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『全国!ご当地クリエイター訪問』 第1夜 in 山形開催レポート

初回、第1夜は山形県最上町のやまかなさんに会いに行きました!

『全国!ご当地クリエイター訪問』 第1夜は山形県最上町の交流拠点uneを開業、運営しているやまかなさんを訪問して、お話を聞かせていただきました。

赤倉編集室を起業して、最上町のひとたちの交流拠点としてuneを開業させたやまかなさん
天窓のある三角屋根のuneの建物。ちょっと懐かしくて、やさしい雰囲気です

「全国!ご当地クリエイター訪問」というイベントへの思い

私達がなんでクリエイター訪問をしようと思ったかというと・・・・。

オフライン(リアル/対面)でひと(クリエイター)とつながりたい!、そんな思いがありました。

コロナが発生してからはひととひとが出会う機会、特に対面の機会はぐっと減り、とても貴重な機会となりました。
そして、対面のコミュニケーションがいかにステキなものか? 気づきました。

コロナは未だ収束していませんが、いままたリアルな体験、対面のコミュニケーション、人と知り合う楽しさを感じるイベントをしたいと考えました。

『全国クリエイター訪問』は、日本の47都道府県、各県に毎回お邪魔して、【リアル(対面)】で、その地域の「ご当地クリエイター」と「ご当地訪問団」がお仕事のこと、プライベートのことなどを対話するパネルディスカッション形式のオフライン(オンライン中継あり)のイベントです。

懇親会では、参加者同士が交流し、最後は夜の街に繰り出して、ご当地を楽しみ尽くす、地域交流型のイベントでもあります。

できれば全国、さまざまな地域を訪れたい。そして、その地域の課題や魅力を知り、発信、共有することで、ローカルとローカルがつながって、地域課題が共有されたり、お互いの地域が交流するようになったらおもしろいかも?

そうなったら、いいなぁ。

ローカル同士がつながったら楽しいかと思っています
ご当地訪問の心得です、これ、とても重要なことだと思っています

そんなわけで、まずは第1回を山形県最上町のune(やまかなさん)で開催しました。

東京から4時間半!初回は山形県最上町の赤倉編集室やまかなさん@交流拠点uneを訪ねる

東京からuneのある赤倉温泉駅までのトータル4時間半の旅の始まりです。
現地までの移動も含めてリアルイベントの始まりです、ワクワクします。

東京から古川まで新幹線で行き、そこからは旅情緒あふれる単線のローカル線、陸羽東線に乗り変えました。
途中の鳴子温泉ではこけしの駅長の「さゆりさん」が見送ってくれます。

鳴子温泉駅のこけしの駅長「さゆりさん」、ぴしっと伸びた背筋で見送ってくれました

電車は少しスピードを落として、ゆっくりと渓谷を横切ります。
渓谷の水の流れ、青空と紅葉が綺麗です。
旅情緒が高まってきます。

車窓から見える絶景の渓谷。紅葉の時期ということもあり、とてもよい風景でした

しばらくすると、uneのある最上町駅に到着。

 単線の陸羽東線にゆられて、いよいよ赤倉温泉駅に到着! uneの最寄り駅です

いよいよ会場のuneに到着


赤倉温泉駅には今回のご当地クリエイターの「やまかなさん」こと山﨑香菜子さんが迎えに来てくれています。
到着したのが12時位だったので、やまかなさんが赤倉温泉スキー場 にある「RA-MEN 与平治」さんに連れて行ってくれました。
太めの手打ち麺と煮干し風味のあっさりスープがとてもおいしいラーメンをいただきました。

おなかもいっぱいになって、そこから自動車で5分ほど走ると、uneに到着。
uneは木のぬくもりを感じる&ちょっとレトロな雰囲気の建物で、ちょっと懐かしいような気持ちになります。

uneに到着〜、写真で見た通りのいいかんじの雰囲気です〜

エントランスの上には「お湯トピアもがみ」という施設名があります。
uneはもともと「お湯トピアもがみ」という名称で公民館として使用されていた建物をあべかなさんが個人で借りて、リノベーションして開業しました。
過去の建物の歴史を全部取り除いてしまうのではなく、古いものも残しながら新しいものを追加していくというスタイルがなんともステキです。

