(社福)善光会 上席研究員 兼 BCPコンサルタント 將司覚

【元海上自衛隊一等海佐】自衛隊入隊後、災害時の派遣、国連PKO訓練センター研修、第二次…

(社福)善光会 上席研究員 兼 BCPコンサルタント 將司覚

【元海上自衛隊一等海佐】自衛隊入隊後、災害時の派遣、国連PKO訓練センター研修、第二次カンボジア国際平和協力業務などの国連活動、ソマリア・アデン湾海賊対処行動などに従事。退官後は日産自動車の海外セキュリティ業務支援に従事。令和2年から現職。https://bcp.sfri.jp/

最近の記事

#57 2024年介護報酬改定について

来年度から介護報酬1.59%プラス改定へ 今回は少し趣を変えて、介護業界を取り巻く環境についてまとめてみようと思います。 「厚労省は、3年に1度改定される介護報酬について、来年度から改定率1.59%のプラス改定を実施する方向で最終調整に入った。」(NHK) さらに、処遇改善加算の一本化での賃上げ効果0.3%、水道・光熱費その他の経費の加算0.15%相当が見込まれ、併せると2.04%相当の改定になり、介護職員の賃上げが実現される見通しとなりました。 今回の主な改定は、 ① 

    • #56 BCP策定、定着の重要性

      令和6年能登半島地震により被害に遭われた皆さまへ、心からのお見舞いを申し上げます。 地震の発生から2週間が過ぎた今でもライフラインの復旧がされておらず 多くの方々が不安な日々をお過ごしのことと思われます。 地震・津波・火災、避難先での新型コロナをはじめとした感染症の流行など 新年がこのような幕開けとなることを想像していた方がいたでしょうか。 介護業界ではこの4月からBCPの策定が義務化されます。 もしもの時、 どのようなBCPが自分達の施設には求められているのか、

      • #55 災害時の電力確保 02

        今年も残り僅かとなりました、2023年のnote更新はこれが最後となります。今年も多くの介護施設の方とお会いすることができ、私自身も大変に刺激を受けることが出来ました。 来年度からのBCP策定義務化に向け、これから策定の施設ではまずは策定を、そして、策定が完了している施設では定着に向けた訓練等を進めていかれることと思われます。 災害や感染症といった「もしも」は起きてから準備をしたのでは間に合いません。どうか平時のうちに「もしも」への備えを万全に、そのための手段としてBCP策定

        • #54 災害時の電力確保 01

          電力確保の重要性 自然災害BCPにおける「平常時の対応」として優先して準備すべき重要な要素が3つあります。1つは建物・設備の安全確保及び避難場所への避難行動、2つ目は水・食料などの備蓄及び復旧資材・機材の確保、3つ目に電源の確保です。 現代における日常生活において①生命の維持、②照明の確保、③通信機能の維持、④情報源の確保は不可欠であり、現代人の生活を維持するためには、電源は必ず確保しなければなりません。 我が国の発電電力量は、電気事業連合会の資料によりますと1980年代の

          #53 インフルエンザ流行中 2

          16日(土)は12月とは思えない陽気でしたが、それ以降は冬の寒さが戻ってきました。これだけ寒暖の差が大きいと我々の身体は自分で認識をしているよりはるかに疲弊していると思って間違いはありません。どうぞご無理をなされないようお過ごしください。 インフルエンザと新型コロナ対処の違い (1)ウイルスが異なる インフルエンザと新型コロナウイルスは、原因となるウイルスが異なります。 (2)症状 インフルエンザも新型コロナウイルス感染症の症状は発熱、嘔吐、関節痛など共通点も多いですが、

          #53 インフルエンザ流行中

          インフルエンザの流行が続いていますNHKは1医療機関当たりのインフルエンザの全国の患者数が10月末に19.68人に上り前週比3.3人増加したと発表しました。このデータをもとに推計される全国の患者数は前の週から約13万人多い、約67万4千人となり、9月以降の累計患者数はおよそ291万人に上ると推計されます。 また、厚労省は11月10日に「都道府県別の感染状況報告」を発表し、山梨県の39.63人、埼玉県の34.84人、愛知県の34.62人のほか福島県、長野県、愛知県が定点当たり

          #52 津波を侮るな 3

          秋を通り過ぎていきなり冬になってしまったような週末でしたが、皆様風邪などはひかれていませんでしょうか?季節の変わり目、ただですら体調を崩しやすい時期ですのでくれぐれもお身体を大切になさってください。 (次回はインフルエンザに関する投稿を予定しております) 津波の教訓が刻印された石碑 国交省の資料によりますと、岩手県田野畑村島越に昭和三陸津波に関する石碑が立てられています(下の写真)。 石碑には「地震があったら油断するな」「地震があったら高台に集まれ」「津波に追われたら、

          #51 津波を侮るな 2

          津波に関する警報等が発令された場合の行動 東日本大震災の際に大きな津波の被害が発生し、多くの尊い命が奪われ、犠牲者が多数発生したことは、日本国民の脳裏に深く刻まれていることでしょう。それでは、ここで具体的に「津波警報等」発令に備え、どのように行動するかみてみましょう。 ① 自施設が置かれた環境を確認しましょう 東日本大震災において宮城県石巻市の大川小学校で児童や近隣住民が津波に巻き込まれ、84人の尊い命が失われました。大川小学校は北上川の河口から5㎞ほど川上に位置し

