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【読書感想文】真夜中乙女戦争/F

どういうわけか、わたしはこの本を『真夜中遊園地』と読んでいて、どこかで記憶が入れ替わっていたわけですが、今となってはそのタイトルも別の視点ならあながち間違いではないのかな、と思っています。

真夜中乙女戦争
F 著(他作『いつか別れる、でもそれは今日ではない』)

エッセイのイメージが強いF氏の現代ファンタジー(?)のような作品。
愚かでバカで愛しい”学生”と人を集め、魅了し、様々な才能に恵まれながらも退屈をこじらせた”黒服”が真夜中に戦争ー革命を起こす話。

これは今年の春先に友人から借りていた本なのですが、300ページ中、100ページくらい読んで積読に積まれていた(正確には借りている本は無くさないように別で分けている)ので、幣イベントの課題図書のひとつにしておかなかったら今年中に完走していなかったかもしれません。

積んでいた理由としては、私生活が忙しくなって優先順位が下がった+『真夜中乙女戦争』があまり改行がなく長いセリフが多いゆえに、読んでいると呼吸が苦しくなってくる、といったところでしょうか。

ちなみに『いつか別れる、でもそれは今日ではない』は既読で、『真夜中乙女戦争』もタイトルで惹かれて選んで借りました。


好きなポイント

・「幸せになりたいと願う人間が、いつまでも幸せになれない理由を知っているか?」「見当もつかない」「今の自分は全く幸せではない、と自分で自分を呪い続けるからだ」

他人事ではない。

・「失恋と夜更かし、廃墟侵入、映画鑑賞は我々学生の必修科目である」

失恋と夜更かしと映画鑑賞は死ぬほどしたのに、廃墟侵入はしていない気がする。侵入ではないけど、閉店してスケルトンになったバーには入ったことがあります。

・「死んだらどう埋葬されたいんだ」「宇宙葬されて流れ星になりたい」

宇宙葬されたい。宇宙ゴミになりたいと思っていて、たしか1000万とか50万とかいくらか分からないけど、宇宙葬じゃなければ葬式も墓もいらないと思っている。

宇宙葬をすれば、お墓参りが天に祈れば済むというコストパフォーマンスのよさがあります。宗教観念が破滅している。

いつかどこかでみかけたフレーズ「ぼくらはみんな星のこども」というのを思い出しますね。

今挙げたもの以外にも、すごい速度で殴ってくる名言ばかりで、とてもじゃないけど読む側もまさに”戦地”に送り込まれるようです。

ちなみに、主人公の”学生”は東京タワーが好きなのですが、私も東京タワーが好きなので、途中までは共感を抱いていたのですが、あまりにも”過激な”東京タワー愛ゆえに、途中から別次元の人間としてみていました。

普段、スカイツリーを見る機会の方が多いのですが、東京タワーの方がなぜか好きです。

いつも会えないから好きなのかもしれませんし、単純に東京タワーの方が馴染みが深いからかもしれません。

そんな話をしていたら、東京タワーに行きたくなりました。

ではまた

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