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ホテルワーク体験記・成田リゾート編

コロナ禍になってからというもの、私はほとんど事務所に行かなくなった。仕事柄、別にパソコンさえあればどこにいても仕事ができるのだ。

とはいえ、気軽に旅も出来ない世の中である。やはりずっと家に居てばかりというのも気分が滅入ってくるものだ。

そんなわけで、時折私は数日間自宅を離れてホテルワークをしている。
ほんのり旅行気分も味わえ、普段と異なる環境で仕事ができるので、たまの気分転換には最適なのである。

そこで、今回はいくつかの場所でホテルワークをしてきて、良かったと思う場所について取り上げていくシリーズを書いてみたいと思う。

なお、これをワーケーションと言っても良いのかもしれないが、基本的に観光要素はほぼ無く、単にホテルで仕事をしているだけなので、ホテルワークと呼称する。

今回は初めてホテルワークを敢行した、成田のホテルについて取り上げていく。

今回のオフィス

私が初めてのホテルワークでチョイスしたのは、成田空港からほど近いラディソン成田である。

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写真は公式サイトより

特に重視したのが以下の3点である。
①都内から近い
初のホテルワークである。実際仕事してみて何らかの理由で「あ、無理だわ」となる可能性も否定できない。最悪そうなった場合に家に戻れるように、近場である必要があった。

②大浴場がある
ホテルの部屋に1日こもって仕事をした挙げ句にユニットバスで入浴では、気分転換しに来たのか服役しに来たのかわからない。
夜は大きな風呂でリフレッシュして、旅気分を味わいたかった。

③デスクがある
②を踏まえると温泉旅館に行けばいいじゃないか、となる。しかし、和室の畳に座し、ちゃぶ台にPCを置いて1週間も仕事をしようものなら、腰をいわせることは想像に難くない。温泉に来て負傷して帰るのでは本末転倒この上ない。というわけでデスクと椅子は必須だろうと考えた。

ラディソンを選ぶにあたって私が利用したのがOtellというサービスだ。

1週間ホテルワークをすることを前提にした宿が揃っているので、③やWi-Fiなどの仕事環境に関しては保障されており、その上で①②を満たす宿を探せばよかったので、とても有用だった。

では、ここからは実際にホテルワークを行っての個人的な評価をいくつかの観点から5段階で行っていきたい。

アクセス

私は23区内在住なので、そこからのアクセスの評価になる。
また、私は車を持っていないので公共交通機関でのアクセスを前提としている。

結論から言うとアクセスはかなり良い。

ラディソン成田は徒歩圏に駅がないが、成田駅または成田空港から無料送迎バスが出ているので、それを利用すればホテルの前まで簡単にたどり着ける。
また、東京駅から匝瑳そうさ市役所を結ぶ高速バスが、途中ラディソン成田前に停車するので、それが最も手っ取り早い移動手段である。

アクセス:5

部屋

チェックイン時にありえないレベルのミスがあったものの、いざ部屋に入ってみるとそこはリゾートホテルだ。そのへんのビジネスホテルとは広さも設備も違う。

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また、通された部屋が10Fだったこともあり、特に何か有名なものが見えるわけではないが、眺望もまずまずだった。
やはり窓の外がいつもと違う景色だと、なんとなく気分が違って来るので良い。

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部屋:4

仕事環境

とはいえ、今回は仕事をしに来たのであって、意味もなくベッドにダイブして転がってみたり、とりあえず分厚い宿泊約款を読んでみたり、アメニティを一通り確認して持って帰るかどうか吟味したりするために来たのではない。

やらないとは言っていない。

大事なのは仕事をする上での環境であるが、これも十分に満足できる内容だった。

TVの置かれたラックとは別の位置に独立してデスクがあるため、作業スペースに余裕があり、広々と使うことが出来た。

また、Wi-Fiに関しても何ら問題のないスピードで、電話会議などもスムーズに行えた。
Wi-Fiの強度などは行って試してみないとわからないところがネックになるが、Otellに掲載されているホテルは仕事環境が整っていることが保障されているので、その点は安心だ。

そして私はデュアルディスプレイ依存症であるので、ディスプレイが1つになると急激に不安に襲われるタチなのだが、有料でモニターをレンタルすることが出来るのがありがたかった。

仕事用のデスクチェアも用意されていたのだが、私には合わず結局普通の椅子を使うこととなった。

その週はちょうど色々考えなければいけない系の作業があったのだが、気分が変わった結果、かなり捗ったので目的は達されたと言える。

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上司と電話会議をしていたところ「今日なんかいつもと音が違くない?」と言われた。おそらくいつもより部屋内の音が響いたからだろう。
「なんて鋭いんだ・・・」と思いつつ、特に隠す必要はなかったのだが、「そうですかー?いつもと同じヘッドセットなんですけどねぇ」とすっとぼけた。
嘘はついていない。場所が違うだけだ。

環境:4.5

価格

Otell掲載のホテルは価格が3種類に分かれているのだが、ラディソン成田の場合は4泊5日食事なしで27,280円であった。
1泊7000円弱と考えると安いとまでは言わないが、部屋の設備や環境を考えれば十分にお値打ちと言えるだろう。

