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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月10日㈬~11月16日㈫】

シアター・イメージフォーラムで好評上映中の『MONOS 猿と呼ばれし者たち』。3週目に入った11月13日㈯は、2回目の上映後にトークショーが行われました。ゲストは、朝日新聞記者で元中南米特派員の田村剛さん。前回の試写会でのトークがとても分かり易くて、作品を理解する上でためになった、との声が多かったため、再度ご登壇して頂くことになりました。

田村さんがコロンビアのジャングルでゲリラ組織に帯同して取材したのは、ほんの数年前の出来事。言われなければ、そんな経験をお持ちの方とは思えません。前回のトークでは、「帰国後しばらくやりとりを続けていた元ゲリラの女性が、クリスマスに「今ボゴタにいます」というメッセージとともに、赤いワンピースを着た写真を送ってきた。手榴弾を胸にいれて、機関銃を枕元に置いて寝て、明日の命も知れないような生活をしていたような人が、ワンピースを着てクリスマスの夜に国際都市ボゴタを歩いている。それだけで和平合意が意味のあるものだった、と感じた」というお話がとても印象的だったのですが(写真を見せて頂いたワケではないけど、その赤いワンピース姿が目に浮かびます)、今回も田村さんならでは、の貴重なお話を伺うことが出来、有益なトークとなりました。

今回の聞き手は、イメージフォーラムの配信番組《配給さん、いらっしゃい》にも出演した弊社スタッフO。『MONOS~』を宣伝するにあたって、コロンビアの内戦についてずいぶんと勉強していたので不安はなかったのですが、それでも身内の司会ってのは、なんだか緊張しますね。

翌14日は何も予定のない日曜日。掃除洗濯を済ませ、「さて何か映画でも観に行くかな」と、時間の合いそうな映画をチェックしていて、キネカ大森で金曜から上映が始まった万田邦敏監督の『愛のまなざしを』という日本映画の、出演者による舞台挨拶があることを知りました。その時点では「ネットに主演の仲村トオルさんのインタビューが出てたな」という認識ぐらいしかない私だったのですが、いつものクセでオンライン上で座席の埋まり具合をチェック(笑)。ムム、舞台挨拶回なのにまだ席が空いている。…ということで、満席でゲストの皆様をお迎えすべく、席を押えました。どちらの会社の配給かも知らないのに、勝手に応援要員(笑)。

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登壇ゲストは、主演の仲村トオルさんと杉野希妃さんコンビと、共演の片桐はいりさん、松林うららさん。私のお目当ては片桐はいりさんだったのですが、はいりさん、相変わらずお茶目で楽しかったです。はいりさんにつられたのか、元々そういう性格なのか、仲村さんも役柄とはかけ離れたお茶目ぶりでした。ちなみに配給はイオン・エンターテインメント、朝日新聞社、和エンタテインメントの三社でした。だから舞台挨拶の司会は、カラオケ仲間であるところの(笑)朝日新聞のl記者だったのですね。

話は変わるのですが、11月13日付の文化通信(業界紙)に、映画のオンラインプロモーションをメインに事業を展開する会社、ガイエによる「映画興行におけるコロナウイルスの影響分析(8月時点)」の記事が出ていました。それによると映画館での映画鑑賞者は、コア層(年間12~23本)は徐々に戻って来ているものの、ミドル層(5~11本)、ライト層(1~4本)はまだまだ緩やかにしか戻ってきていないらしい。要するに一人で月に何本も観るコアなシネフィルは戻ってきているが、誘い合って誰かと一緒に観る習慣のあるライト~ミドル層の間には、まだまだ自粛ムードが存在している、ということのよう。ちなみに年間24本以上観る人のことは、コアコア層と呼ぶみたい。しばらくは、コア層、コアコア層の方に確実に来て頂けるよう、頑張るしかないのでしょうか…。

そんな状況の下、ガイエさんの分析による今後の対策は、「興収目標に応じてアプローチすべきユーザーを明確化し、該当するユーザーに向けて届けるべき情報を設計、コロナ前よりも強い動機付け(信頼出来る第三者の口コミとか)がより重要」というもの。言うのは簡単(笑)。結局、私に出来る具体的なことはと言えば、自ら映画館に通って、せっせと映画を観ることでしょうか。さあ、みんなで一緒にコアコア層になりましょう(笑)。

texte de daisuke SHIMURA





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