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20070124 長福寺心礎

 実家がある場所にはかって尾張最古の寺院があった。長福寺と言う。出土する瓦の形態から七世紀頃の建立と言われている。仏教伝来が六世紀$${^{*1}}$$なので、それから百年ぐらい後に建立された寺である。今でも実家の敷地内で少し掘り起こせば長福寺の瓦のかけらが出てくることがある。布目瓦$${^{*2}}$$なので、見れば$${^{*3}}$$それとすぐ判る。

 この長福寺の仏塔$${^{*4}}$$の心礎が実家近くの寺院にある。心礎$${^{*5}}$$とは五重塔などの中心柱$${^{*6}}$$の土台石のことである。この土台石がその昔、我が実家の敷地内にあったと聞いていた。いつ頃なのか判らぬが、現在の寺院に移されたと言う。私の父からは仏塔の心礎ということではなく、寺そのもの土台石と聞いていた。相当大きな土台石なので寺自体もかなり大きかったと想像できると聞かされていた。

 寺の土台石ではなく、仏塔の心礎であれば、五重塔などが敷地内にあったということである。やはり相当規模の大きな寺院だったことになる。幼少の頃、実家の横には竹藪があった。ここを宅地に開発する前に発掘調査が行われた。かなり深く掘っていた記憶があるが、寺の遺構などは全く発見されなかった$${^{*7}}$$らしい。大きな寺なので、調査した場所は、寺の敷地内で何もなかった所に当たってしまったかもしれない。実家の下、近所の民家や田畑の下には遺構が眠っていることだろう。

 久しぶりに心礎$${^{*8}}$$を見に行った。「長福寺」と刻まれている$${^{*9}}$$。

*1 仏教伝来
*2 ぬのめ-がわら ?がはら 4 【布目 ▼ 瓦】の意味 国語辞典 - goo辞書
*3 文化財紹介 布目瓦
*4 日本における仏塔の歴史 | 日本秘境探訪
*5 しんそ 1 【心礎】の意味 国語辞典 - goo辞書
*6 「揺れ」でユレに耐える五重塔
*7 東海諸国の塔 尾張長福寺廃寺(加納馬場廃寺):一宮市
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