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赤盤青盤リリース50周年!ビートルズの元祖ベスト盤に出会い直す。

今日6月29日は、1966年にビートルズが最初で最後の来日を果たした記念日で【ビートルズの日】と言われているようです。
そんな善き日に、ビートルズの歴史を振り返りたいと思います。

ここ最近、先日視聴したNHKの『映像の世紀バタフライエフェクト/ビートルズの革命、赤の時代・青の時代』というふたつの番組のタイトルに引っ張られて、久しぶりにビートルズの赤盤と青盤を聴いていました。
そして、今年2023年は赤盤青盤のアルバムリリースからちょうど50周年だと言うとに気づき、良いタイミングなので、改めてこのアルバムについてまとめてみることにしました。

ビートルズのベスト盤

The BEATLES - Red & Blue

ビートルズのアルバム赤盤・青盤、このインパクト大きめな2つのアルバムを目にしたこと、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。

これはいわゆるビートルズのベスト盤で、ビートルズ解散から3年後の1973年に、それぞれアナログLP2枚組で発売され、驚異的なセールスを記録しています。今からちょうど半世紀前に作られたアルバムということになります。

わたしが持っているのは1993年に初めてCD化されたもので、2010年には、デジタル・リマスター版のCDも発売されています。

通称赤盤と呼ばれる赤い方は、正式には『ザ・ビートルズ/1962~1966』といい、1962~1966年までの初期の代表曲26曲を収録、そして通称青盤『ザ・ビートルズ/1967~1970』には、1967~1970年までの代表曲28曲が入っています。

今はビートルズのベスト盤と言えば『ザ・ビートルズ 1』が主流かな?と思います。

The BEATLES シングルコレクション『1』

こちらは『アメリカ、もしくはイギリスのヒットチャートで1位を獲得した27曲のシングルコレクション』というはっきりしたコンセプトで選曲されていて、「これきっかけでビートルズを知った」とか「はじめてちゃんと聴いた」いう人もわたしの周りにも何人かいます。

一方で赤盤・青盤は各2枚組で合計54曲を収録しているボリューミーなベスト盤でわたしもビートルズ超初心者の頃は特に重宝したアルバムです。

赤盤収録曲

今回それぞれに収録されている楽曲を改めて見てみました。

ビートルズ『赤盤』収録曲一覧

赤盤はデビューアルバムPPMから7枚目の "REVOLVER" までの楽曲が入っていて "Rubber Soul" から特に多くの曲が選ばれているのが分かります。
去年2022年にリミックスアルバムがリリースされ近年ファンの人気も高い "REVOLVER" からの選曲がとても少ないことに驚きます。   

青盤収録曲

ビートルズ「青盤」収録曲一覧

一方の青盤は、世界に衝撃を与えたと言われる "Sgt.Peppers Lonely Hearts Club Band" から解散後にリリースされた "Let It Be" のアルバムの中からの選曲で、こうして一覧を眺めてみると、まさかの "Magical Mystery Tour" から一番多くの曲が選ばれていることが分かります。

と言っても、この "Magical Mystery Tour" のアルバムは現在は公式アルバム認定されいますが、ビートルズが活動していた当時はイギリスではフルサイズの公式アルバムとしてはリリースされていなかったり、ちょっとややこしい背景があるので他のアルバムとは同じ扱いがしずらいところがあります。

それからこの今回わたしが作った画像には敢えて入れないんですが、" Yellow Submarine" のアルバムにも重複して入っている曲がいくつかあったりもします。
いずれにしても「1967年頃の楽曲が多めに入っている」ということは確実に言えるかと思います。

ビートルズを少しずつ知ってくると、この赤盤青盤は『No.1ヒットシングルを集めました!』という "THE BEATLES 1" と比較すると「お。こんな曲も入ってるのね」というちょっと意外な曲も紛れていたりして、リストを眺めているだけでも楽しめてしまうアルバムです。

ジャケット写真

このアルバムのカラー「赤と青」は、ビートルズの故郷であるリヴァプールのサッカーチームのリバプールFCエヴァートンFCそれぞれのチームから来ていると読んだことがあります。

リバプールで人気を二分するサッカーチーム

もともと、当時マネジメントをしていたアラン・クラインとアメリカのキャピトル・レコードが前のめりに勧めたプロジェクトのようなので、そんなリバプール愛にまで寄り添ってくれてるというのはちょっと後付けのような気がしなくもないですが、深掘りしたことがないので他の説をご存知でしたら教えてください。

そしてまた雑な知識ではありますが、ビートルズのメンバーでは、ポールはエヴァートンのサポーターで、リンゴはロンドンのアーセナル、そしてジョンとジョージはサッカー自体にさほど興味がなくお気に入りのチームはない、という以前ググって得た情報も置いておきます。こちらも違っていたら教えてください。

EMI本社で撮られたジャケ写

赤青の色の対比に加えて、同じEMI本社の吹き抜けで撮影された前期のピチピチビートルズと後期の渋みが強いビートルズの風貌の違いが楽しめるジャケット写真も注目ポイントのひとつです(カメラマンはどちらもアンガス・マクビーン)。
デビューアルバム"Please Please Me" 用に撮影してから幻のアルバム "GET BACK" のために撮られるまで、その間なんと6年です。
「小学生が中学生になった」と言うと「まあそりゃ見た目も変わるかもね」と思いますが、彼らは青盤の写真でも全員まだ20代ですから、ちょっとびっくりです。

選曲したのは誰?

