるところはしっかり泣かせる。このあたりは流石手練れの職人の技だと思いました。

思えば「シン・ゴジラ」が映画としてもゴジラ作品としてもいささか歪だったのに対し、今度の「ゴジラ-1.0」は王道中の王道の娯楽作品といいますか、ゴジラはあくまでその中の重要キャラというかコンテンツとして位置付けられている感じ。ゴジラファンとして有名な山崎貴監督ですが、娯楽作品の作り手として自分が何を求められているかはしっかり踏まえているのは大事だし、必要な事だろう。そう言えば「シン・ゴジラ」の庵野秀明監督のゴジラを観る目だって結構クールなものを私は感じたのだけど、この「好きなんだけど、それを映画にどう落としこむか」が、これからゴジラ映画を作るうえで一番求められることなのかもしれない。

昭和、平成と、ゴジラは出てくるだけでスターであり、作り手もどこか遠慮していたような気がする。丁度、昭和30年代時代劇映画スターの「おアップいただきま~す」のように。しかし、生誕してから70年経ち、ようやくゴジラもエンタメのいちパーツとして観ることができるようになったのかもしれない。むしろ、ハリウッドの「モンスターバース」の方が、ゴジラのスター化が進んでいるような気がする。まあ、かつて日本が作っていたようなもんをハリウッドで何倍もの金かけて作っているのだから、同じような物作る訳にもいかんのだけどね。

結局は外の力によってしか変わることができない。劇中の佐々木蔵之介の言葉ではないけど、80年前から日本という国はかわってないのだ。でも、この映画と「シン・ゴジラ」よって特撮映画は確実に新たなステップに踏み出したと思う。

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