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『ティファニーで朝食を』 「ムーン・リバー」はヘップバーンの音域にあわせて作曲された。なぜか不思議と心に残る映画。

評価 ☆☆



あらすじ
1960年、ニューヨーク五番街。朝早く、黒いドレスに身を包んだ若い女性ホリーが近づいてくる。宝石店であるティファニーのショーウインドウを眺めながらクロワッサンとコーヒーを手にする。ホリーは仕事をせず、パーティーやデートで男性からお金をもらいながら生活していた。



映画を観ている間は退屈で「早く終わらないかな」と思っていたけど、妙に心に残る映画というものがある。だけど、再び観てみると、やっぱり退屈だったりする。困ったものだ。



『ティファニーで朝食を』もそのひとつ。公開は1961年。出演はオードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパードなど。監督はブレイク・エドワーズ。この監督の映画ってそういうのが多い。『ピンクの豹』(ピンクパンサーですね)もそんな感じ。ドタバタしているんだけど、心に残る。



まるで麻薬のようだというと表現が悪いかな。『ティファニーで朝食を』は話としてはなんてことはない。もちろんオードリー・ヘップバーンは美してく、可愛い。でも映画として良くできているという印象もあんまり受けない。でも、ラストシーンはよく覚えてるし、ヘンリー・マンシーニの音楽も素敵。



実はこの映画には素晴らしい才能たちが集結している。原作はトルーマン・カポーティ。監督はブレイク・エドワーズ。主演はオードリー・ヘップバーン。テーマ曲はヘンリー・マンシーニ。マンシーニは音域の狭いヘップバーンのために作曲したのが「ムーン・リバー」だったという。結局、誰もが口ずさめる曲に仕上がって大ヒットした。



原作はカポーティだが、僕は読んでいません。簡単に言えば援助交際とブランド志向という、いまの高校生みたいな(というのも、もう古い気がする)女性像が描かれている。



ティファニーはもちろん宝石のティファニーです。宣伝映画でもないのだが、どことなくティファニーをヨイショしているように思えなくもない。



ティファニーで思い出したのだが『ティファニーのテーブルマナー』という小冊子がある。知っていますか? テーブルマナーに関する小さな本なのだが、これが結構役立った。デートの前にチェックするとフランス料理で恥をかかなくてすむ。ティファニーがプレゼントしている冊子で、装丁もオシャレです。いまも購入できるのかな。



やっぱり映画ファンとしては、一回は観ておきたい。でも一回くらいでいいかな。なんか何度も観てしまう不思議な映画ではあるのだが。



追記



ティファニーはこの映画の大ヒットの後、ふたつのサービスを行ったという。ひとつはイートインスペースの開設、もうひとつはあるもののサイン入れ。いまでもやっているかどうかは知らないけど。なかなか粋ですね。



続 追記



この映画に関してはトラブルも数多くあったらしい。というか内容が過激なのでヘップバーンも、監督も、制作会社側も、原作者も互いが互いを非難しながら作り上げたらしい。映画を観てると、ちょっとその匂いがわかる気がする。やっぱり不思議なものだ。



初出 「西参道シネマブログ」 2006-03-07



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