財務コンサルタント 伊藤亜紋

オーナー社長と個人事業主のための財務収益構築 ①本業利益を凌ぐ財務収益 ②マイナスの…

財務コンサルタント 伊藤亜紋

オーナー社長と個人事業主のための財務収益構築 ①本業利益を凌ぐ財務収益 ②マイナスのない資産運用 ③積立に頼らない財産形成 ④保険に偏らない危機管理

最近の記事

38.外貨や海外投資に注意

⬜︎海外投資・外貨建て資産の「効果」 「日本と海外の金利に大きな差があります。日本の低金利商品に預けるくらいなら、通貨分散もできるので海外の資産を持ちましょう!」と良く募集されていますが、これはこれで嘘ではないことが問題だと思います。常に、「いいことばかり」で「悪い面や、お客様が選択できる状況までサポートする」ことをもっと重要視してほしいのです。  とはいうものの、海外の預金・債券・株式・不動産など、その効果を見ていくと、 ①国債分散投資が出来る。 ②為替差益が狙える

    • 今の習慣の延長線上にないもの

      現在の習慣に疑問がなくなったとき。それは、成長が止まっているときです。 また、過去の手法に固執して、目的達成のためにあらゆる手段を講じる努力を惜しんだ時、それもまた成長が止まっている時です。 日本の金融は、2003年までに「金融ビッグバン」を行いました。すでにその後、20年以上の月日が流れています。 しかし、今でも、「繰り上げ返済」や「学資保険」や「預金体質」は変わりません。 様々な、“過去の栄光“ は未だに残っています。 本来、それらの目的は、将来に向けて「生涯

      • 37.「マイナスのある運用」と「マイナスのない運用」

        キャピタルは、資本という意味で用いられることが多いのですが、資金・元金の意味も含まれ、キャピタル・ゲインとは、資産を売買することによる売買差益で得ることができる利益のことを言います(一時所得や譲渡所得など)。 シンプルに考えると、株や不動産などの財産を安く買い、高く売ることで得られる利益のことを言います。 キャピタル・ゲインによる利益を狙った場合、大きな利益を得られる可能性がある一方で、投資元本自体が減ってしまうため、損失(キャピタル・ロス)を被るリスク及び金額が大きいこ

        • 36.「若い時の苦労」・ずっと均一の苦労・晩年の苦労

          皆さんは、少しでも若いうちに資財を蓄え、早期に楽をしたいですか? ずっと同じペースで働き続けたいですか?それとも、 若いうちはのん気に過ごして定年間際に慌てて資財を蓄えますか? 「生涯現役」、これは労働を美徳とする日本人にしっくりくる言葉かもしれませんが、労働は罪の償いと考えた時代のあった欧米では早期リタイアの「FIREムーブメント」が起こっています。 FIRE ( Financial Independence, Retire Early ) ムーブメントは、 経済的

        38.外貨や海外投資に注意

          35.今日本で流行っている、昔の世界の資産運用

          ⬜︎資産運用に「リスク」はつきもの リスクというのは損する可能性を表す言葉ではなく、予測可能性を表す言葉で、平たく言えば「ブレ幅」のことを言います。リスクが低いというのは予測可能性が高く、リスクが高いというのは予測可能性が低い事を表します。 つまり、リスクが低いというのは儲かる可能性も低く、リスクが高ければ儲かる可能性も高いという事です。 リスク必ずしも損をするという意味ではなく、儲かったり損したりする可能性を言うのです。 ⬜︎3人の「ノーベル経済学者」

          35.今日本で流行っている、昔の世界の資産運用

          34.税制優遇積立商品の効果と欠点

          ⬜︎「税制優遇積立商品」の効果と欠点  いつの時代も「節税」という言葉に弱い私たち生活者。納税は必要ですが、必要以上に払いたくないと考えるのが心情です。 しかし、その心情をつくことこそがセールス・テクニックなのですから、「社会保険料控除」「全額損金」「税額控除の対象」など、さほど税金に詳しいわけでもないのに飛びついてしまいます。 実は、これらの多くは、掛け金や積立金を財布から出すときの税制優遇措置なのです。 手段を選ぶときは、入口・途中・出口の3点から確認が必要だと

          34.税制優遇積立商品の効果と欠点

          33.分散投資は本当に安全か

          ⬜︎分散投資の効果  想像してみてください。手のひらをボールペンでつつくと、結構な痛みが走ります。 しかし、両手で思い切り拍手をしても、ボールペンほどの痛みはありません。 これは、矛と盾の関係です。 言うまでもなく、分散投資は「盾」の状態で、戦いにおいてその身を守る道具です。 それに反して、集中投資は「矛」の状態で、戦いにおいて相手に攻撃を加える道具です。 このように分散投資は、大きな損失を避け、中長期で資産を殖やしていく運用手法です。 「すべての卵をひとつの

          33.分散投資は本当に安全か

          32.長期運用は本当に得なのか?

