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3月14日の日記 (たけのこ)

3月というのに外は雪なんぞ降っておって、外に出なくていいっすよ、と言ってくれている。

こんな日はもう昼から飲むしかないが、足元も冷えるしそんな気分にもなれない。今晩の肴に黒むつの刺身とそら豆を冷蔵庫に忍ばせているので、夕方まで我慢しようとお茶をすする。

久々のnoteだ。もう半年近く書いていなかった。何もしていなかったわけではないけれど、何かをしていたというわけでもない。note書いてないなぁ、なんて思っていたら半年も経っていた、という話だ。

世の中は色んなことが乱高下を繰り返しており、もういちいち携帯を開いて何かを眺めては、ただただ疲れてしまうだけ。なんかもうどうでもいいこととかないですか、と問いたくなる。なので、どうでもいいことを今日も書こう自分で。

noteはまた書きたいなぁ、と思っていた。ここ数か月。ビールを飲むことしか能がない僕は、平日まじめにせっせと働き、金曜の晩は妻と夜更かしをして飲んでいた。それだけでなんだが随分幸せで、これで春にでもなれば桜も咲いて、そんな最高なことってあるかよぉ春よこいっはぁやくこいっ♪とベロベロに飲んでうっすら冷えるベランダで歌ったりしていた。

しかし、だ。世の中には変なウィルスが蔓延して桜どころでもない。ビールじゃなくてトイレットペーパー買った方がいですか?なんて気にされるのでほんと困ったもんだ。小躍りで春が来るのをただ待っていただけなのに、あんまりだ。人生というのはそんな単純じゃないようだ。人生。そう、人生で思い出した。あまりにnoteを書いていなかったので、最近こんなことを呟いた。

そしたら、たけのこさんが人生相談を寄せてくれた。

たけのこ…筍と言えば春だ。春の子だ。僕が待ち望んでいた春がやってきた気分だ。ありがとう。そういえばスーパーでも筍が並び出している。居ても立っても居られない僕はスーパーに繰り出し筍をカゴに入れた。立派な筍の横には、小さな袋に小分けにされた糠(ぬか)が置いてある。無料だ。「ぬか?たけのこに、ぬか?」筍とぬかはセットなのか。すき焼肉についてくるラードみたいな感じで横にちょこんと置いてある。繰り返すが無料だ。隣で筍を買ったおばちゃんも、手慣れた手つきでぬかを籠に入れる。ぬか必要じゃん。筍買ったら、ぬか、必要じゃん。焦った僕は、「あぁ、ぬかね、ぬか忘れてたわぁ、これないとたけのこちゃんあかんねん、実力の半分もでぇへんねん、ぬかなぁ、ぬかぁ、一袋もらっとくわぁ」とあたかも知ってまっせという慣れた手つきでぬかをカゴに入れた。レジでもぬかの小袋は、「ピッ」とされることもなく、まるでお手玉のようにレジ係の右手から左手へポンッと跳ねて「お買い物済」カゴに収まった。ほんとに無料なのだ。なんだか得した気分だ。ぬか、やったぁ。たけのこ買いに来たのにぬか貰いにきた、みたいになっている。

帰って早速、やることもないから大きな鍋を用意して筍を茹でるんだけど、ぬか、ここで必要だった。そうなんだ、筍ってぬかと一緒に茹でるんだ。知らなかった。僕、筍ってけっこう好きで、居酒屋でたけのこ料理あったらついつい頼んじゃうんだけど、ぬかと茹でてるなんて知らなかった。いやぁ、年とっても知らないことなんてあるんですなぁ。ぬかに感謝もせずに、やれたけのこの土佐煮だとか、たけのこの天ぷらだとか頼んでた自分が恥ずかしいっす。ラードに感謝せずにすき焼き食ってるようなもんですよね。ラードないと鍋底に肉くっついて大変ですもんね。ボーっと生きてました。すんません。ラードにだけ感謝してました。

ここまで筍の話をしてるけど、たけのこさんって名前変わった?よく見たら、「竹野きのこ」って、きのこじゃん。たけのこちゃうやん。僕が昨年10月のnote居酒屋であったときは、たけのこだった気がしたんだけど。

まぁそんなことはどうでもいいですよね。そう、人生相談。父親の威厳についてですね。威厳、持ってたいですよね。僕も二児の父親なので、威厳、保ちたいっす。自慢ではないですが、僕はまだ威厳保ってます。子供たちと一緒に絵を描いたり工作もしたり、料理をしたりするけれど、その度に「おとうさんすごーい!」と言ってもらえます。ここで気づいたのですが、相手の土俵で戦ってはいけないということです。ゲーム?ゲームなんてもう相手の土俵そのものじゃあないっすか。相手は朝から晩まで「ゲームやりてぇなぁ」とか思いながら渋々絵を描かされたり工作したり掃除や買い物を手伝わされたりしているリトルモンスターです。そんなモンスターがクリアできないゲームをひょっこり出てきただけのたけのこが(あ、今はきのこなんだっけ?まぁどっちでもいいですね)、安々とクリアできるわけがありません。相手の土俵に引き込まれすぎです。

なので、僕からのささやかなアドバイスは、「自分の土俵にひきずりこむ」です。どうしてもゲームで威厳を保ちたいときは、「たけのこニョッキ」ゲームなんてどうでしょうか(あ、いまきのこなんだっけ)?たけのこさんなら、得意なはずですよね。今からおよそ15年前にネプリーグで流行ったゲームなので、恐らく子供たちは知らないはずです。ポイントは「自分の土俵に引きずり込む」ですから、ゲームのルールは説明してはいけません。だってたけのこさんも、ゲームのルールを説明されずにコントローラーを渡されたわけですよね?なので、ルールを言わなくてもおあいこです。

ルールを伝えないわけですから、絶対勝てます。「なぁちょっとゲームやろうぜ」と切り出すと同時に「たけのこたけのこ~?」と何か始まる感を出します。相手が「?」という表情になった瞬間に、「にょっきっきうぃちにょっき!!」を息継ぎなしに一気に言い切りましょう。合わせた両手を天高くつきあげるのも忘れないでください。「はい、お父さんの勝ちな。もっかいやる?」と勝ち誇った表情を見せた後に、また「たけのこたけのこ~?」と始まりの合図を見せます。「にょっきっきうぃちにょっき!!」今度はちょっと食い気味にやってみてください。これを無条件で5セット繰り返してください。5連勝です。父親の威厳が回復してきました。とはいえ子供たちも愚かではないですから、やれ「ルールを教えろ」だの「お父さんばかりずるい」だの言いだすかもしれません。賢い子供だと、「もしかしたら、『たけのこたけのこ~?』がはじまりの合図で、『にょっきっき』のあとに『うぃちにょっき』と叫びながら合わせた手を天に突き上げたら勝ちなのか?」と気が付くかもしれません。でもよく考えてください。仮に子供たちがそれをできたとしても、同時に「うぃちにょっき!」と叫べば、おあいこです。一生、お父さんに勝てることはありません。

さぁこれで父親としての威厳を回復できるのでいいのですが、それを傍目から見ている母親、つまりはたけのこさんの奥様からの威厳を失うことは必至です。「にょきにょき言ってないで買い物でも行って来てよ!」、などと怒り出すかもしれません。つまりは、父親としての威厳を保つためには、母親に認められるしかありません。今日はスーパーにでも行って、筍でも買ってみてはどうでしょう。慣れた手つきでぬかと一緒に茹でてやれば、違った威厳を保てるかもです。春の気分も持ち込めますし、一石二鳥。おすすめです。



お蕎麦屋さん開きたい。