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ジャン=リュック・ゴダール監督『アルファヴィル』ゴダールのSF映画!?


<作品情報>

初長編作「勝手にしやがれ」以降、ヌーベルバーグの旗手として世界的に知られる名匠ジャン=リュック・ゴダールが1965年に手がけたSF作品。同年の第15回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。英国のハードボイルド作家ピーター・チェイニーが生み出したキャラクターで、エディ・コンスタンティーヌが演じる探偵レミー・コーションを主人公に、人工知能によって支配される都市を舞台に、感情を失った独裁者の娘の人間性を回復させようと奮闘するレミーの孤独な戦いを描いた。2014年12月、「ヌーヴェル・バーグSF映画対決!トリュフォー×ゴダール」と題し、フランソワ・トリュフォーの「華氏911」とともにデジタルリマスター版上映。

1965年製作/99分/フランス・イタリア合作
原題:Alphaville
配給:マーメイドフィルム
劇場公開日:2014年12月27日
その他の公開日:1970年5月30日(日本初公開)

<作品評価>

75点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

上村
難解!とにかくよく分からないです。まあゴダールですしね。ゴダールのSF映画ということでどんなことになっているのかと思っていたんですが、割と真面目にSFやっていてよかったです。
抽象的なセリフが多くを占め、単純なSFサスペンスアクションとは全く異なるテイストになっています。近いのはやはりタルコフスキーの『惑星ソラリス』でしょうか。
未来を感じさせる美術や小道具、衣装などはなく、普通の都市を映しながらも未来感を感じさせるようになっています。シンプルな世界観構築が上手くいっていますね。
ゴダールらしからぬ設定ながらも語り口は完全にゴダール。難解。しかし、ラストはSF映画らしい結末を迎えます。不思議なテイストの作品でした。アンナ・カリーナの佇まいも美しい…

吉原
感情や思想が排除されたディストピアの住人が、外部の星の住人の介入により人間性を回復していく物語。SFとは言えども、やはりゴダール、一筋縄ではいきません。
ストーリー自体はそこまで難解ではないが、観ているうちにだんだん難解に感じてくるところは「さすがゴダール」と思うし、全編パリで撮影されたにも関わらず、なぜか異質な雰囲気を醸し出す別世界感を巧みなカメラワークや演出でうまく表現しているところもやはり賞賛に値すると思いました。

<おわりに>

 ヌーヴェルヴァーグの巨匠であるゴダール監督らしいSF映画でした。難解なようで難解でない、そんな不思議な感覚を味わえる一本です。

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