旧「お湯トピアもがみ」、現「une」のエントランス
建物内の集会場のちょっとレトロな雰囲気の舞台、かわいいです。展示や発表会もできます
最上町の町内産木材がふんだんに使われた、木のぬくもりを感じる室内。当日は晴れていたこともあり、とても気持ち良い空間でした

いよいよイベント開始、uneの取り組みや課題についてのトークセッションが始まります(第1部)

uneのオーナー兼施設長やまかなさんが最上町に移住するまでのお話

やまかなさんは宮城県出身で、大学は東京、その後もコミュニティをテーマとしたお仕事をするため、様々な地域に住んできました。
そして、東日本大震災をきっかけに東北に戻ることを決意し、その後結婚を機に最上町に移住。

最上町の昔の風習を再現して、馬に乗って嫁入りするやまかなさん、とってもステキな笑顔です!

地域おこし協力隊として地域情報誌の編集を経て、赤倉編集室として起業し、地域の豊かさのヒントを発信しています。

 赤倉編集室のメディアサイト、最上町の魅力として最上著の人々を発信もしています。

そのかたわら、地域の中で休眠していた施設(旧「お湯トピアもがみ」)を借りて、リノベーションし、uneを開業させました。

たのしい田舎暮らしを更に楽しむための場所を作りたい!

田舎暮しはたのしい。
美味しいものも、面白い人も、豊かな自然もそろっている。
それらを更に楽しむための場所、それがuneです。

uneはコワーキングスペースや食堂、レンタルキッチン、子どもも遊び場など様々な機能を兼ね備えています。

レンタルキッチンでパンを焼いている利用者さん。もちろん焼き上がったパンの販売もしています。
めっちゃおいしそうなuneの食堂ごはん(予約制)
地元のお母さんたちと一緒に作っている買い物バッグ、1点もののデザインでとってもキュートです


小さい子から高齢者まで誰もが楽しめる場をつくりたい、そんな思いで、やまかなさんはuneを運営しています。

こどもの遊び場にもなっています。トランポリンは大人気のと遊具です

ワークショップや月に1回のパン屋さん、マルシェ、みんなで映画を見る会(映画の上映)など、まちにあればいいな!なものを詰め込んだ施設です。

「ちいさくうねる市」は出店者と来場者の交流もうまれ、にぎわっています
子どもから大人までワイワイしながら参加できる映画の上映会、ほっこりするし、とってもすてきな雰囲気ですね。私もぜひ参加したいです

uneはのんびり過ごす場でもあり、年齢を超えてやってみたいことを挑戦できる場でもあります。

いまは、やまかなさん自身が企画、運営したイベントを開催していますが、将来的にはuneのコンセプトのもとに、いろいろな人がどんどん施設を使ってほしい。
子どもが自然探索をおじさんがボランティアで、おばあちゃんが漬物を作りをお母さんたちに教えてる、みたいなことが利用者主体で自由にに行われるような施設になってほしいと思っています。

そんなuneを作るためには、なんと1200万円ものお金がかかっています。
半分は国の助成金ですが、やまかなさんの自己資金を600万円も投資し、民間の施設として運営しています。
uneはコミュニティの場の形成と運営というところで、公益事業に近いような領域ではありますが、やまかなさんが身銭を切って運営しているというのには驚きです。すごい情熱です。

やまかなさんが、uneを作ろうと思った時、まちから委託してやれないか?とも思ったそうです。
でも、開業前の段階で、uneでやろうとしていることをまちのひとたちにイメージしてもらうのは難しい、見ないとわからないと感じました。
だから、uneという場や活動をまずは実際に自分でつくって、見えるようにすれば、何かしら、後からついてくるのでは?
と、やまかなさんは考え、uneを民間の施設として始めることにしたのです。

集客(どうやったらまちの人に使ってもらえるか?)と施設運用(どうやってみんなに手伝ってもらうか?)がune の課題です

東京から訪れた私たちもほっこりした気持ちにさせてくれる、とってもステキなuneですが、まだ、地元の人があまり来てくれていません。
まちの人向けに開いているけれど、実際使っているのはまちの外の人というのが実態です。地元の人がリビングや庭のように使ってほしいと思っていますが、なかなかそうなっていません。
地域的な特徴で0→1の新しいものを警戒する、安定という言葉を好むという傾向があるからかもしれません。
自身が壁を作っているのかもしれません。とにかくハードルを下げる&まちの人がもっとつかってくれるようにがんばりたいと、やまかなさんは言います。

