先日、定年退職されるオジサンの送別会に参加した。
その時、オジサンがとてもいいことを言っていたのだ。

４０万で買った、中古のベンツに乗っていた話。
そのベンツで通勤していたら、陰口をたたかれたらしい。

本社から片田舎に出向していたお偉さんが、これ見よがしにベンツに乗ってきていると。
それに対して、オジサンは、

「僻んでないで、ベンツに乗りたきゃ買えばいい。４０万だよ。ウチの会社に勤めてて、みんな軽自動車何台も持ってる土地柄なんだから、買えるって」

と言っていた。

確かに、ウチの社員なら買えそうだなと思った。
４０万円だってベンツはベンツだ。

そこで ふと思った。

『いつかベンツに乗りたい』という夢があったとして。
これだけなのに、どこかで
『新車の自分のベンツに乗りたい』って思い込んでいるなあと。

ベンツに乗りたいだけなら、
新車じゃなくて、４０万円の中古車でもいい。
なんなら、ディーラーの試乗車でもいい。

もしかしたら『乗りたい』だけで、『運転』はしたくないかもしれない。
それなら、誰かのベンツの助手席に乗せてもらうだけでもいいかもしれない。

そうなると、夢を叶えるって実は簡単。

新品のベンツを買わなくても叶うのだもの。

そして、叶った先は別の話。

４０万円のベンツに乗って満足するかもしれないし、
次は新車を買いたい！ って思うかもしれないし、
新しい夢が生まれるのだ。
とにかく乗ってみないと分からない。

自分の夢の核がどこなのか。
案外簡単に叶えられることもあるかもしれない。

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