          #50 津波を侮るな

          「少し異常」な津波の発生 2023年10月9日早朝、気象庁は伊豆諸島、小笠原諸島に津波注意報を発表し、その後千葉県、高知県、宮崎県、鹿児島県を追加した後、正午過ぎにすべての津波注意報を解除しました。 八丈島では60㎝、神津島で50㎝、土佐清水で40㎝、館山で30㎝の津波が観測されました。 気象庁では、鳥島近海での地震か火山活動、海底の地滑りなどが考えられますが、原因は特定できていないと発表しています。 総務省消防庁によると人的被害は発生していませんが、八丈島の小型船舶が

          #49 コロナ禍の教訓3

          3連休の初日、津波注意報に驚かれた方も多かったのではないかと思います。災害はいつ自分の身の回りで起こってもおかしくはありません、来週以降で津波についてもまとめて参りたいと思いますが、今回はコロナ禍の教訓のパート3です。 感染防止体制を確立するにあたり避けては通れない職員の皆様の負担について考えてみたいと思います。 「過重労働・メンタルヘルスケア対応不足」 クラスターが発生した施設での職員へのアンケートは、感染症対応において管理・監督者に大きな示唆を与えてくれます。 「こん

          #48 コロナ禍の教訓2

          暑さもここへ来てようやく落ち着いてきたように感じられます。インフルエンザや新型コロナへの注意はもちろん、寒暖の差が大きく風邪をひいたり体調を崩しやすい時期でもありますので、皆様くれぐれもお身体を大切になさってください。 さて、前回に続きコロナ禍の教訓について触れて参ります。 パンデミックに襲われる前、平時のうちに我々はどんな準備をしておくべきだったのかをまとめます。 ①BCP未策定 平時対応での教訓事項として最も多いのが「BCPの未策定」ということでした。厚労省は「BC

          #47 コロナ禍の教訓1

          先週開催されましたコニカミノルタ・加賀FEI・善光会の共催セミナーへご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました。 今回も150名程のお申込をいただきましたが、BCP策定、あるいは新型コロナを含めた感染症への対応等、多くの介護施設が頭を悩ませていることと思われます。 善光会では今後もBCP周りの情報を定期的に発信して参りたいと考えておりますので、少しでも皆様のお役に立つ情報がお届けできれば幸いです。 厚労省のコロナ対応の段階区分 厚労省は、新型コロナウイルス感染

          #46 【告知】”ゼロ”から分かる!介護施設のBCP講座~9月は感染症編~

          社会福祉法人善光会は2024年度から義務化となります介護施設・事業所のBCP作成の支援を2年程前から継続しております。 以下、毎々好評をいただき今回で4回目の実施となりますコニカミノルタとの無料共催セミナーのご案内を行わせていただきます(今回は陰圧装置を扱う加賀FEIを加え3社での共催となります)。 BCP準備のラストスパート!! 7月に実施し好評をいただきました自然災害編に続き、新型コロナが再び感染者数を増やしつつある現状を踏まえ今回は感染症編を開催致します。 我々はコ

          #46 【告知】”ゼロ”から分かる!介護施設のBCP講座~9月は感染症編~

          #45 災害伝言ダイヤルの効果的活用法 02

          関東大震災から100年。NHK等のテレビ番組でも当時の惨劇を伝えておりましたが、恐ろしいものだと改めて感じました。 「天災は忘れた頃にやってくる」とはよく言ったものです。平常時にこそ災害が起きた時にどう対処するのかをしっかりと考え、整理し、もしもが起きたその時に、混乱の中にあったとしても職員一人ひとりがどのように対応するべきかの道しるべとなるようBCPに落としこんでください。 災害伝言ダイヤルサービスの注意点前回の投稿から少し時間があいてしまいましたが、災害時の安否確認関連

          #45 災害伝言ダイヤルの効果的活用法 01

          夏季休暇を終え本日から仕事という方も多いのではないでしょうか。台風やそれに伴う大雨でスケジュールの変更を余儀なくされた方もいらっしゃったかと思います。地球温暖化の影響なのか、雨の降り方一つ取ってもこれまでの常識が通用しない事態が現に起きています。「あの時に準備をしておけばよかった」とその時が訪れてから悔やんでも始まりません。平常時にこそ、もしもに備えた準備を進めてください。 大災害発生時には電話は通じません 大地震や大規模な事故が発生すると被災地や事故発生地に電話が殺到し

          #44 迫る台風に厳重な警戒を

          台風7号が近づいています お盆休みを取得されレジャーや帰省を楽しまれている方も多いと思いますが、やはり気になるのは台風7号の動きではないでしょうか。 台風の直撃を受けずとも離れた場所での線状降水帯の発生も予想されております。 介護施設でも「出勤予定だったスタッフが出社できない」という事態や、未明に台風の直撃が予想されるような地域に関しては「責任者が不在で万が一何かあった時にどのように動いたら良いのか」という心配を抱えているスタッフさんもいらっしゃるかもしれません。 ま