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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【3月30日㈬~4月5日㈫】

新年度が始まりました。うちの会社は9月末決算なので、33期目の前半が終わったところ。今年10月1日からは34期目に入り、来年10月1日には35周年イヤーに突入することになります。35周年…。自分でもビックリ。ちょっと気は早いけど、5年毎に作成しているオリジナルカレンダーのイラストをどなたに描いて頂くかの検討も始めなくては。…って、それより来年の今頃、カレンダーを発注できるくらい会社に余裕があるように仕事頑張らないと!

さて。ザジ33期目の行方、カレンダー発注の行方を占う(笑)勝負作『三姉妹』が、6月17日からヒューマントラストシネマ有楽町新宿武蔵野館を皮切りに公開されます。事務所の入口のポスターも、4月からトップ画像の通り『三姉妹』に衣替え。明日はプレス向け、2度目の試写が開催されます。初回試写をご覧下った方々の評判も上々。オンライン試写のリクエストもいつもより多めに頂いています。

2月の公開決定の情報解禁時にアップした当通信で、「キャッチコピーをどうするかで悩んでます」と書きましたが、最終的に⦅忌ま忌ましいけど、愛してる⦆になりました。元々は“縁起が悪い”というニュアンスで使われ、今は“腹立たしい”、“癪に障る”という意味が強い“忌ま忌ましい”という言葉を持ってきて、“けど、愛してる”と結んで、「肉親あるある」「姉妹あるある」な共感を目指しました。柔らかい色合いのビジュアルに、敢えて不吉な「忌」の字を重複させて、イヤ~な感じも予見させたつもり。先日とある媒体の担当の方から試写用DVDのリクエストのお電話を頂いたのですが、試写状のビジュアルに乗ったこのキャッチコピーが気になって「観てみたい」と思ってくださったそうで、たとえ一人だけだったとしても、誰かに刺さった事実があれば、もうそれで私は満足なのでした。

三姉妹 main

公開に向けて外国映画を日本の市場向けに作り込んでいく時、先ず最初に頭を悩ませるのはタイトル、邦題をどうするか?であることに異論のある同業者は少ないと思います。そして次にビジュアル。チラシやポスターをどんなデザインにするか、でしょう。なので一般的にキャッチコピーの重要度はそんなには高くないと思われます。何かそれらしい言葉が乗っていれば、顕著にプラスになることはないにしろ、マイナスになることはない、と言ったら言い過ぎでしょうか(邦題は場合によっては顕著にマイナスになり得ますよね…)。

しかしながらキャッチコピーが上手くハマった時は、思いがけず拡がりを見せることもあります。今の世の中、SNSは最重要なメディアなので、SNSで作品の内容を想起させるキャッチコピーが拡がって行けば、大きな宣伝効果が期待出来るというワケです。私にとっての成功例をここで書くと、その成功があまりにも局地的ゆえ、「何それ?知らない」と言われてしまいそうなのでやめておきますが(笑)。

先日完成した予告編にも、予告編ディレクターにイイ感じにキャッチコピーを乗せて頂きました。そして最後に角田光代さんの「なんていとしい人たち、なんてすごい映画!」というコメントでダメ押し!ラストのオチは、ちょっとやり過ぎだったでしょうか。まだ映画館でこの予告を観れていないのですが、最後に場内シラーッとした空気が流れたら...と想像すると怖いです。“クスクス”は望みません。せめて“クス”ぐらいの反応はありますように…。

今週は他にも、宣伝を担当することになった8月公開の某作品の、宣伝スタッフ一同のZOOMでの初顔合わせもありました。また、12月に予定している特集上映のための作品の、権利元との買付け交渉がまとまったり、私が気に入っている作品を、社内の皆にオンラインで観てもらって意見を交わしたり、と2022年下半期以降の配給作、宣伝作の具体的な動きも出て来ました。情報解禁前のネタばかりなのでここに書けなくて申し訳ありませんが、ぼちぼち小出しにして行くので(笑)、引き続き注目して頂けると嬉しいです!

texte de Daisuke SHIMURA



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