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社内調整が上手いコンサルこそ優秀である

私はBtoBマーケティングや中途採用の仕事をしています。たまに同領域のフリーランスや支援会社の人と関わることもありますが、こういう仕事をしていると、企画やコンサル業務ばかりを重視し、社内調整のような業務を軽視する傾向が生まれます。自分たちは企画・設計だけを行い、社内調整をクライアントに任せるといった姿勢もそうですし、企画・設計=上流、社内調整=下流といった考え方もそうです。

もちろん、企画や設計業務が重要であることは疑いませんが、実は真に優秀なコンサルとは社内調整が上手い人なのではないか、と私は最近考えています。

例えば、BtoBマーケティングを始める際、どんなコンサルでもペルソナやカスタマージャーニーを設計するでしょう。最近ではノウハウ資料やウェビナーも増えたので、設計自体は難しいことではありません。最近はクライアント担当者でも設計できる人が増えています。

ところが、コンサルが設計したペルソナやカスタマージャーニーをクライアント社内に共有すると、営業など他部署から大量の異論が発生し、収集が付かなくなることがあります。または、各人が思い描くペルソナがばらばらすぎて、共通のペルソナを描けないこともあります。

中途採用でも似たようなことがあります。母集団を増やすために採用要件を下げたい人事部と、面接工数や教育コストを減らすために要件を上げたい事業部で利害が対立し、採用のアプローチに一貫性が無いなんてことはよくあります。

こういった社内対立、コンフリクトを乗り越えるために「社内調整」が必要なわけですが、クライアントの担当者が自力で乗り越えるのは至難の業です。そこで登場するのが、私のような外部のコンサルです。コンサルとは社外の人間である分、社内の利害関係に縛られませんし、目の前の業務に追われがちな担当者と違って状況を俯瞰しやすいので、社内調整を完遂するにはどうすれば良いかを客観的に描きやすいのですね。

私は自分が設計した成果物が社内に通りづらい場合、社内への説明資料を作ったり、社内の打ち合わせに参加したりします。そのおかげか、私は最近では社内調整や実行力の高さを評価いただくことが増えましたが、今後はこういった社内調整が上手いコンサルこそ評価を集めるのではないでしょうか。

※余談ですが、最近の戦略コンサルファームは「実行支援」を謳う会社が増えています。これは、戦略設計だけ行って実行はクライアントに任せるという従来のコンサルファームの姿勢を反省したものでしょう。


私のフリーランスの仕事については下記の記事をご覧ください。

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