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ジョン・カサヴェテス監督『グロリア』平凡な主婦が巻き込まれる闇


<作品情報>

組織を裏切り、命を狙われていたジャックは同じアパートに住む女性グロリアに息子フィルを預ける。その後、ジャック一家は皆殺しに。一方、グロリアはフィルをつれてアパートを脱出。子供嫌いのグロリアは、一時はフィルを手放そうとするが、結局その子を連れて逃走を続けるハメに。やがて彼女は組織に乗り込む決意をするが……。タフなヒロインの活躍を描くハードボイルド・ドラマ。

1980年製作/121分/アメリカ
原題:Gloria
劇場公開日:1981年2月28日

https://eiga.com/movie/10869/

<作品評価>

75点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

上村
初カサヴェテス!なんかもっと入りにくい作家かと思っていたら拍子抜けでした。普通(いい意味で)のアクション映画でおもしろかったです。
服役していたときがあるという設定ゆえか、凜としたグロリアがかっこいいんです。ときおりみせる子供の行動への苛立ちが人間らしくて良い。
なんだろう、撮り方がカッコいいのかな。スタイリッシュですよね。ジーナ・ローランズも貫禄があっていいです。
普通に面白いアクション映画でした。金獅子賞っぽくはないですが、誰にでもオススメできる良作だと思います。

吉原
なぜこの作品が金獅子賞を受賞したのでしょうか。それというのも本作は、社会問題を映し出した様な社会派の映画ではなく、万人に受け入れられそうなハードボイルド映画だからです。
主人公が女性なのはこの時代では非常に珍しいのかもしれないし、アクションシーンだけでなく、本編の至る所に目を惹かれる作品ではあるが、これが金獅子賞に相応しいかどうかと言われたら微妙。
主人公グロリアが少年を連れて組織から逃げ回るシーン、特に彼女が少年を助けようと決意して組織メンバーの車に発砲するシーンは非常に印象的です。あれほどかっこいいシーンはなかなかお目にかかれないでしょう。これもグロリア役のジーナ・ローランズの演技だからこそ成立したシーンでしょう。
今まで観てきた金獅子受賞作品とは少し異なるある意味で王道、ある意味では風変わりな作品で面白かったです。

<おわりに>

 平凡な主婦が闘うこの映画、金獅子賞っぽくはないですが、ジョン・カサヴェテスの手腕については疑いないのではないでしょうか。

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