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20030604 ペイオフ(2)

 ペイオフ$${^{*1}}$$の続き。「ペイオフ解禁$${^{*2}}$$」となれば、銀行が潰れた時、自分の預金の内1000万円を超える部分は戻ってこない場合が発生する。まぁ、そんな大金は銀行に預けていない$${^{*3}}$$から大丈夫と思っていたが、そうではない。

 銀行が破綻すれば、預金の引き出しが暫く出来ない。潰れた日にATM$${^{*4}}$$が動いているはずがない。銀行にある預金は自分の物のままであるが、自由に引き出せなくなる。これを回避するために、ペイオフが発動された場合「仮払い$${^{*5}}$$」が行われる。仮払いとは、預金者は当座の生活をしのぐために一口座当たり60万円を限度に受け取ることができる。そのため保険事故発生の日から一週間以内に預金保険機構は仮払いの実施$${^{*6}}$$をしなければならないことになっている。

 ペイオフ制度によって確実に払い戻される上限の1000万円とは、一つの金融機関で一人の預金者当たりの預金金額なので、その金融機関に複数の口座を持っている人に対してはそれらの口座にあった預金を全てをまとめて預金金額を確認した上で支払をすることになる。これは「名寄せ$${^{*7}}$$」と呼ばれ、その作業には時間がかなりかかるらしい。その間の応急措置として「仮払い」をするわけである。

 一体誰が潰れた銀行で一所懸命「名寄せ」作業をやるのかよく解らないが、顧客全員の口座情報を整理するのだからとにかく時間がかかるだろう。

 これからが問題である。仮払いは一週間以内とあるが、残りの預金の支払までの期間は特に決まりがあるわけではないようだ。極端なことを言えば「名寄せ」に10年ぐらいかかってもいいのである。これでは60万円までしか支払われないのと同じだ。更に連鎖的に大型銀行が破綻した場合は預金保険機構の保険機能では到底賄えなくなるだろう。この時もあくまで1000万円迄は保証するが、30年間無利子の分割払いぐらいになってしまうかも知れない。その間にインフレが起こってしまえば、政府や銀行の思う壺だし、預金者は泣きっ面に蜂となる。

 そもそも銀行に金を預けるだけで金が自動的に増える、というのを当然のことと期待しているのが間違いなのだろう。他人に任せるのであればその危険性も十分理解すべきなのである。ではどうすればいいのか。上に書いたようなことは極端すぎるので考える必要はないが、現金資産が1000万円以上なくても銀行に預けるのは程々にしておいて、他の形での貯金を考えた方がいいような気がしてきた。

 仮払いは一預金者当たりではなく「一口座当たり$${^{*8}}$$」60万円までである。これを踏まえて60万円以下の口座を沢山作っておけば、いざという時は役に立つかも知れない。

*1 20030603 ペイオフ
*2 1 預金保険制度の仕組み
*3 20030520 年収100万円で楽しく幸せに生活する方法
*4 銀行ATM手数料比較調査、コンビニATM手数料比較/ホームページ作成会社 ウェブバナナユナイト
*5 金融機関の破綻 ― 4.仮払い
*6 ペイオフの影響は預金者全員に![300万円貯める!殖やす!]All About Japan(1/3)
*7 「名寄せ」とは何?
*8 3 金融機関が破綻したときの預金等の扱い ニ. 仮払金の支払

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