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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【2月9日㈬~2月15日㈫】

第72回ベルリン国際映画祭が、現地2月10日フランソワ・オゾン監督の新作『Peter von Kant』のオープニング上映と共に開幕しました。去年はオンラインのみでの開催となりましたが(6月に授賞式が現地で行われました)、今年は現地での2年ぶりの開催。

但しEFM(ヨーロピアンフィルムマーケット。トップに貼った画像は3年前の、その見本市会場の様子です)と呼ばれる、例年映画祭と同時に開催される映画見本市のほうは今年もオンラインのみでの実施なので、私を含めて配給会社の買付け担当者で、日本から参加している人はいないと思われます。参加しているのは、出品されている日本映画の監督を始め関係者の方々と、コンペの審査員のお一人、『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞監督賞ノミネート、時の人濱口竜介監督ぐらいではないかと…

思いきや、いらっしゃいました!矢田部吉彦氏!コンペのラインアップを見たら、いてもたってもいられなくなって、参加を決心されたのだそう。いくつもハードルがあったでしょうに、凄い行動力です。

ベルリン国際映画祭 コンペティション部門作品の公式上映が行われる
メイン会場のベルリナーレ・パラスト(2020年撮影)

東京国際映画祭のプログラミング・ディレクターをされていた当時から、映画祭に赴くとブログでご覧になった映画の詳細や感想をアップされていて、いつも参考にさせて頂いていたのですが、今回のベルリン滞在記も、昨年の秋に開設されたnoteに日々アップされていて、毎日興味深く読ませてもらっています。映画の感想はもちろん、映画祭側のコロナ対策などの詳細もレポートしてくださっていて、臨場感バッチリ。読んでいるだけで“疑似映画祭参加”させてもらってる気分になります。

一方、オンラインで開催されているフィルム・マーケットもたけなわ。日々送られてくるDMをチェックしてプロモを見て、気になった作品があれば試写用のリンクをリクエストして…という作業を続けている同業者の方も多いかと思います。が、何度か書いていますが、私はオンライン試写が苦手でなのでなかなか触手が伸びません。去年はそんなアナログ人間の私にも有難いEFM(ヨーロピアンフィルムマーケット)が主催する、劇場を会場にした実際の試写が、渋谷で3日間に渡って開催されたのですが(当通信でも触れています)、今年はEFM主催のものは無し。その代わりユニフランス(フランス映画振興を目的とする組織)が主催する、フランスのセールス会社が扱う、コンペ出品作を含む数本の作品の試写が月火の2日間行われました。

クローズドな催しなので、ここで詳細を書くことは控えますが、私も2作品だけ鑑賞。どちらも非常に興味深く観ましたが、ビジネス的に考えると、そう簡単に手を出せるタイプの作品ではありませんでした。ちなみに冒頭で書いた映画祭のオープニング作品の試写もありましたが、「どうせどこかの会社さんが買うだろうから、字幕が入ったら映画館でゆっくり観よう」ということで、観に行きませんでした。

でも、こんな悠長なことしていて、ザジの2023年の配給作は見つかるのでしょうか?とちょっと不安になってきたのも事実(笑)。もうちょっと本気を出してDMをチェックして、掘り出し物を見つけなくてはなりません。でないと2023年、ザジフィルムズは開店休業状態になってしまいます…。

第69回ベルリン国際映画祭で観て配給を決めた
パノラマ部門出品作『わたしはダフネ』

さてさて。今年はなんとか営業中のザジフィルムズ(笑)。全国順次公開中の“カール・テオドア・ドライヤーセレクション 奇跡の映画”、おかげさまで大好評を博しました東京シアター・イメージフォーラムでの上映が、いよいよ8週間のロングランの末、2月18日を以って終了。名古屋シネマテーク、神戸・元町映画館、鹿児島・天文館シネマパラダイス、福島まちポレいわきでは、引き続き来週末まで。2月28日からは広島・シネマ尾道での上映が始まります。お近くの劇場で公開の折には、感染症対策万全の上、どうぞお越しください!そしてそして!待望の“ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年記念上映”のスタートまで3週間を切りました!こちらもどうぞお楽しみに!

今週末には、お待たせしておりました6月公開の新作の情報も解禁される予定です。来週の当通信でやっとご紹介させて頂く予定ですので、こちらもお楽しみにお待ちください!

texte de daisuke SHIMURA






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