エゴがぶつかる

【禅を生きるにいかす】 10秒の余裕 せこさはせこさとぶつかる 強いエゴは強いエゴとぶつかる

駅で自転車を駐輪しているときに、気づいたこと。

駐輪場ではない場所に自転車を1時間ほど置いていたら、戻ってきたときには後からきた自転車に埋もれていました。

それを見て、「なんで、こんな人のことをまったく考えない、雑なとめかたをするのか」とプリプリ。

しかし、そこから100メートルほど離れたところには、正規の駐輪場があります。でも、駅からは少しだけ遠いところにあります。

私も含め、所定の駐輪場に自転車を置かない人は、100メートルを歩きたくありません。ほんの少しの手間と時間をかけたくないのでしょう。


要はせこいのです。


せこい人は、当然のことながら、人のことも考えません。
それは、ルールを破っている私も同じこと。

自分がせこいことをしたのに、人のせこさを責めるのは、同じ穴のムジナが、自分だけは正しいと叫んでいるようなもの。


自分のせこさは、人のせこさとぶつかります。


100メートル歩くのに、何秒かかるでしょうか。

少し離れた駐輪場に駐輪してみると、見事に空いています。
戻ったときにも、自転車は整然と置かれていて、とても気持ちがよいです。

大型スーパーでの車の停め方も同じ。
入り口に近いところから埋まっていきます。

ハザードを点滅させながら待っている車は、お互いに無言の争いをしています。

自分が先に待っていたのに、後から来た車がサッと横入りしたことで不快な経験をされたドライバーも多いのではないでしょうか。

周りをみると、わずか数十メートル離れたところにある駐車場は、見事なくらい空いています。

今までは、少しでも近い場所ばかりを探していて、少し離れたスペースには気づいてさえいない自分がいました。

少し離れたところは、隣のスペースも空いています。

やってくる車に気を遣わずゆっくり駐車できるし、ドアを開けるときも隣に当たるかどうかを心配する必要もありません。

恐らく、遠くに停めることが出来る人は、せこさがないのでしょう。
余裕がある人は、余裕がある人と出会うのでしょう。

気づいてみると、本当に小さな一手間にすぎません。

いつから、数秒のことに時間をかけられないようになったのでしょう。
残念ながら、子供の時からずっとやっている気がします。


また、自転車に乗っていて、急いでいるときに、
少し危ないかなと思いながらも角の内側を曲がろうとしました。

時間を節約しようとして道をショートカットすると、
前から来た自転車とぶつかりそうになります。

大体、そういう自転車は運転が荒いのです。
「なんでこんなところから突然出てくるの!!」と腹が立ちますが、
恐らく相手も同じように思っているでしょう。

荒い運転は荒い運転とぶつかります。

いつから数メートルの道を大きく回れないようになったのでしょう。
これも子供のときから変わっていない気がします。

丁寧に自転車を運転してみます。
横断歩道では、一旦停止。
すると、周りの流れが穏やかに感じます。


電車に乗るときに、つい座席をとることに懸命になります。
席をとろうとする人に負けたくないのです。

いつから、人と座席のとり合いをするようになったのでしょう。
人に座席を譲れない人になったのでしょう。
かなり昔からのような気がします。


数秒の手間をかけたくない。
数メートルの回り道ができない。
座席を我先にとろうとする。

せこさにはせこさがぶつかります。
強いエゴには強いエゴがぶつかります。


他人は自分の鏡。自分の心を映しだしてくれます。


ときに、自分が余裕をもって車間距離をとって運転していると、無理に入ってくる車があります。

一瞬腹がたちますが、試されているようです。

そこで、相手の挑発にのらないこと。
せこい人はせこい人にお任せしましょう。

自分も相手のせこさを引き出しているのかもしれません。
人の行動をみて、自分を振り返ろうと思います。

しかし、この自分を振り返るというのが本当に難しいものです。
自然に荒く、無意識にせこくなっていることが多すぎるのです。
周りや人のせいにすることに慣れすぎてしまっています。


以前、禅の師匠が、「禅の心は普段の生活にある。たとえば、ホテルに泊まったとき、部屋を出る前に、洗面所をタオルで拭くだけでいい。特別なことをしようとするのではなく、こうした何気ない行動が大事。」
とおっしゃっていました。


洗面所を拭くというのは、とても簡単な行為です。
恐らく10秒もかからないでしょう。


でも、最初はなかなか出来ませんでした。
時間ギリギリになって部屋を出ようとすると、
拭く時間がなかったり、拭くことを忘れていたりします。

10秒の余裕を持てるというのは、なかなか難しいことだと気づかされました。

ただ、これも慣れてくると、むしろ拭かない方が気持ち悪くなってきます。

10秒拭く時間が持てると、ベッドや使用したタオルを整えたり、ゴミを整理したりする時間もとれるのです。

自分を優先すると、同じような自分優先のエゴを持った人とぶつかってしまいます。

ところが、少しだけ余裕を持ってみると、余裕がある人と出会えます。


ただ、ジャンクフードが無性に食べたくなるときがあるように、せこい自分が出てくるときがあります。せこい自分で行くときは、中途半端にいいことなど期待しないのがよさそうです。

せこい気持ちで横断歩道を黄色の点滅でわたろうとするときは、突っ込んでくる車がいることを覚悟で渡りきろうと思います。すべては、自己責任。

時には、そういうことがあってもいいのではないでしょうか。


さて、今日は10秒の余裕を持って、行動できるでしょうか。


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