見出し画像

20061115 カイカムリ

 「カイカムリ」と名付けられた動物がいる。「皮かむり$${^{*1}}$$」ではない。海に棲むカニの仲間$${^{*2}}$$である。

 実際にはホヤやカイメンなどを背中に背負って$${^{*3}}$$、貝殻は背負わないそうである。英語では「Sponge crab$${^{*4}}$$(カイメンガニ)」と言う。これは実態と合った名前である。和名ではなぜ「貝カムリ」になったのか。

 背中のカイメン$${^{*5}}$$が貝に見えたからか。この名前は明治以降の名前だろう。江戸時代以前では博物学や分類学が今程発達していなかったから、細かい名前は付いていなかったに違いない。明治以降の日本の博物学の発達途中でカイメンと貝との区別が付かないというのは考えられない。

 もしかしたら最初は「カイメンカムリ」という名前が付けられたのかも知れない。これが略されて「カイカムリ」となる。これは「買い被り$${^{*6}}$$」の洒落にもなっているので定着したのだろう。

*1 東京女子医科大学腎臓病総合医療センター泌尿器科
*2 カイカムリ
*3 アンチルキヌゲカムリ
*4 Marine Fish Picture Gallery - Sponge Crab picture
*5 kaiKRpink.jpg
*6 かいかぶる 【買い ▽ 被る】の意味 国語辞典 - goo辞書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?