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20090304 歯ソーノーロー

 歯磨きに歯槽膿漏や歯周病に効くと謳っている練り歯磨き粉$${^{*1}}$$を使っている。最近気付いたのだが、チューブに「歯ソーローノー」と書いてある。

 平仮名や片仮名で使う「ー」は長音符と呼ばれる$${^{*2}}$$。これは外来語などを表記する時にもっぱら使用される。元々日本語の場合は長音は「ー」ではなく「ウ」「オ」「ア」「イ」で表すのが普通である。歯槽膿漏であれば「シソウノウロウ」だ。最近は日本語でも「ー」を使う場合があるが、その場合は固有名詞である。ダイソー$${^{*3}}$$、ムトーハップ$${^{*4}}$$、イトーヨーカドー$${^{*5}}$$などは「大創$${^{*6}}$$」「武藤(六一〇)ハップ」「伊藤羊華堂$${^{*7}}$$」が元になっている。固有名詞であれば、どんな表記を使っても他人から文句を言われる筋合いはない。

 件の歯磨き粉の場合、商品名ではなく、効能として「歯肉炎・歯ソーノーロー治療」と書いてある。一般名詞として使っているのだ。歯槽膿漏は漢字が難しいので、読めない人にも買ってもらえる様にしたのだろう。まぁ、この歯磨き粉が爆発的に売れる事はないだろうから、歯槽膿漏を「歯ソーノーロー」と書いても、それで間違っていないと思う人はそんなに増えない。それにしても一年以上も使い続けているが、この「歯ソーノーロー」という表記に全く気付かなかったのは何故か。違和感が少ないのだろうか。

 ただ歯学会$${^{*8}}$$などでは、こういう表記は絶対に避けてもらいたい。そもそも間違った表記だから避けるも何もない。だが既にこういう表記をしている歯科大学のページを見つけた$${^{*9}}$$。ここ$${^{*10}}$$でも使っている。大丈夫か。

*1 歯周病・歯ソーノーローには、アセス
*2 日本語における長音符の起源
*3 DAISO|ダイソーホームページ
*4 お風呂アドバイザー 洗いの殿堂 - 【六一〇ハップ】
*5 イトーヨーカドー トップページ
*6 ダイソー豆辞典|ダイソーホームページ
*7 イトーヨーカドー 沿革
*8 日本歯周病学会
*9 歯ソーノーローで歯ぐきがやせて、歯が不格好に長くなっています。 (福岡歯科大 医科歯科総合病院 診療Q&A)
*10 東北大学病院/Tohoku University Hospital:咬合回復科

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