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『グリーン・ゾーン』 題名はイラクのバグダードにある旧米軍管理領域のこと。自分のしたいこととできることは違う。

評価 ☆



あらすじ
イラク戦争中のバグダッドで、アル・ラウィ将軍がある手帳を持って脱出した。彼は自分からの連絡を待つように手帳を側近に渡して、車で逃げてしまった。ミラーは大量破壊兵器の行方を追っていた。ある日、大量破壊兵器が隠されているという情報を得て、兵器が隠されているといわれる倉庫へ向かった。



ポール・グリーングラス監督はマット・ディモン主演のジェイソン・ボーンシリーズで知られている。僕も『ボーン・スプレマシー』や『ボーン・アルティメイタム』は興味深く観させてもらった。グリーングラス監督の才能も高く評価している。



ところが『グリーン・ゾーン』は面白くない。この映画は2010年に公開された作品で、監督はポール・グリーングラス、出演はマット・デイモン、グレッグ・キニアなど。ほぼ『ボーン・スプレマシー』と同じような陣営。



「グリーングラス監督だから他の映画にくらべたら数段良いけど、辛い点を自分でつけているのかな」と思ったりもした。どうやらそうではないらしい。本当につまらない。なぜ、この映画は面白くなくて、ボーンシリーズは面白いのか? 監督の思い入れが激しすぎるからか。



この作品はイラク戦争と大量破壊兵器に関するストーリー。ドキュメンタリーではないけれどドキュメント性を求めている。この監督は比較的社会性の高い題材を求める傾向にあるらしい。思い入れが激しいせいで冷静に映画と向かい合うことができなくなっているようだ。アクションシーンのキレの悪いし、思い切りがない。荒唐無稽さもない。



フィクションなのかノンフィクションなのかを、どちらかにしっかり腰を据えるべきだった。グリーングラス監督はドキュメンタリー作家としての資質がないのかもしれない。エンターティメントを撮らせた方が生き生きとしている。皮肉なものである。



難しいですね。人生も同じかもしれない。やりたいこととできることは違う。それに気づいたところでどうなるものでもない。いずれにしても、万人にオススメしたいとは思わない作品のひとつである。



追記



タイトルも良くない。『グリーン・ゾーン』とは軍事用語から派生した言葉で、イラクの首都バクダートの中心部に位置する旧アメリカ軍の管理エリアのことを意味する。環境問題の映画かと思ったよ。



初出 「西参道シネマブログ」 2010-02-13



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