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『スタンド・バイ・ミー』 クリス役のリヴァー・フェニックスが光る。子育てはやっぱり田舎に限るよな、と痛感。

評価 ☆☆



あらすじ
中年弁護士のクリスが死亡した。その新聞記事を読んでいる作家のゴードンは12歳の時のことを思い出していたい。クリスとゴードンは幼馴染みだった。テディやバーンと一緒に「死体探しの旅」に出たことがあるのを思い出した。死体探しの旅は、少年4人にとっては大冒険だった。



長年映画を観ていると、たまに不思議な感覚に陥ることがある。ものすごく面白かったなぁ、という感覚は薄いけれど「もう一回観たいな」と思わせるような感じだ。中には、封切当初「これは面白い!」と思っていても、何年かすると「意外とつまんなかったかも」なんて映画もある。後者はあえて名前は言いません。



『スタンド・バイ・ミー』は前者の作品である。1986年公開の映画で、監督はロブ・ライナー。出演はリチャード・ドレイファス、リヴァー・フェニックスなど。そんなに好きじゃなかったんだけど歳を取ると「あれ、もう一回観たいかも」と思わせる。



ウィキペディアによると「それぞれ心に傷を持った4人の少年たちが好奇心から、線路づたいに“死体探し”の旅に出る」というストーリーとある。線路づたいにというのは微妙な表現ではあるものの、悪くないまとめ方だろう。でも、傷を持たない少年たちなんてこの世に存在するのか? なんてくだらないツッコミを入れたくもなる。



映画の中で出色なのはクリス役のリヴァー・フェニックスである。とても存在感があって泣かせます。原作はスティーヴン・キング(未読です)。短編小説という噂を聞いているが、多分、映画のほうが面白いだろうと思う。



キャラクターがとても生かされている。音楽との相性もいい。監督はロブ・ライナーである。手堅い演出ですね。



音楽はベン・E・キングの昔の曲。ジョン・レノンも歌っていた。映画のストーリーと歌詞が、僕は映画に合っていないような気がするけど、映画が面白いので許せる。



この映画の後、日本では重松清がこの分野を大いに広げた感がある。いわゆる「少年もの」というジャンルです。やっぱり少年ものは泣ける、という観客が多いらしい。



何より少年時代と田舎の風景が似合っている。この映画を観ていると「子育ては田舎でした方がいいよな」って気がする。大人になってから少年時代に思いをはせる時、やっぱり自然の中の風景はノスタルジーを覚える。この映画みたいな感じで少年期を思い出せないのって、やっぱり寂しい。都会で子育てをしているひとは再考してみては?



初出 「西参道シネマブログ」 2009-06-12



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