そんな赤盤・青盤は、ビートルズ現役世代は解散後の寂しさを埋めるアイテムとして、そしてビートルズ後追い世代にとっては特にネットがない時代にビートルズの歴史を簡単に知る手段として非常に重宝するアルバムでした。わたしは学生時代、ビートルズに興味を持ってくれたクラスの友達にこのCDを貸して彼らの素晴らしさを共有してきました。

ビートルズの解散の引き金を引いた一人ではないかとも思えるマネージャーのアラン・クラインが行った唯一のいい仕事と言えるかもしません。

ただ、このアルバムの制作に関して、解散後の混乱とそれぞれのソロ活動で多忙を極めていたビートルズのメンバーはほぼ関わっていないようです。

「赤盤、青盤はジョージが選曲した」みたいなことは結構長らく言われているようでわたしが持っているCDのライナーノーツにもはっきりそのように書いてあるのですが、どうやらそれは真実ではなさそうです。

例えば、今年2023年4月の『ROLLING SOTNE』の記事にも赤盤青盤制作の経緯が書かれていますが、それを読むと、1974年のインタビューで、ジョンは「リストが送られてきたけど忙しかった。完成したレコードを聞いたけどちょっと音が荒かった」と語っています。ポールについては同じ時期に「実はあまり興味がなくて聴いてない」と話していたようですが、現在はどうなのか気になるところです。

そしてジョンが「ジョージが自分たちの中で一番選曲のコントロールをした」とも語っていたようですが、どうやらジョージはレコードが発売された後そのレコードに目を通しただけで、赤盤青盤に対して 「不完全な感じ」とコメントしたと書かれています。

さらに記事の中には、『アラン・クラインがアシスタントのアラン・ステクラーと一緒にアルバムを作った』というような趣旨のことも書かれているので、選曲に関してはビートルズのメンバーはもちろん、彼らの楽曲制作に関わったスタッフは全く関与していないように思えます。

アラン・クラインとアラン・ステクラー

「ジョージが選曲に関わったなら、なんで赤盤にはジョージの曲がひとつも入ってないのかな?」と疑問に思うのでビートルズは選曲に関わっていないと言われるとあっさり納得できてしまいます。

Wジョージの記者会見

George Martin & Harrison in 1993

そんなジョージは、1993年の赤盤青盤初CD化の際にジョージ・マーティンが行った記者会見のサプライズ・ゲストとして登場しています。

この時なぜジョージが公の場に出てきてくれたのか、その経緯までは追えていないのですが、歓喜するプレスの前に現れたジョージは「みなさん来てくれてありがとう、まだ Fab4 に興味を持ってくれて嬉しい」と言って
持ってきたお香をテーブルの上に立てて「 忘れないで愛こそはすべてだよ。"Lest we forget, all you need is love." 」と語りました。(号泣)

ジョンのインタビュー

ちなみに、ジョンはこの赤盤青盤が最初にアメリカでリリースされた直後に
ヨーコと出演した "Weekend World" という番組のインタビューに答えていますがそこで、ジョンとジョージとリンゴが、アラン・クラインとのマネジメント契約を打ち切ったことについても話しています。

赤盤青盤の製作に関しては、海賊版対策の意味合いもあったと言われているようですが、クラインはこの素晴らしいアルバムを構想し制作したにもかかわらず結局リリース直前に解雇されていたということになります。

アラン・クラインについて、Rollong Sotne の記事では『ロック史上最も嫌われている人物の一人が、史上最も愛されるロック・アルバムを作ったのは面白い』なんても書かれていて、ちょっと笑いました。

収録曲の謎

選曲に関してわたしの個人的な感想を述べさせてもらうと、とりあえず赤盤にジョージのボーカル曲が1曲もはいってないというのは「正気かな?」と思うレベルで有り得ないです。

“Yellow Submarine” があるのでなんとかリンゴのボーカルは聞くことができますが、ジョージの声はコーラスでしか聞くことができません。

“Girl”  ももちろん大好きな曲ですが、そこは “Taxman” にしていただいても良かったのでは?なんて思ってしまいます。
それに赤盤は青盤より2曲も収録数が少ないし収録時間もかなり短いので、ジョージの “If I needed someone” や ”Taxman” あたりを2曲ほど入れたって
罪にはならないんじゃないの?と思います。

ジョージの曲といえば、青盤に”Old Brown Shoe” が入っています。
シングルのB面だし、後期に台頭してきたジョージの曲が入ってくるのは理解できますが、ビートルズの音楽的変遷を示すならインド系の曲が選ばれても良かったんじゃないの?とも思います。

Within You Without You” も捨てがたいですが、アルバムのバランスも考えて “The Inner Light” はどうでしょうか。

・・・みたいな感じで、選曲に関しては考えだすとキリがありません。
選曲にビートルズと彼らの音楽制作チームが関わっていないのであれば、単純に2人のアランの好みと、当時の世間的な人気が反映されてたりするのかな?と想像します。

でも、こうやってアレコレ言わせてくれる隙を作ってくれたと思えば、それはそれで楽しめる気もします。
いずれにしても、この2つのアルバムを聴くことによってビートルズが公式に発表した213曲のうちのおよそ1/4にあたる54曲を聞けるというのは非常に意義深いことだと思います。

まとめ

以上、簡単ですが、ビートルズの元祖公式ベスト盤『赤盤・青盤』を紐解いてみました。

アルバムはこれまでに何度も聞きましたがこうやってじっくり曲目リストを見ることもなかった気がして、改めて色々発見があり楽しかったです。 

もし、あなたが選曲できるなら「赤盤青盤にこれは入れたい!」という楽曲はありますか?

オアシスのノエル・ギャラガーはローリング・ストーン誌のインタビューで
「赤盤青盤は子供の頃最初に手にしたレコードだから、お気に入りだ」と語っています。あなたの赤盤青盤との思い出も、ぜひ教えてください。

それでは引き続き、素敵なビートリー・ライフをお過ごしください。🍏

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