          ⬜︎「長期運用」の効果と欠点 長期間お金を貸し出すことで、利子所得の獲得が期待できますが、長期物価上昇と比較して物価上昇を下回るような利子所得では、お金の保蔵は発揮できず、むしろ腐っていくと言えます。 長期間企業の株式を保有することでその企業の業績に応じた配当所得が期待できますが、常に業績が安定しているとも、常に企業が黒字とも限りません。 また、株式には値上がりという譲渡所得が期待できますが、逆に譲渡損失の可能性もあります。 「長期投資の最大の特徴は、投資家が短期

          32.長期運用は本当に得なのか?

          31.積立とは、金融機関からするとサブスク

          積立は得なのか? ⬜︎「世間の常識」がお金持ちへの道を妨げる  社会人になって、誰もが言われたことのある「貯蓄はしているの?」「将来のことを考えて積立はしないといけないよ」。 さらには、「長期の積立は定時定額購入方式を使えばより安く、より多くの財産を築くことができる」というハイレベルな提案までも経験された方はいらっしゃると思います。 その前提となっているのが『貯めて使う』という、誰もが知っているあたりまえの常識です。 しかしながら、私は、『貯めて使う』は大間違

          31.積立とは、金融機関からするとサブスク

          30.複利は本当に殖える?

          ⬜︎複利の「効果」 歴史上の天才、アルベルト・アインシュタインは「複利の発見は人類史上最大の発見である」と遺しています。が、その複利にも実はメリットとデメリットがあるのです。  単利:元本に決まった利息が加算される。 複利:元本に利息が加算され、さらに翌期には前期の元利合計額に利息が加算される。  先述のお金と時間と利回りの関係性から、①元金が多く ②期間が長く ③利回りが高い場合、複利の効果は最大限に発揮されます。 ちなみに、成功者といわれる多くの人たちは、

          29.ニ種類の資産運用

          ⬜︎「定期的収入」と「価値の増大」 資産運用をギャンブルの延長線上にあるものだと考えている方は少なくないと思います。 日本では、資産運用は値上がりを得るものだと考えられているため、損失や利益が発生することでギャンブルに近いものだと考えられているようです。 本来資産運用には、「定期的収入を確保するインカム・ゲイン」と「価値の増大を計るキャピタル・ゲイン」が存在することを多くの資産運用関係の専門家が伝えていないことが「運用=ギャンブル」という考え方を増幅させています。

          28.あなたは財産派?それとも資産派?

          ⬜︎「財産形成」と「資産活用 」 古く、中国では「貝」を通貨として使っていたことがあり、お金を表す漢字には資産にも財産にも「貝」が組み込まれています。 文字通り解釈してみると、「才覚を含め有形・無形の価値を有するものを財産」、「次のお金を産みだすものが資産」となります。 法律用語辞典によると、財産とは広く有形・無形の金銭的価値を有するものの総体をいう。例えば、財産権、私有財産等。また、特定の主体を中心に、又は特定の目的の下に結合している財産権の総体の意味に用いられ

          28.あなたは財産派?それとも資産派?

          27.金融とは

          ⬜︎「金融」とは 一言でいうと「お金の融通取引」です。 お金を今使わない人が、お金を今使いたい人に融通する資金移動をいいます。 例えば、預金という文字から見失いがちですが、預けるのではなく貸し出すのです。預けるのであれば、銀行に保管手数料を支払うことになります(貸金庫)。実際は貸し出しているので、利子所得を受け取ることになります。 また金融取引とは、お金を貸す方とお金を借りる方の、資金の異なる時点間の交換取引ですから時間差を伴います。 たとえば誰かがあ

          27.資産運用とは

          経済活動には大きく分けて三つの活動があります。 一つ目は事業活動。つまり何らかの物やサービスを提供する収益を得る活動。 二つ目は消費活動。すなわち事業活動を受けて購買する活動。 三つ目は金財活動。これはfinanceと呼ばれる貸借のこと。 ⬜︎「金融」とは 一言でいうと「お金の融通取引」です。 お金を今使わない人が、お金を今使いたい人に融通する資金移動をいいます。 例えば、預金という文字から見失いがちですが、預けるのではなく貸し出すのです。預けるのであれば

          26.「金融は二勝一敗」の法則

          ⬜︎金融は「お金・時間・使い道」の何かを犠牲にする二勝一敗  金融の仕組みは、2つの長所と1つの短所で構成されています。 ①ローンは、時間と使い道を手に入れて、お金を犠牲にする金融の仕組み。 やりたいこと・ほしいものを、利息は払わなければいけないが、すぐに手に入れられます。 ②預貯金や資産運用は、使い道とお金を手に入れて、時間を犠牲にする仕組み。 やりたいこと・ほしいものを先送りする結果になりますが、利子や配当、値上がりが期待できます。 ③保険は、時間とお金

          26.「金融は二勝一敗」の法則

          25.一括と分割の上手な払い方

          ⬜︎「一括払い」よりも、「金利の低い分割払い」を上手に活用する 「借りたお金は早く返さなければ」そう考えている人は少なくないと思います。 そこには、分割払いすると利息分が損をするという「損得勘定」が働いて、まんまとお金にゆとりができる法則から外れた道を歩む原因になっているのです。  一方でお金持ちは、財布ではなく貯金箱を上手に管理するわけですから、「一括払いをすると貯金箱から資産が減少する」と考えるのです。 資産が働く仕組み(詳細は第六章)を活用しているのですから

          25.一括と分割の上手な払い方