価格:3.5

周辺環境

数日間をホテルで過ごすとなれば、食事はもちろん、飲み物などを買い込みたいので、周囲にレストランやコンビニ・スーパーなどがないと困る。

その観点では、まずホテル内に小さいながらもセブンイレブンとコーヒーショップが入っているため、朝食など簡単なものはここで入手できた。
また、徒歩10分以内にローソンとミニストップがあり、さらにローカルスーパーもあったので、2Lペットボトルなど大物を買い出しすることも可能である。

食事に関しても、ホテル内にレストランが有り、昼間は1000円強でパスタやカレーにサラダバー+ドリンクバーがつくので安くはないがまぁ悪くはない。
しかし夜となると話は別だ。なまじリゾートホテルであるので、ディナーはビュッフェスタイルなのだ。

ビュッフェ自体は好きだ。しかし折しも時は8月、遠出できないフラストレーションを発散しにリゾートホテル滞在を楽しむ家族やカップルがキャッキャしている中、何が悲しくて5000円近く支払って独りビュッフェを楽しまなければいけないのだ。

個人の見解です。

というわけで、夕食は毎日外に食べに行った。
15分ほど歩いて国道102号線辺りまで行けば、店の選択肢がぐっと増えてくる。ずっとホテルに居るとまともに歩かないので、運動も兼ねて外に足を伸ばすのがちょうどよかった。

とはいえ、成田に何かご当地グルメがあるわけでもなさそうなので、至って普通の選択肢しかないのが残念といえば残念だ。

周辺環境:3.5

風呂

重要視するポイントの1つに挙げていた風呂であるが、ラディソン成田では隣接する温浴施設を利用できるのが魅力だった。

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画像は公式サイトより

天然温泉ではなく、沸かし湯であるところが残念ではあるが、露天も含めて種類が多く、いろいろな湯船を楽しむことができる。

この東京湯楽城という施設、コンセプトが謎であった。

まず、外観は湯屋の趣である。

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しかし一歩足を踏み入れるとなぜか欧風に一変する。

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公式HPより

ホテルでもらえる入場券を受付で渡せば、ここで浴衣やタオルのセットが受け取れる。
更衣室で浴衣に着替え、更に中に進み、足湯ゾーンを抜けなぜか鳥居をくぐると再び古き良き日本の様相になる。

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しかし、ふと見上げるとなぜか天井はウェイ系である。

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そしてBGMはほぼずっとBTSのDynamiteだった。

ここからはDynamiteを聞きながらお楽しみください

スイートチリソースのかかった海老天を見ているような気分だ。
世界観が迷子な気もするが、成田という場所柄、訪日客は喜ぶのかもしれない。

風呂を楽しんだ後は、リラックススペースでのんびりすることもできる。
隅に漫画コーナーがあり、クッションに腰掛けて漫画を読むことが出来た。
鬼滅の刃が全23巻揃っていたので、読んでみることにした。
アニメは見ていたが、原作と映画は見ていなかったので、無限列車編まで読もうと思った。

毎日仕事を終えて夕食を外で食べた後、湯楽城で広い風呂を堪能して鬼滅の刃を読む。これが毎日のルーティーンとなった。
最後の金曜日を前に気づけば16巻まで読み進めていた。

金曜日。ここまで来たらどうにか最後まで読みたい。しかし湯楽城は22時には閉まってしまうので7冊読むのはかなり厳しい。
仕事を超速で終わらせると、外に食事に行くのを止め、湯楽城に直行した。
5日連続の来訪ともなると、受付のおばちゃんは浴衣のサイズを聞くこともなく、黙ってLサイズのそれを私に差し出すようになった。

中の食堂で食事を済ませる。早速漫画コーナーに向かっても良かったが、あくまで風呂に入りに来ているのだという謎のこだわりが私を浴場へと向かわせた。

あくまで風呂を楽しもうと露天風呂へ浸かる。壁の向こうでは噴水ショーが行われている時間だった。
QueenのI Was Born to Love Youをバックに噴水がバシャバシャいう音を聞きながら温まった。サウナには入らなかった。

風呂を上がると、リラックススペースへと向かう。
鬼滅の刃17巻から23巻までを手に取りクッションに腰掛ける。
読んだ。ひたすら読んだ。
全集中で読んだ。
周囲が湯楽城から無限城に変わるほど読んだ。
こんなことなら初日から計画的に読んでおけばよかったと思いながら読んだ。
もう何度聞いたかわからないDynamiteをBGMに読んだ。
登場人物がバンバンやられていく中読んだ。

そして21時50分、ついに全23巻は読破された。
読み終わった頃にはあれだけヘビープッシュされていたDynamiteすら鳴り止み、代わりに流れる蛍の光に追い立てられるように湯楽城を後にした。

温泉:5

おわりに

というわけでワーケーションを通して鬼滅の刃とBTSに詳しくなった一週間だった。

総評として、ラディソン成田はお手頃価格とは言わないが、初めてホテルワークをするには環境が整っていてオススメできるといえる。
とりあえずホテルワークをしてみたいんだけど、という体験版にはちょうどよいだろう。公式サイトからなら短い期間でも予約できるのでそちらを検討してみても良いかもしれない。

今回の体験を通して「ホテルワーク行けそうだな」という感触を得た私は、以後チョコチョコとホテルワークをすることになるのだが、それについてはまたの機会に書いてみたい。

また、安心してアニメ鬼滅の刃遊郭編に臨むことができる状態になったのは言うまでもない。


最後までご覧頂きありがとうございました。
次回は旅行記です。


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