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「ポケモンカードのティーチングが面白い」という話。

この記事は、ポケカAdvent Calendar2023 の15日目となります。
いちょーさんからお声がけいただきまして、この企画に参加させていただきます。

と下書きを用意しておりましたが、今日は16日。1日遅れての公開となります申し訳ない。

子どものつきそいから始まったポケモンカードとの関わりは、いつの間にやら10年を過ぎました。いまでは息子もわたしもほとんどプレイはしておらず、もっぱらポケモンカードにまつわる書物や、ティーチングイベントの開催に比重を置いております。

せっかくいつも関わりのある方以外に見ていただける可能性のある機会ということで、ティーチングイベントの面白さについて、つらつらと書いていこうかなと思います。


ティーチングは最小で最長のイベント

ティーチングというのは、対戦イベントなどよりずっと小さな規模で開催できるイベントです。「イベント」というと大掛かりに考えてしまうかもしれませんが、自分と相手の2人がいればできる取り組みなんです。

極端に言えば、対戦の後の感想戦ですこしデッキの構築にアドバイスを伝える、というのもティーチングの一種と言えると思います。

そして、ティーチングは長期にわたって関わることもできたりします。

いつも例としてあげるのですが、わたしがティーチングを始めた初期の頃にデッキ相談をしてくれた男の子がいました。数年後、彼はCLで準優勝しました。彼は会場でその盾を持って、わたしのところに報告に来てくれたんです。嬉しかったですね。お父さんにありがとうと言われましたが、まったくもってわたしのセリフです。

これもティーチングの一部だとしたら、数年にわたる長いイベントというふうにも捉えることができます。なかなか楽しい妄想じゃないでしょうか。

ティーチングの種類と相談の分解

ポケモンカードのティーチングというと、みなさんはどんなものを思い浮かべるでしょうか?

ポケモンセンターやイベントで行われていた「はじめて教室」をあげる方もいるでしょう。ルールを覚えるための講習というのは、イメージのしやすいティーチングですね。

TCG特有のティーチングとしては、デッキ構築診断やらデッキづくり相談があげられるでしょう。デッキの使い方、戦術などを相談するプレイング相談もそれに近しいものと言えそうです。

大型大会で優勝を目指すひとにそのためのデッキ選択、プレイングなどを指導するのも、広い意味ではティーチングと言えるでしょう。形としてはコーチングと呼ばれるような取り組みになるかもしれませんが。

どの場合でも、重要なのは相談される方が「どんな人」「何を求めているのか」です。相談事を表面的に捉えるのではなく、しっかり分解して把握することが肝要です。

TCGのティーチングでよくすれ違いが起きるのは、相手が何を求めているのか、何を重視しているのかを勝手にこちらが決めつけてしまうことに起因していると思います。

その人がどんな人なのか、ということと何を求めているのかは別のものなので、思い込みでゴールを設定してしまうと悲しいすれ違いが起こります。どちらも悪気がない、むしろ好意でアドバイスしようとしているのに、相手にとっては害しかない、ということはよくあるのです。

ティーチングだけでなく、誰かにアドバイスをするときには、相手がどんな人で、何を求めているのかをしっかり見極めて、それに合った対応を心がけなくてはなりません。

ティーチングは「誰かが何かを達成しようとしていることを手伝う」という行為だと定義しています。この要素の掛け合わせをしっかり分解して、見極めることをまずは前提にしています。

それぞれがどんなものがあるか例示してみましょう。

ポケモンカードのティーチングにおいては、「誰」にあたる部分を4つに分けています。

入門者・・・これからポケモンカードを始めようとしている人

初級者・・・ルールを覚えてポケモンカードを始めた人

中級者・・・ポケモンカードの対戦で勝つことを目指して楽しんでいる人(ジムバトルなどに出ている人はすべて中級者と考えていいでしょう)

