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色彩を重ねる、それはジャズのようなものだ

ソール・ライター展を拝覧。

絵画を描きながら写真も撮るという人には、2種類のタイプがいるようだと気がついた。これまでは、デッサンを通して陰影による画法を理解しているから、写真における露出を感覚で理解し奥行きのある上手い写真が撮れる、それが、絵画を描きながら写真を撮る人のポテンシャルの高さだと思っていた。

ソール・ライターは、画家でありながら、写真家だ。でも、彼の作品を観ると、陰影という画法とのシナジーではなく、色彩を重ねるという画法が、特にカラー写真になってからの作品に気持ちよく活きいきと引用されているように思った。彼は、「色彩を重ねることはジャズのようなものだ」と語っていた。幾多のスナップを撮り続けたニューヨークの街角に、瞬間的に現れるジャズを、彼は切り取っていたのかもしれない。

彼は言った、「重要なのは、どこで見たかとか、何を見たかということではなく、どのように見たかということだ。」

私もジャズを探しに、町へ出よう。

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