記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

20061206 ネタバレ(2)

 「ネタバレ」という言葉をよく見る。これに関して以前にも書いた$${^{*1}}$$。自分が見たり読んだりした映画や小説の結末などをweb上に公開する行為$${^{*2}}$$を指すらしい。

 ある人と観てみたい映画の話をしていた。昔の作品で題名や映画音楽は良く聞くが、そのものを観たことがない映画の一つに「太陽がいっぱい$${^{*3}}$$」があった。その人に「あの映画をまだ観てない」と言ったら、「あぁ、最後に○○になるやつだろ」とあっさりと結末をばらされてしまった。「太陽がいっぱい」がサスペンス映画であるということは知っていたので、結末を聞かされてガックリ来たのと同時に、その人の配慮の無さ加減には閉口してしまった。

 こういった他人への無配慮な行為をそのままweb上でも行ってしまう事を指すが、通常の会話などで「ネタバレ」という言葉は聞いたことがない。パソコン関係で使う符丁みたいなものである。

 パソコン関係の新語には論理性に欠ける造語が多いような気がする。当事者が面白がって造って勝手に使っているのだから問題はないが、そうとは知らずそれが標準的もしくは専門的な言葉だと勘違いして、当事者以外の相手にも使って平気な人がいるとなると厄介である。まぁ、そういう人は他人の観ていない映画の結末をしゃべるようなことが平気にできる人だから、パソコン関係でなくても様々な方面で厄介なことを起こしている人に違いない。

 仲間内の符丁なので、その仲間ではない私にとってどうでもいいのだが、web上のサイトやページを見ているといろんなところで「ネタバレ」という言葉を見るので気になって仕方がない。しかもその言葉の成り立ちが変なのにも拘らず多くの人が違和感を持たず用いているのはどうも気になる。

 語源は何か。「ネタがばれる」を短縮して「ネタバレ」なのだろう。「ばれる」は主語である「ネタ」自体の動きを表している。こう表現すればweb上に映画の結末を書いてしまう人が主語にならない。「ばれる」と言う動詞を使う以上、人間は主語になり得ない。にも拘らず「ネタバレ注意」等と書く。ばらしているのは本人ではないのか。更に「ネタバレする」と書く輩もいる。同じ文字数で普通に「ネタをばらす」と書けるではないか。真の間抜け$${^{*4}}$$がいる。

 「ネタばらし」で何故いけないか。「(誰々が、私が)ネタをばらしている」を略して「ネタばらし」。もっと短くしたければ「ネタバラ」だ。普通に考えればこちらになりそうだが、実際には「ネタバレ」が蔓延している。下品なこと淫らなことを表す「ばれ$${^{*5}}$$」と言う言葉がある。落語などで艶話を「バレ噺$${^{*6}}$$」という。内容を全部書いてしまうのは下品な行為だから、もしかしたらこれに掛けて「ネタバレ」としているのか。そう言えば「ネタ$${^{*7}}$$」も落語でよく使う符丁である。

 「書き込み」を「カキコ」と大して略されてない略語を喜んで使っているぐらいだから、そこまで考えて造られた言葉である筈がなかろう。

*1 20060629 ネタバレ
*2 はじめの一歩 : 「ネタバレ」には注意を添えて
*3 Plein soleil (1960)
*4 20031018 バカについて
*5 ばれの意味 国語辞典 - goo辞書
*6 落語用語
*7 ねた 0 の意味 国語辞典 - goo辞書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?