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猫の道、人の道

※この記事は以前の私のブログの同タイトル記事の増補強版です。

すっかり涼しくなりました。こんなに涼しい夜は散歩でもしたくなるものです。そして、家の近所の高架下を散歩したりするのですが、そこを通るのは、人よりも猫の数の方が多いんですよね。

自分もその道を歩いているとすごく落ち着くので、前世は猫だったんじゃないかな、って思ってしまいます。

JR管理地の看板がかかった草原や寂れた公園、変電所や汚い水路、遠くに見えるラブホテル、どうしようもない風景と、数分毎に聞こえる電車の音以外は、虫の音に包まれていて、風が心地よい。

Chillwaveというジャンルの音楽があるんですが、先日紹介したVaporwaveと同じような浮遊感と懐かしさ。でも、Vaporwaveと違うのは、確かにそこにある感覚、蒸発しない感じ。こういう曲が高架下にあう。

駅の近くまで来るとスーパーや飲食店、学習塾なんかが見えてきて、一気に猫の道から人の道に戻ってきた感覚になる。なんか、その一連の流れがすごく心地いい。ここまでは、東京を少し出た埼玉の某ベッドタウンの話。

一方で、東京都心の高架下のイメージはこんな感じ。これは銀座の高架下。

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銀座というと、東京の外の人からすると、ブランドショップや高級店のイメージですが、実際には周りは新橋や築地とかと近いから、こういう感じなんですよね。結構昔からそこで営業してます、みたいな居酒屋や商店。電車の音に加えて、談笑や雑踏、車の音で、静かに音楽も聴けたものではないけども、そんな人が賑わうのを傍から見てると、少しだけ猫の気分になります。

鉄道や高速道路という圧倒的なインフラの下の人工的な空間は、時間が経ちそれ、自体が前からある地形のように振舞うとき、洞窟や谷間のようで、そこには古くからある人間味のある人の道が見える。

人がいなくなって最後まで残り続けるのは、多分、こういうインフラの遺構だろうと思います。自分がいつか死ぬことを棚に上げて、未来彼方を想像できるのは人間だけでしょうかね? 猫もまた、そういうことを想像しながら、高架下を歩いていたりして。。。

ざれーご 9



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