また、uneはやまかなさん一人で集客(発信)から、管理、運営、全て一人でやっているので、とても大変です。
最上町のひとたちとてもあたたたかくよくしてくださっているので、草刈りや雪かきなどハード面はどんどん手伝ってくれてとても助かっているそうです。
でも、ソフト面(企画や発信など)をどう手伝ってもらえばいいかわからないというのが、いま現在のやまかなさんのお悩みです。

いままでも企画を手伝ってくれるサポート隊を募集して、何人かの応募があったので、手伝ってくれるひとが集まるのは時間の問題かもしれません。
ただ、やまかなさん自身が「uneをどうしたいか? どうありたいか?」の部分をもう少し整理しないと、どう手伝ってもらったらいいかわからないと言います。やまかなさんの考えはまだまとまっていません。

uneでやりたいこと、活用アイディアは膨らみます

さらに、やまかなさんとご当地訪問団は、課題アイディアについて対話しました。
今回のご当地訪問団はIT業界でデザイナーやディレクターをしているメンバーだったのですが、東北愛にあふれるひとや、地方創生、クラフトビール/地酒に興味のあるひとが集まっていたこともあり、IT=デジタルの活用など実務的&限定した話ではなく、自分たちの興味分野を背景に、持ち前のクリエイティビティを生かしたさまざまな意見が出ました。
「実現できるか?」というリアリティよりは「切り口や視点を増やす」という感じの軽い話、ジャストアイディアも多かったですが、活発なトークが繰り広げられました。

イベントではご当地クリエイターのやまかなさんの事例からトークセッション(第一部)

会場からの声ももらいつつ、話し合われたアイディアの一部は下記です。

  • 外国人を集客して、地元の高校生と交流できる仕組みを作ったら楽しいのでは?

観光客として外国人が来れば、英語を勉強したい&交流したい高校生などとの交流ができるのでは?
外国人が日本のいろいろなことを体験できる体験プログラム、たとえば日本酒づくり体験とかは(他の地域でもやっているが)どうか?
最上町は首都圏からのアクセスが悪く、日本人の自分たちが東京から来るのも大変だったから、その不便さを乗り越えてまで最上町に来る外国人がもしもいるとしたら、濃くておもしろいつながりを作れるのでは?

  • サウナとシャワーを作って、ゲストハウスにしたらどうか?

サウナが流行っているし、サウナはどうか?
かつて考えたことがあるが、設備を作るのに、1,000万円くらいかかってしまう。
地元の他の温泉宿との差別化が難しかったので、いまは地元の温泉宿とのよい連携を現状は考えている。

  • 近隣の美大(芸工大など)との繋がり、サテライト大学化したらどうか?

誰でも先生になれる、生涯学習の場にできないか?
芸工大とのつながりでここでも芸工大の授業が受けれるとか?
芸工大の実験の場になるなどの展開もおもしろい。

  • uneは自分で行く場所、行っても何もしなくていい公園みたいな場所でありたい、uneにちょっと寄ってみるが1日の中の導線に入ることはできないか?

uneは公共施設ではないので、目的がなくても来れる場所ではない。だから、お茶を飲みに来るとか小さな目的も含めて、今後、uneに来る目的をどんどん作っていかないとと思う。
子どもを産んだママがぷらっと来てくれる、まちなかから高校生が勉強場所として利用してくれる。そんな使われ方を期待していきたいと考えている。

  • 理想形は、自分(やまかなさん)が何もしなくても、uneのコンセプトのもとに、いろいろな人がどんどん施設を使ってくれること

「ちょっと寄ってみる」みたいな目的のない方を歓迎する一方で、まちのみんなに向けてもってみたいことがある、積極活用したい人たちにもどんどん活用してもらいたいと考えている。おじさんがボランティアで自然探索して子どもたちに教える、おばあちゃんが漬物作りをお母さんたちに教えてる みたいなことが利用者が自発的に行われれるようになってくれれば、やまかなさん一人でがんばる必要がなくなると思っている。

トークセッションの後のネットワーキングの時間では、uneを応援してくれる地元の方々とご当地訪問団が交流し、たのしくお話しました(第2部)

