#140 卸売市場(2017/1/11)
今年も初競りで212キロのクロマグロが7420万円で競り落とされたというニュースがありましたが、今日のざっくりは卸売市場についてです。
卸売市場には中央卸売市場(以下、中央市場)と地方卸売市場(以下地方市場)があり、2015年時点で中央市場は全国40都市に64ヶ所、地方市場は1092ヶ所あります。
・中央市場 64ヶ所(40都市)
・地方市場 1092ヶ所
1997年ごろから右肩下がりで減少しており、2000年には中央が87ヶ所、地方が1427ヶ所あったので15年間で両市場とも25%近く減少したことになります。
2015年の取扱高は中央市場が3兆9110億円、地方卸売市場が3兆1329億円となっています。
・中央市場 ざっくり3.9兆円
・地方市場 ざっくり3.1兆円
と規模的にはそれほど変わらない規模となっています。2000年時点の取扱高はそれぞれ中央市場5兆4518億円、地方市場4兆2371億円あり、2011年にそれぞれ3兆8017億円、3兆241億円まで減少したのですが、その後やや増加し現在のレベルになっています。とはいえ2000年から見ると30%弱減少していることになります。とくに水産物と青果の減少が大きく減少しています。
中央市場の物品別の取扱金額を見ると青果1兆9104億円、水産物1兆5839億円、食肉2719億円、花き1257億円となっています。
・青果 ざっくり 1兆9000億円(49%)
・水産物 ざっくり 1兆6000億円(41%)
・食肉 ざっくり 2700億円(7%)
・花き ざっくり 1300億円(3%)
となっています。食肉が意外と少ないんですね。青果と水産物で全体の90%を占めています。
1989年(平成元年)と2013年(平成25年)の市場通過率を物品分類別に見ていくと
青果 82.7% → 60.0%
水産物 74.6% → 54.1%
食肉 23.5% → 9.8%
花き 83.0% → 78.0%
となっています。食肉は市場通過率が低いんですね。花きを除きどの物品も通過率を大きく下げています。減少の一因としては加工品など市場を経由することが少ない物品の流通割合の増加が挙げられています。
ちなみに中央市場と地方市場の違いですが・・・
中央卸売市場は公正かつ効率的な流通の確保を目的とした広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点であり、都道府県や人口20万人以上の都市が開設者となり農林水産大臣の許可が必要となります。
一方の地方卸売市場は地域における生鮮食料品等の集配拠点であり、開設者の主体に制限はなく、都道府県知事の許可によって開設が可能です。(実際に1092ヶ所ある地方卸売市場のうち公設は157ヶ所のみです)
・中央卸売市場 都道府県・一定規模以上の都市が開設(農林水産大臣許可)
・地方卸売市場 開設主体に制限なし(都道府県知事許可)
中央卸売市場を複数開設している都道府県・都市は10あり
・11ヶ所 東京都
・3ヶ所 福岡市、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市、広島市
・2ヶ所 仙台市、京都市、鹿児島市
となっています。東京は断トツに多いですね。
Source:
平成27年度 卸売市場データ集
http://www.zensuiorosi.or.jp/oshirase/H27Wholesale_data.pdf
農林水産省 卸売市場をめぐる情勢について(平成26年6月)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sijyo/info/pdf/27_2genjyou.pdf
農林水産省 卸売市場をめぐる情勢について 食料産業局(平成28年6月)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sijyo/info/pdf/meguzi.pdf
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