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36年の沈黙を破りついに未収録解禁!衝撃のブラックジャック登場回全公開!ミッドナイト・ロストエピソード

今回は「ミッドナイト ロストエピソード」をご紹介いたします。
2023年の6月16日に発売され注目を浴びた本書。
ミッドナイトの「失われたエピソード」として、
これまで何十年と公開されなかった未収録作が一同に集結したとあって
ファンの間では歓喜した1冊であります。
そんな「ミッドナイト ロストエピソード」をご紹介したいと思います。


さてまず最初に本書はボクのものではなくこのチャンネル恒例の図書館で借りてきたものであります。
やっぱり図書館いいですね。高くて手が出ないものでも図書館ならタダ。
ぜひ皆さんも図書館ご利用ください。

では本書の紹介の前にまず簡単に作品紹介していきます。
「ミッドナイト」とは深夜の街を走る主人公のタクシードライバーと
そこに乗り込む乗客たちとの人情エピソードが展開するという1話読み切りスタイルの作品でどこか『ブラック・ジャック』と似たような雰囲気を持った作品であります。

主人公のタクシードライバーはモグリという設定で
行きずりの乗客との人間ドラマですからシンプルに「ブラックジャック」のタクシードライバー版というのが一番分かりやすいかと思います。


そんな「ミッドナイト」ですが
なんと本家ブラックジャックが登場する回が3話あります。

しかも最終回にもブラックジャックが登場しており
前代未聞の爆裂的な神業を炸裂させています。
しかしその結末があまりの衝撃度のために
単行本には収録されないという事態が起こります。
最終回なのに掲載がないという
これまでに聞いたことがない珍事発生です。

このとんでもない事態になってしまった曰くのエピソードは
当然ファンの間ではお宝作品として
伝説の未収録作として語り継がれることになりました。

そんな曰くのエピソードを含む
単行本未収録作が一同収録された一遍が本書であります。

ということで本書の中身見る前に
ざっくり整理しておくと…

「ミッドナイト」には単行本未収録作品が14話もあります。
手塚作品においては未収録はさほど珍しいことではありませんが14話ともなるとさすがにこれは多い方になります。
しかも「ミッドナイト」の場合、
この14話の中に最終回も含まれています。

本書の未掲載リスト

最終回が未掲載ってほんと前代未聞ですよね。

しかもその最終回にブラックジャックが登場し、
さらにはそのストーリーがとんでもない事になるという。
(詳しくは別記事で)このどんでん返しのレベルが超ド級でありまして
ある意味ですべての漫画史の中でもこれほどの意外性をもたらした最終回はないんじゃないでしょうか。…というくらいに
凄まじい内容になっております。


そのあまりの凄まじさ故に作者自らの手で封印されてしまったことで
さらに注目されてしまったという、、、、まさに超絶な曰く作であります。
これにより手塚先生存命中には陽の目を見ることはなかったのですが
先生の死後9年後
幻と言われた最終回が解禁されまして現在ではいくつかの単行本で読むことができるようになりました。

…ですが残念ながらこの最終回以外の未収録作品については
完全版として読むことができる出版物は存在してなかったのですがこの度ついに、そのすべてを網羅した一冊が登場したというわけであります。

発表以来35年間知られざるエピソードとして多くのファンから単行本化を熱望されていた未収録エピソードを完全公開。
ブラック・ジャック出演回3話分も当然収録
残りの未収録作についても全編オリジナルでの公開されております。
サイズも当時の判型のままの大きなB5サイズで読み応え十分、
さらには高精細な印刷で美しい絵が拝めます。
そして
巻末には貴重な資料も掲載されているまさに完全版「ミッドナイト」。


なによりこれが手塚先生にとっては
ブラック・ジャックを描いた最後の作品ということで
ブラックジャックファンにとってもとても嬉しい一冊ですね。

最後に「ミッドナイト」の作品がどのように誕生したのか
簡単ではありますが説明しておきます。

元々「ミッドナイト」は1981年から構想があたためられ、
1985年の新年号から『ドライブラー』というタイトルで連載予定でしたが
1984年11月に手塚先生が急性肝炎で入院したため連載が延期されます。

その後、『ブッキラによろしく!』『ゴブリン公爵』の2本の連載を挟みまして仕切り直しという形で連載が始まることになります。
当初の構想では超能力を持つロボット自動車が活躍するというSF設定だったのですがこれは当時流行っていたアメリカドラマの「ナイトライダー」に似てるなぁってことで
タクシードライバーの人情ものに変更されたという流れになっております。

この「ミッドナイト」になる前段階のプロトタイプである
『ドライブラー』の未発表原稿が巻末に特典として公開されております。
解題では濱田髙志氏が「ドライブラー」と「ミッドナイト」の関係を紐解くなど、資料の価値としても読み応えあります。

さらに
「ミッドナイト」の扉絵、単行本の表紙絵、予告カットなども掲載されておりますのでファンであれば十二分に楽しめる一冊になると思います。


最後にこちらも興味があればチェックしてみてください。
「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」
幻の雑誌掲載オリジナル版を中心に単行本初収録の素材を多数掲載された
知られざるブラック・ジャックの姿を堪能できる一冊になっております


そして
「手塚治虫語辞典」
手塚治虫ファンのみならず、漫画好き読者、漫画に関わる仕事につくすべてのクリエイターにとって刺激をあたえる待望の一冊。
ということでどちらも2023年の年末の発売となっております。


というわけで今回は「ミッドナイト ロストエピソード」のご紹介でした。


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