上級者・・・対戦での内容を踏まえて自身のプレイングを改善していける人

それに対して、「何」は目的、ゴールと設定します。ポケモンカードに求めるものは人それぞれですから、それをよく知らなくては、どうにも手伝うことはできません。

わたしたちは入門者はポケモンカードで楽しみたいのだろう、上級者は優勝を目指しているだろうと、このターゲットとゴールを紐づけて考えがちなのですが、それは思い込みなのです。それぞれに目的があるはずですから、ちゃんと話をして情報を集め、きちんと見極めなくてはなりません。

入門者でも、競技的にポケモンカードと向き合いたいと考えている人はいるかもしれません。逆に長く遊んでいても、ただただ楽しみたいと思っている人もいるでしょう。

小学生だから、大人だから、入門者だから、女性だから、といったことで決めつけないようにしたいものです。

入門者・初級者へのティーチングの面白さ

わたしは現在、主に入門者や初級者の方へのティーチングイベントを、仲間の協力をのもと開催しています。

入門者・初級者、特にジュニア層にターゲットを絞っているのにはいくつか理由があるのですが、一番大きいのは「面白いから」なのです。

ポケモンカードに限りませんが、自分が好きなものを「楽しい」「自分も好きだ」と言ってもらえることは嬉しいことです。そこに自分の活動が寄与しているなら、なおさらです。

はじめてポケモンカードに触れた人が、わからないものがわかるようになった瞬間にみせる表情はなんとも言えないものがあります。
対戦前に考えていた戦略がうまくはまって大技が決まった、と興奮気味に話すジュニアの子や、大事に育てた2進化ポケモンが活躍して逆転で勝てたとわらうプレイヤーを見ることは、自分自身が対戦に勝利すること以上に楽しいです。

ティーチングでは、はじめてお会いする方とコミュニケーションをとって、一緒にゴールに向かう必要があります。これは思うより大変な作業で、とくにジュニア層には人見知りな方も珍しくなく、歳の離れたおっさんに心開いてくれるまでは時間がかかります。でもその壁を乗り越えて笑顔を見ることができると嬉しいですし、苦労した相手であればあるほど、その後の成長を見るのは面白いと感じます。

この面白さはぜひみなさんに体験してほしいと、ずっと思っています。全ての人に刺さるかはわかりませんが、きっとわたしと同じように感じるひとはいて、その中の何人かはどハマりしてくれるのではないかと想像します。

実際、一緒にティーチングイベントを開催してくれている仲間は、だいたいこの面白さにはまっています。「ジュニア層へのティーチング」からしか得られない栄養素があるんです(人によります)。

ティーチングイベントをやりましょう

ティーチングイベントは個別指導という体裁をとる以上、とてもコストパフォーマンスの悪いイベントになります。

わたしの開催するイベントでも5人から時には10人以上の仲間に手伝ってもらうこともあるほどです。それでも対応できる参加者の数には限りがあって、1日頑張っても50人を超えるのは難しいです。

そんなコスパ最悪のイベントなので、まだまだ世の中の需要に対してイベントの数が足りません。そして現在開催してくれているイベントでも、たいていスタッフは足りていないのです。

公式のイベント検索で見るとティーチングイベントはたくさんあるように見えますが、たいていのイベントは定員が一桁になってます。まだまだ需要には追いついていないのではと思います。

この記事を読んですこしでも興味の湧いた方がいらっしゃれば、ぜひポケモンカードのティーチングイベントを開いてみませんか?
あなたの地域でイベントを待っている人がいるかもしれません。

イベント開催はちょっとしきいが高い、と感じられるなら、既存のイベントにスタッフとして参加してみてはいかがでしょう。主催者のX(Twitter)に連絡して、現地を見学してみるだけでも雰囲気はつかめると思います。

最後に

ティーチングについて知りたいことなどあれば、お気軽にX(Twitter)でお声がけください。地域でティーチングしている人を紹介してほしい、なんてご相談でもできる限り対応します。

ティーチングに関する知見を題材にした、ティーチングのティーチングというイベントも不定期で開催していますので、もし興味があればわたしにご連絡ください。(宣伝)

あなたの未来の対戦相手を、自分のイベントで沼に引き込んでみましょう。

ぜひ。

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