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20020914 二馬力

 「千と千尋の神隠し」というアニメーション映画のDVDの箱を見ていたら、著作権保有者が「二馬力」となっていた。スタジオジブリ製作のアニメーションについてweb上を色々調べてみるとそこ$${^{*1}}$$かしこ$${^{*2}}$$に「©二馬力」と書いてある。

 「二馬力」とは1984年に宮崎駿氏が設立した個人事務所の名前らしい。この中途半端な数値の「二馬力」という名前を見てははんと思った。これはフランスの自動車会社シトロエン$${^{*3}}$$の「2CV$${^{*4}}$$」のことではないか。

 シトロエンは「乗員4人と50kgのジャガイモか小さな樽とを乗せて最高速度60km/hが出せる車$${^{*5}}$$(4 personnes-50 kilos-60 km/h)」を作ろうとして、この2CVが1948年にできた。排気量は375cc、9馬力だった。

 フランス語で馬力は「Cheval-vapeur」なので、「2CV」を日本の巷では「2馬力」を意味すると考えられたのだろう。上に書いたように「2CV」の馬力は「9馬力」だった。それにフランス語で馬力「Cheval-vapeur」の単位は「ch」$${^{*6}}$$らしい。「2CV」の馬力は「9ch」なのである。

 それでは「2CV」とは何を意味するのか。自動車税の課税区分を表すようだ。エンジンの馬力で課税区分をしているらしい。「CV」は「Cheval Fiscal$${^{*7}}$$」の略で馬力による課税格付けのことである。馬力が大きくなると「CV」が大きくなり、「CV」の数値が大きくなればなるほど、納税額が増える様になっているようだ。数値は馬力その物ではなく、単なる区分の順番である。因みに日本と違って同じCV値でも県によって納税額が異なる$${^{*8}}$$。

 「2CV」は日本語で「ドゥー・シー・ボー$${^{*9}}$$」と読まれているが、これも何となくあやしくなってきた$${^{*10}}$$。本当は「ドゥ・セ・ヴェ」ではないだろうか。

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