足下の写真

禅語「小欲知足」と「もっともっと」を求める心の付き合い方

「まだまだ」「もっともっと」という人生。

まだまだ足りない。

まだまだ成長できる。

まだまだ食べたい。

もっともっといい仕事をしたい。

もっともっとお金が欲しい。

もっともっとすごいことを成し遂げたい。

もっともっとすごい人になりたい。

もっともっといいご縁が欲しい。

もっともっと幸せになりたい。


「まだまだ」「もっともっと」という欲があるから人も科学も進化する。
しかし、「もっと」に偏ると、なかなか苦しいですね。

そう分かっていても、つい求めてしまう。

昨日、坐禅をしていて、ふと湧いてきました。


「十分じゃないか」


妻とのこの時間は十分じゃないか。

〇〇さんとのセッションは十分じゃないか。

お金はたいしてないが、十分じゃないか。


その瞬間、十分満たされていることを感じる。


足りていることを知るという古からの智慧。


分かってはいました。知ってもいました。

でも、そうは思えなかった。
よく分からなかった。

多分、「十分ある」というのは、
考えて分かることではないのかもしれません。




まだまだというのは思考。

十分というのは、感じること。




最近の坐禅のテーマは、「あるものを感じる」

私たちに平等に与えられているもの。

それは、空気と重力。

空気の存在を感じる。

重力の存在を感じる。



何かをしながら先のことを考えると、まだまだになる


何かに没頭できれば、十分になる。



禅の師匠がおっしゃっていた「ただ」の心。

すべてのことを「ただやる」

その瞬間に浸ること。

その瞬間を味わうこと。

その瞬間に没頭すること。



食べているときの声かけを工夫しています。

「十分ある」と心の中で唱えること。

これまでは、食べながらもっともっと欲しいと思っていました。

今、手のひらに持っているご飯以上のものを求めながら食べている感じでしょうか。なので、欠乏感と枯渇感で食べていたんですね。

それを、「今、十分いただいている」と認識しながら食べることで、落ち着いて味わえるようになりました。

腹八分目でおさめるのは、これまで何度も挫折を味わってきましたが、今のところいい感じで続いています。

ご飯中の対話が大事ですね。



人は、欲のセンサーを持っている。

もっと食べたいくらいが丁度いい。ちょっと足りないくらいが、実は満たされている。それは、食後しばらくして食べたものが消化されながら、分かる。これは十分を感じるセンサーが正常に機能している状態。

十分を感じながら食べていると、そこにある食事を味わえる。

もう少し食べたいで終わったときほど、その食事は美味しく終われる。

まさに腹八分目。しかし、これが一番難しい。
「物足りない」と「腹一杯」の間でいかに止められるか。

もっともっと食べたいになると欲深い。もっともっと食べてしまうと、実は苦しい。苦しいが、欲のセンサーが暴走をはじめる。そして、苦しいのに、もっともっと食べてしまう。欲のセンサーが戻るまで、その連鎖は続く。


もっともっとと思いながら食べていると、そこにある食事は味わえていない。

そして、食べ過ぎたときほど、人はもっと食べたくなる。

「もっと」は「もっともっと」になり、さらに「もっと」を誘発する。そうなると、坂を転げ落ちる石にように、自分ではもはや止められない。


もう少し欲しいで欲を止められるかどうか。十分を感じられるか。


仕事も腹一杯を求めると、やりすぎてしまう。
ないものばかりを考えていると、エネルギーは枯渇する。
他人に嫉妬し、奪おうとする。


考えても答えが出ないことがある。
考えるほど焦りが生まれることがある。


努力は大事ですが、どこかで「十分ある」という感覚を持てるか。


行き詰まったとき、ふっと息を吐く。
そして、呼吸に意識を向けてみる。
周りの景色を眺めてみる。


今あるものとは、今を感じること。


そうすると、足下が見えてくる。
感じることで、自分という「存在」が見えてくる。


禅の師匠から、「人には欲がある。欲はなくならないし、欲が悪いのではない。ただ人の欲には限りが無い。欲は膨らませるのではなく、絞ることが肝要ですよ。」と話されていました。


最近、欲がいいあんばいになってきた感じします。

少しだけ、今瞬間を味わうことが出来るようになったかもしれません。

しかし、いつでも暴れはじめる準備も出来てきます。

人は、微妙なバランスの上を生きているのだと思います。

いかにバランスをとり続けるか。修行ですね。


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