トークセッションで話されたネタで、リアル参加の最上町の来場者の方々とご当地訪問団が交流しました。
来場者はやまかなさんが直接声をかけてくださった、やまかなさん本人やuneと繋がりのある最上町のみなさまです。地元の高校生やその先生、大学生、地元でコミュニティ活動をしている方々(循環型の地産地消エネルギー開発/運用のトライアルをしている方 など)と交流、意見交換をしました。
会場内で小さな輪がいくつもできて、多種多様な意見が交換されていました。

有志の方みんなで夜の振り返り会♥@スナックおどりこでは夜の最上町を満喫しました(第3部)

お楽しみの夜の振り返り会、スナックの時間が始まりです。
やまかなさんに連れてきていただいたのは、地元のご陽気な酔っぱらいたちが集う、「スナックおどりこ」です。
uneから裏道を通って行きます。街灯少なめの暗くて細い道です。
地面がよく見えません。
夜ってこんなに暗いんだーっなどと思いながら、急な坂道を降りたところに、魅惑的なピンクのネオンが見えてきました。

最上町の地元のスナック「おどりこ」、ピンクのネオンがノスタルジックで、旅情緒あふれます

なんとなく昭和&大人な感じです。
夜が呼んでいます。(もちろん呼ばれます)
いよいよ第3部、反省会(スナック飲み)の始まりです。

ご当地クリエイターのやまかなさんと、ご当地訪問団+参加者の有志メンバーみんなでスナック「おどりこ」でのおつかれさま会(第3部?)、楽しい夜です。

ママのおいしい料理を食べながら、みんなで乾杯。
スナックといえば、カラオケ、みんなで熱唱し、日付が変わる直前まで飲みました。
カラオケのめっちゃうまい、おどりこのママ(上の写真のカウンターの内側にいる方)のステキな歌声が響く夜でした。

最上町の魅力的なひとたちと交流のきっかけをつくってくれたuneとやまかなさんnに感謝。サンキューです!

学生さんとも、おどりこのママとも交流できて、最上町の夜を満喫しました!
とっても楽しかったです。
これをご縁に、また、uneに行ってイベントしたり、地元の人と触れ合う機会が持てるといいなぁと思いました。

イベント登壇者:

<ご当地クリエイター>
山﨑香菜子(ヤマザキカナコ):赤倉編集室代表/編集者

<ご当地訪問団>
佐々木恒平 (ササキコウヘイ): 株式会社ウルトラ 代表取締役/アートディレクター
江辺和彰 (エベカズアキ): プロジェクトマネージャー/ディレクター
戸田修輔 (トダシュウスケ): 株式会社ゆめみ 執行役員/ディレクター
浦上幸江 (ウラカミユキエ): 株式会社ゆめみ サービスデザイナー

『全国!ご当地クリエイター訪問』 第1夜 in 山形(2022年10月28日開催)

やまかなさん@最上町uneだけの課題なのか、地域コミュニティに共通した課題なのか?

今回のイベントを通して、地域をリアルに現地を訪れて、見て、当事者(やまかなさん)の生のことばを聞くことができました。
地域の仕掛け人が居ても、なかなかすぐにはまちのひとたたちに受け入れられるわけでもなかったり、なかなk定着していかないという苦労を聞くことができました。
une は人をつなぐ場として、どうまちのひとに共感を生むか? というのはすぐには解決できない、時間のかかる課題のようです。

一方で、やまかなさんはuneのさまざまな活用の仕方を提案/発信し、「なにかおもしろいことが起こる場所」としての認知を一歩ずつ積み上げているようにも見えました。

イベントの参加者の方々の顔ぶれを見ても、着実に協力者やファンを増やているようにも見えました。

ご当地訪問団メンバーは、今回、une にお邪魔させていただいて、現地訪問というインパクトのある体験で血の通った情報を聞けたと思いました。

そして、一つの問いが生まれました。
やまかなさんが感じている、uneの課題はune だけの課題なのでしょうか?
それとも他の地域でも同じような課題があって、共有、ゆるやかな結びつきができることで、よりよいカタチを見つけれれるのでしょうか?

今後、他の地域も視野に入れて、イベント開催を続けていけると良いなと思いました。

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