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ベルリンの動物園

今週はベルリンで夏休みらしいことをやろう、何となくそう思い子供たちに何をしたいか聞いてみた。個人的には気になっていてまだ足を運んでいなかったFuturiumへ行きたかったのだが、多数決で動物園へ行くことになった。

最後に動物園に行ったのはいつだっただろう。パンデミック前だと思うので、1年半以上ぶりになるはずだ。地上を走るSバーンで20分ほど走ったら西側の中心地ともいえるベルリンのツォー駅、いわゆる「動物園」駅に着く。あまり知られていないかもしれないが、ベルリンの東側にもTierparkという動物園がもう一つある。

駅前にある入り口が「ライオン門」で、もう一つの入り口は「ゾウ門」と呼ばれている。今日はSバーンの動物園駅前に近い「ライオン門」から中に入る。正直こちらの門はそれほど映えないような気がする。

平日なので空いているかと思いきや、観光客の姿や親子連れで賑わっていた。動物園は、やはり家族連れが多いようだ。私以上に何度も足を運んでいる子供たちに、動物園を案内してもらうことにした。

久しぶりだったせいか、改装工事が終わり初めて目にする建物もあったので驚いた。南米の鳥類が自由に飛び回る館内では、トコトコと歩く鳥のすぐ側を歩けたりもした。これはすごい。

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先日、たまたま鳥類の研究学者にインタビューしたところだったので、鳥たちをマジマジといつも以上に熱心に見てしまう。不思議なものである。

久しぶりの動物園で印象に残ったのは、これら鳥たちとペンギンの姿だった。地上で何匹かが寄ってたかって議論をしているのをよそ目に、一羽だけが水の中でスーイスーイと泳いでいる姿が目に止まったのだ。

人間社会の縮図、とでもいうか自分もあの泳いでいたペンギンのようでありたいものだなー、なんて思ったりもした。

人間でも動物でも集団で生活をしていると、色んな揉め事が起こるのだろう。動物をよく観察していると、必ず人間に近いような行動をすることに気付くことができるはずだ。人間のように対面する相手が誰なのか、という認知力があるのかどうかは別としても自分以外の他人、という捉え方はするはずだからだ。

それはともかく、あのペンギンの様子は見ていてとても面白かった。

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ベルリンの動物園はとても広くて大きいので、1日で全てを見て回るのは至難の技だ。結局、私たちも3時間くらいは動物園にいたことになる。現在の状況下では、園内は密にならない場所であればマスク着用は必要なく、テラス席で食事や軽食が取れる場所がたくさん設けられている。

アスレチックのような公園もあるので、動物を見るのに子供が飽きてしまっても遊ばせることもできる。子供たちが今より小さな頃はよく利用させてもらった。

ヤギなどが自由に触れる「ふれあい動物園」(Streichelzoo)というスペースもあり、我が家の子供たちは今でもそこが大好きだ。今日もお気に入りの黒い子ヤギを見つけて可愛いと喜んでいた。

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途中、2匹のヤギが脱走を試みたが、何とか元の場所に戻すことができた。係員が出入り口のところに立っているわけでもなく、全て訪問者の良識に委ねている形なのだ。「ふれあい動物園」にしても「南米の鳥の館」にしても、監視員係の姿がなかったのがとてもドイツらしい。

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無邪気に遊ぶ子供たちを見ながら、いつまで一緒に動物園に行けるんだろうなぁ、なんて思ったり。

ベルリン動物園(西側:最寄駅Zoologischer Garten)
ベルリン動物園(東側:最寄駅Friedrichsfelde)

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