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20050430 不思議蛙

 丘 浅次郎$${^{*1}}$$という人が書いた「生物学的人生観」という本を見ていたら不思議蛙という名前の蛙のことが書いてあった。この本のもともとの書名は「生物学講話$${^{*2}}$$」と言ったらしい。

 不思議蛙は南アフリカに棲んでおり、親の体の長さが一寸五分$${^{*3}}$$くらいだが、そのおたまじゃくしがもっとも大きい時には長さが八寸あまりにもなるらしい。その時は胴の長さだけでも二寸五分となる。そして尾の幅は三寸にもなるらしい。成長するにつれて体が小さくなるのが名前の由来である。

 縮むおたまじゃくしとは一体どんな姿をしているだろうか。本には解説図$${^{*4}}$$が掲載されているのだが、朦朧としてよく分からない。そこでweb上で調べてみた。

 「不思議蛙$${^{*5}}$$」「フシギガエル$${^{*6}}$$」という検索語句では、抽出されない。いろいろ調べている内に「不思議蛙」ではなく「アベコベガエル」という名前になっていることが判った。生物学講話は大正十五年に刊行されているので、名前が古すぎたのだろう。

 和名$${^{*7}}$$がアベコベガエルというのが判ったが、それを検索語句として検索しても肝心のおたまじゃくしの写真が見つからない。親の姿$${^{*8}}$$はいくらでも出てくる。日本語のページの情報量は英語のページの情報量に比較して圧倒的に少ない$${^{*9}}$$。そこでアベコベガエルの学名や英語名で検索してみたが、やはりおたまじゃくしは出てこない$${^{*10}}$$。$${^{*11}}$$ばかりである。親と一緒の写真があれば面白いと思うのに、なぜおたまじゃくしの写真がないのだろう。

 写真はなかったが、挿絵はあった$${^{*12}}$$。絵はそれほど衝撃的な大きさの違いで描かれてなかった。これがおたまじゃくしの写真がない原因だろうか。

*1 TJB200301II2fig3.jpg
*2 まぼろしの「博物学雑誌」  ―明治、大正、昭和初期の茗渓博物学の情熱・筑波大学生物科学の源流―
*3 Unit MARKET(長さ)
*4 fushigigaeru.jpg
*5 Google 検索: "不思議蛙"
*6 Google 検索: フシギガエル
*7 20050416 カラッパ
*8 成長するほど小さくなるカエルがいる。「アベコベガエル」 : カラパイア ※2005年の執筆当時は、オタマジャクシの写真がなかなか見つけられなかったが、数年後にはweb上でその写真が掲載されるようになっていた
*9 20011110 情報の空洞化
*10 Pseudidae
*11 AmphibiaWeb - Pseudis paradoxa
*12 川崎悟司イラスト集・アベコベガエル

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