気象庁によると、関東地方も「6月6日頃、梅雨入りしたもよう」とのこと。去年よりも8日も早いらしいです。“頃”とか“もよう”とか、自信なさげですよね。後々突っ込まれても「断言してませんから」ということでしょうか。

陽気が良いと「行楽日和で皆アウトドアな娯楽を求めてしまうから、映画館にはお客さんが来ない」。悪天候が続けば「外出するのが億劫になって、映画館にはお客さんが来ない」。お客さんが来ない理由（言い訳？）は各種用意していますが（笑）、正真正銘大ヒットになる映画は天候に左右されない、というのも真理だったりします。それで思い出すのは、2001年1月27日東京に大雪が降った日の話。その日は映画『リトルダンサー』の初日で、降りしきる雪の中、シネスイッチ銀座の前に長蛇の列が出来たのだそうです（今だったら“計画運休”とかで足を確保出来なくなるだろうから有り得ない…というのは、別の話です）。

で、本題。あと9日。梅雨の最中、雨が降ろうが槍が降ろうが、6月17日㈮から、東京はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、名古屋伏見ミリオン座で『三姉妹』がいよいよ公開になります。去年3月の大阪アジアン映画祭で観て感銘を受け、買付けを決め契約したのが翌4月。1年2ヶ月かけて遂に皆様にお届け出来る日がやってきました。

6月2日にはオンライン試写会が行われ、映画の後にはアフタートークで作家の柚木麻子さんがオンライン出演。MCの奥浜レイラさんと共に作品について熱く語ってくださり、オンライン上に次々上がるご覧頂いた皆様からのコメントもきっちりフォローしてコミュニケーション、ご参加の皆様にもご満足いただけたようです。皆様のご感想は、公式ツイッターでリツイートしていますので、よろしければフォローしてください。情報解禁は公開日直前になると思いますが、公開劇場の有楽町、新宿でのイベントも準備中。こちらも公式ツイッター等で告知してまいりますので、チェックしてくださいね。

こちら「K エンタメ・ラボ」~古家正亨の韓流研究所~には、弊社の宣伝Hが出演して、作品の魅力を語ってますので、よろしければご覧ください。

ところで、今週のトップ画像。なぜ『三姉妹』ではないの？とお思いの方もいらっしゃるかと思います。6月24日㈮から、『三姉妹』の上映館でもある新宿武蔵野館で公開されるマルタ映画『ルッツ 海に生きる』です。昨年9月にオンライン開催されたSKIPシティDシネマ映画祭の国際コンペティション部門に、審査員として参加させて頂いたのは当通信でもリアルタイムで書きましたが、その際に審査員長の竹中直人さん始め、4名の審査員満場一致で最優秀作品賞に選出したのがこの映画なのでした。

配給のアークフィルムズさんとは、2016年に開催された“ルキーノ・ヴィスコンティ生誕110年 没後40年メモリアル イタリア・ネオリアリズモの軌跡”と題した特集上映でご一緒した仲（弊社からは『若者のすべて』を提供。初期作品の『揺れる大地』、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の3作品での上映でした）。『揺れる大地』を愛するU氏が代表の配給会社が、マルタ島の本物の漁師たちが出演して役を演じる、リアリズム溢れる『ルッツ 海に生きる』を配給するのは必然と言っても良いですよね。

公開が決まってご連絡を頂いた際、「宣伝、微力ながら協力させて頂きます！」などとお伝えしてたのに、自社の『三姉妹』に注力していて、何も出来ていなかったので、せめてこれくらいは！と当通信でご紹介する次第です。ぜひご覧になって頂ければ！

そして今月はもう1本！こちらは個人的にクラウドファウンディングに参加した、ヤン・ヨンヒ監督のドキュメンタリー『スープとイデオロギー』も、6月11日㈯から公開になります。ヤン監督とザジの関わりは、というと、2011年に公開されたドキュメンタリー『愛しきソナ』、翌2012年に公開された安藤サクラさん、井浦新さん主演の『かぞくのくに』の2作品に続けて宣伝で参加させてもらいました。もう10年も前になるのですね。その後、長い年月をかけて完成させたのが『スープとイデオロギー』。ついに観ることが出来ます。とても下世話な話ですが、クラウドファウンディング、いくら以上の方がエンドクレジットに名前が出るのだっけ？この週末観に行って、確かめて来なきゃ（笑）。

まとめに入りますと、『三姉妹』はもちろん、『ルッツ 海に生きる』も『スープとイデオロギー』も天候に左右されることもなく、盛況な初日を迎えられることを願わずにはいられません。ついで（と言っては失礼ですが）に書いておくと、Help! The 映画配給会社でご一緒したムヴィオラさんの『さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について』は6月10日公開、ミモザフィルムズさんのホン・サンス2作品（『あなたの顔の前に』、『イントロダクション』）も6月24日公開。あ～、今月は忙しぃ～。

texte de Daisuke SHIMURA