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ビッグピクチャー「あらゆる人々が創造性を発揮できる社会へ」に辿り着くまでの2か月

「あらゆる人々が創造性を発揮できる社会へ」

私たちのチーム「全力ポーン」が掲げているビッグピクチャーです。
このビッグピクチャーの達成を目指して、約7か月間、プロダクト開発を進めてきました。
そして、ミラノサローネまであと9日!
展示に向けていよいよラストスパートに入っています。

この長い道のりを走り切るためには、ビッグピクチャーへの共感が不可欠でした。
ミラノサローネになぜ出展したいのか、その先に何があるのか。
長期的な視点を持ち、みんなで一丸となって取り組まなければ乗り切れない道のりです。

私たちのチームが決めたプロジェクトの目的は5つありました。

① あらゆる人々の創造性を発揮できる社会の実現に近づきたい
② 不確実性への恐れに親しんでもらい、創造性バイアスをやわらげる。
③ 5人の多様性を活かして、チームとして最大限のアウトプットを出す
④ これをきっかけに進みたい方向性の足掛かりにする。次のステップのマイルストーンにしたい
⑤ 気持ちよく打ち上げをする

自分たちのキャリアやチームワーク、打ち上げ時の爽快感(笑)は当然のこととして、
① ②はビッグピクチャーに関わる全力ポーンならではの観点だと思います。
5名それぞれ年齢も、職業も、バックグラウンドも異なる中、今ふりかえると、ビッグピクチャーへの共感がチームを強くしたのではないかと思います。

さて、そんなビッグピクチャーがどのように生まれたか。
本日はご紹介したいと思います。

2018年9月7日 初回のワーク

ワーク当日までに「それぞれのloveを書き出してくる」というのが宿題でした。テーマ設定が全くない中で始めるために、自分たちが好きなことを起点にテーマを考えることにしました。こんなものが出てきました…

酒、スポーツ、祭り、温泉、仲間
四季、言葉、記憶、妄想、手紙
偶然、一瞬、アジア旅、出会い、旅行、ライブ生演奏
練習、勝つための戦術、うまく行かなくて号泣、筋肉、ストイックに努力、チームで戦う

正直、私にとってはやや気恥ずかしく、勇気がいるワークだったのですが、
今、思うとチームビルディングになったのかもしれません。
まだ出会って半年も経たない大学院の同期について深く知る機会になりました。

出てきたものをグルーピングし、抽象化してみると、こんな言葉が出て来ました。

○ 無意識の表出化
○ てまひまをかけるということ(時間をかけること)
○ 「形式と無形式」とフロー状態もしくは本能
○ 瞬間の価値
○ 人と人との相性や関係性の可視化
○ 無意識の美

議論を重ね、辿り着いたテーマは「人間関係における無意識・意識」。
無意識で持っているバイアスを外し、相互理解につなげて、より良い人間関係につなげる」という価値を創出していきたいと設定し、リサーチやワークを進めることにしました。

ここから約1か月間、ひたすら「無意識・意識」と「バイアス」というキーワードを起点に、たくさんの言葉や概念について調べました。

何かテーマになりそうなものはないか、みんなで取り組みたい問題は何か…
直観と直感、親密さ、距離感について調べて、つまらないテーマになりそうになったことも今は良き思い出…
100個の問題定義を出したこともありました…

「創造性に対するバイアス」

リサーチを進める中で出会ったのが「創造性に対するバイアス」でした。
デビッド・バーカス著「どうしてあの人はクリエイティブなのか?」に出てくる言葉です。

Jennifer S. Muller、Shimul Melwani、Jack A. Goncaloは、“The Bias Against Creativity: Why People Desire but Reject Creative Ideas”(2012)の中で、実験結果から以下のことを述べています。

●新規性の高いアイデアほど不確実性が高いから、新規性より実用性の高いアイデアが評価される傾向にある
● 不確実性を減らす動機が強い人ほど、クリエイティビティにネガティブな連想を持ち、クリエイティブなアイデアに低い評価を付ける
●クリエイティブなアイデアを創出するということより、クリエイティビティを認識し、受け入れる後押しをした方が効果的かもしれない

このバイアスによって、自分たちも不確実性への恐れを持つようになっていることに気づきました。

そして、日常に潜む「創造性に対するバイアス」が人々の創造性の発揮を阻んでいる、という問題を解決したい。
バイアスの中でも、人間関係における問題に留まらない、社会全体のイノベーションに繋がるこのバイアスにタックルしたい。

というところに共感が生まれました。

2018年10月27日
私たちのビッグピクチャー「あらゆる人々が創造性を発揮できる社会へ」が誕生

「創造性に対するバイアス」に出会い、
私たちがどんな社会をつくりたいか議論し、
ビッグピクチャーが誕生しました。

最初の打ち合わせから2か月弱。
なかなか具体的なプロダクトの検討に進めず、納得のいくビッグピクチャーに辿り着くまでひたすら探究しました。
そして、ここから11月22日の選考までに一気にプロダクトを固めていきました。
振り返ってみると、ビッグピクチャーの設定がチームの根幹を成す重要なターニングポイントでした。

以上、本日はビッグピクチャーについてお届けしました!

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