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『ゴッドファーザー PART II』 ロバート・デ・ニーロの存在感に圧倒される。極限状況にこそ人間は本性を出す。

評価 ☆☆☆



あらすじ
1901年、イタリアのシチリア島のコルネオーラ村。ここの住民であったアントニオ・アンドリーニは地元のマフィアだったフランシスコ・チッチオを侮辱したとして殺害された。その敵討ちに向かった長男のパオロもまた殺害されてしまった。



1984年公開の『ゴッドファーザー PART II』は、『ゴッドファーザー』の前日談を含む二層構造の続編。監督はフランシス・フォード・コッポラ。出演はロバート・デニーロ、アル・パチーノなど。この映画ではふたりの男が描かれている。ひとりは若き日のゴッドファーザーであるビトー・コルレオーネ、もうひとりは若きゴッドファーザーであるマイケル・コルレオーネ。



前回のマーロン・ブランドに代わり、ロバート・デニーロが若きビトー役を、マイケルは前回同様アル・パチーノが演じている。



僕はパート1よりもパート2の方が好きだった。しかし、今回観直すとやはりパート1の何ともいえない空気感のようなものの方に惹かれてしまった。パート2もいいんですけど。



年を取ってから観ると共感するところも多い。例えば、失業を宣告されてからの若きビトーのエピソードがある。「ビトー、悪い知らせがある」という雇い主が彼にいう。彼は文句ひとついわず「長い間、よくしてくれてありがとう」という感謝の言葉で去る。これって、できそうでできない。僕なんかは陰で思いっきり「まったくこき使いやがって」と悪口を言いそうである。そういう人間はゴッドファーザーになんてなれない。当たり前か。



人間は極限状況に追い詰められると本性を発揮する。失業を宣告されても平然といられる人ってどのくらいいるのか? 多くの人が逆上するんじゃないかな。しかし、よく考えるとそれまで雇い主はきちんと給料を払ってくれたんだし(払ってくれない雇い主もいるが)、いつ仕事がなくなってもなんとかやっていけるように、日頃から危機管理をちゃんとしておくべきなのは人生として普通のことである。



それから、悪口はできるだけ言わない方がいい。実はこれも簡単そうでなかなか難しい。相手に感謝しながら不満も言わず、相手の立場を考えながら仕事をするのは結構大変なこと。だからだろうか。黙々と仕事をしている人はかっこいい。言い訳をしない人もいい。これもなかなかできそうでできない。



『ゴッドファーザー PART II』は勉強になる題材である、というオチになってしまいました。映像がどうとか、演技がどうとかは、他のサイトでいっぱい出てるから、ここではいいでしょう。素晴らしい映画なのは間違いないのだから。



初出 「西参道シネマブログ」 2006-03-22



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