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KL編・絶望のはじまり

前回はこちらhttps://note.com/zeikin3/n/nc9b47f66ef19

早朝4時に起床し、成田空港へ向かった。

前日の雨で衣服と靴がびしょ濡れになってしまったので、肌着と海パンとサンダルというヤバい出で立ち。

電車で1時間半、その後は7時間半かけてシンガポールへ渡り、そこから更に1時間かけてマレーシアに到着する予定。

今日は移動だけで1日が終わりそうだ。マレーシアに着いたら金を引き出して、宿でカップ麺でも食って寝よう。

海外に来てまでカップ麺かよ?と思われるかもしれないが、わたあめ的にご当地カップ麺は旅の楽しみの一つである。安いし大抵は無難にうまい。

成田空港では世界のがきんちょ絵師展が催されていた。絵のタッチや色使いに国柄がよく表れていて面白い。

特に気に入ったのはこの三点。

これはどんな絵なのか?説明せずとも伝わってくるだろう。母なる自然をうまく擬人化している。

モルドバがどこなのかはわからないが、この色彩センスはきっと雪国なのだろう。

新聞紙をキャンバスにする発想が好き。

さて久しぶりの国際線だ。結構人がいる。

本当に海外に行けるようになったんだなあとしみじみ。下手すりゃ一生無理じゃね?と思った時期もあった。

今回搭乗するのはLCCのスクート航空。貧乏人のわたあめは当然LCCを利用する。

LCCに数時間搭乗するのは相当ツラいのだが、スクートの機体はレガシー同等なので快適らしい。

今回、初めて国際線乗り継ぎを経験する。シンガポールへ飛んで、一時間でマレーシア行きの便に乗り換えるらしい。

飛行機って一時間で乗り換えれるもんなの?と不安がってると、シンガポール行きの便が遅れるとアナウンス。結果、一時間弱遅れた。

え、乗り換えるの無理じゃね?これ終わっただろ。

焦ってもどうにもならない。うまいことトラブルに対応していこう………そう自分に言い聞かせながら搭乗。

確かに他社のLCCより気持ちシートが広い気がする。これなら長時間のフライトも耐えられる。

さらば日本。日本という国はわたあめには生きにくい。できれぱ東南アジアのようなのんびりした地域に移住したいものだ。

もう一生帰ってきたくない。なんかイベントが生じて外国に住まざるをえない状況になればいいのに。

そう願いつつ離陸。

乗り継ぎできなかったらどうしようかなと考えていると、予定時刻通りにシンガポール・チャンギ空港に到着した。やるやん機長。無事にマレーシアへ行けるぜ。

来たぜ海外。


北国育ちなので、ヤシの木を見ると異国に来た感マックスになり興奮する。

シンガポールは物価が超高いことで有名。おそらくわたあめは飛行機の乗り継ぎでしかここを訪れることは無いだろう。

国際線乗り継ぎは結構あっさりしていた。乗り継ぎRTAをやったら15分くらいで終われそうだ。
荷物検査場に行くと、職員から英語で何か言われた。

職員「ielc9t5soj」
わたあめ「は?」
職員「ボーディングパスを見せろっつってんだよ!」
わたあめ「ああ……」

なんと、わたあめは搭乗券を見せろという英語すら聞き取れなかった。我ながら衝撃。

確かに英語の成績は1だったが、いくらなんでもこんなに英語力ゴミだったっけ?

おそらくコロナ禍で長いこと外国語に触れてこなかったせいだろう。

そのうち耳が慣れてくるさ…と祈りながら飛行機を乗り換える。

こっから一時間かけてマレーシアへ。直行便だったら二時間早く到着できるのにな。でも乗り継ぎの方が安いんだよな。どういうロジックなんだろう。

クアラルンプール空港に到着。

到着した瞬間、ついに数年越しの海外旅行が始まるんだ!またこの日が来るなんて!ひゃっほう!!!!
…と、大喜びするんだろうなと予想していたが、実際は全然感動がなかった。

