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【物録】Fender Mustang MICRO

高校時代。豊かな家の子はフォークギターからエレキギターに移行していったイメージがあります。

今現在の目線から行くと…。エレキギターであることとフォークギターであることは、そんなに差異があるものとして受け容れるイメージはなくて。「別の楽器として受け止める」というのに尽きます。

若いとねぇ…。どーもそういう風に捉えられなかったというか。今と違って多様性に柔軟でない頑なさがあったと思うのです。

世間的にどーみても「別物」でも、「同じクラスの誰それが~」とか「アイツ、エレキに移ったらしーぜ」とかいう。ごくごく卑近な人間の動向で趣味嗜好は簡単にシフトするのです。

いや、しておりました。(笑)

いわゆるアンプ・シミュレーターとマルチ・エフェクター搭載のヘッドホン・ユニットです

そんな情弱まっさかりの、昭和50年代当時。

USA MADEのfenderを手に入れることのできるヤツは稀で、当然TOKAIやらフォルナンデスやらコピーモデルでお茶を濁すところから。いわゆるfender社からパテント取得をへてfender Japanモデルとして作製されたストラスキャスター◦テレキャスターモデルあたりが格好の落とし所。

リッチー◦ブラックモア先生がアンプに叩きつけて壊していたのは、このfender JAPANモデルばかりだったと得意げに教えてくれる同級生もおりましたね。

世相が移り。実はネックがよじれて使い物にならないメキシコ製とかと比べて、JAPAN fenderのモデルが日本のメーカーによる精度の高い製品であることをセールスポイントとできるのはそれから少し後のこと。

fender Japanモデル大半のイメージとは、国内ギターメーカーが作る「◯◯モデル」とか「◯◯タイプ」というのと大差ないもの…で、ありんした。

コレ。いわゆるST(ストラト・キャスター)タイプなら刺して問題なくいけますが。ギブソンのレスポールタイプやFENDERテレキャスタータイプには向きません。

変なハナシですよ。
CASIOやRolandのシンセサイザー、BOSSのエフェクターは「ホンモノ」として受け容れるクセにね。そもそも、だ。楽器への習熟度はさておき…というのがけしからんのよ。

指板のキーなんぞそっちのけ。五線譜から弾くことなんぞまずできないまま、コードの押さえ方とTAB譜で覚えたリフを何度も何度も繰り返し。何度かの文化祭で幸運にもステージを踏むと…カノジョもできたりして。熱は冷めてしまうのです。

あれから40年。
家にMarshallのアンプがある人ない人。フェンダーのツインリバーブがある人ない人、関係なく。アンプシミュレーション&マルチエフェクター付きで家人から疎まれることもなく…エレキギターの弾ける環境は整う時代となっております。

ピックはやっぱし、ティアドロップ型でしょ。

今回手に入れたFender Mustang Microは、Bluetoothにてスマホ他と接続して練習曲を流しつつ自身の弾く音とをミキシングして聞くこともでき、便利至極。いい時代になったものです。

「そうだ!ギターを弾こう」と思う人のうち、何パーセントかの人が楽器屋に行く。お立場と風態で店員から勧められるモデルを買い、小物モロモロと共に、ギター教室に行く前に教則本を買って来る。家でCDの練習曲を聴きつつ弦を弾く。

こういう人の90パーセントは、1年以内に飽きるか熱意を失ってギターを手放すのだそうです。(手放せるモデルであればまだ良いよね)

いやぁ…果たして一年後。手放す、というより止めちゃう90%になっているのか、それとも10%のマイノリティに残っているのか。

少なくとも、傷口は広がらない様にペンタトニック・スケールをつま弾く今日この頃でございます。