これから金をおろしてバスターミナル探して市内へ行き、宿を目指して…やることが多くて感慨に浸る余裕がなかったのだ。海外初日ってこんなに忙しいもんだっけか。

トレンガヌはいいぞ。と訴えかける広告。トレンガヌはマレーシア東部沿岸の地域。近海には南の島リゾートがいっぱいあるそうな。
実は今回、トレンガヌ観光も予定に入れている。まだホテルとか予約してないけど。南の島リゾートを存分に楽しむつもりだ。

そして入国審査(写真撮っちゃダメらしいので画像はなし)。
質疑応答の回答を必死で勉強してきたのだが、何一つ尋ねられることなく通過。
入国目的すら聞かれなかった。まあリュック背負った海パンとサンダルの男がビジネスなわけないもんな。

そういや入国カードもなかったな。知らないうちに撤廃されたのだろうか。

いざ入国。
すぐにATMを発見し、金をおろそうとする。

しかし何度やってもエラーになって金が出てこなかった。
血の気が引いてくる。何故だ?

パニックに陥り、あちこちのATMでお金を引き出そうとするも失敗。何が原因かは不明。

気づけば時間は23時を回っていた。
今日は諦めて、手持ちの現金の一部を金にした。

3000円が83RM(リンギット)になる。1RM32円のレート通りならば93RMになるはずだが。さすが空港の両替所はレートが悪い。
1000円でだいたい30RM程度か。マレーシアは30RMで何ができるんだろう。まったく見当もつかないが物価安いらしいし結構豪遊できるだろ。

バスターミナルへ。初めてマレーシアの外気に触れる。
時期的なものなのか、あまり暑くない。東京よりはるかに快適だった。
初夏の札幌のような気候。もっとムワッとしてるもんだと思ってた。

チケットカウンターでバスチケットを15RMで購入。早くも金を半分失ってしまった。バスは10RMって聞いてたんだけどなぁ。
カウンターのおばちゃんが英語で何か言ってくるが、またも聞き取れない。
なんていうか、マレー人の英語って発音が独特な気がする。わたあめの英語力がカスなだけか?

じきにバスが来て、KLセントラルという場所へ。

何故ATMで金がおろせなかったんだろうか。焦燥ばかりで車窓からの景色を楽しむ余裕はなかった。

現金は残り15000円。こんなことなら日本円の現ナマをたくさん持ってくるべきだった。
物価の安い東南アジアといえどこの資金で1ヶ月以上暮らすのは不可能だ。

KLセントラルから2駅ほど乗って宿へ向かう。わたあめのおんぼろスマホの充電がほぼ死にかけだったので写真はない。

道中、初めての東南アジア…バンコクを訪れた日を思い出した。あの日も遅い時間だったが、バンコクは夜更けでも活気があり、宿へ向かう途中、とってもワクワクしたものだった。あの時のワクワクをまた味わえるものと思ってたが、クアラルンプールの夜は健全で、誰も外を歩いてないしお店はすべて閉まっている。
セブンイレブンなんかは20時には閉まる店が多いようだ。7amから11pmまで営業してるからセブンイレブンって名前なんじゃないのかい。
首都の中心部なのにこの静けさ。拍子抜けした。

Googleマップで宿の場所をチェックしようとしたタイミングで充電が切れる。やばい、宿の場所がわからないぞ。

道行く人に宿の場所を尋ねようにも人が歩いていない。今回の旅行は踏んだり蹴ったりだ。

どうしよう…と焦ってると、すぐ目の前に宿の看板を発見。なんたる奇跡。

遅い時間なので心配だったが難なくチェックインできた。


一泊1100円。テレビ、ホットシャワー、トイレつき個室。シャンプーとタオルもついてきた。
この価格帯だとだいたいシャワーとトイレは共用なのだが、ここは部屋についてるのでビビった。かなりコスパ高め。

シャワーを浴びてベッドに飛び込む。
明日はいいことありますように。てかATMでお金おろせますように。でないと10月26日まで約一万円での生活を強いられることになってまう。全力で祈りつつ就寝。

しかし祈りが届くことはなかった。詳細は続きの記事で。

つづき

https://note.com/zeikin3/n/nf1890e6f4b15

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