大人の掟
椎名林檎様の楽曲名。
「大人は秘密を守る。」
私は三世代一世帯に生まれた。多くの大人に囲まれて育った。
故に夕飯後、大人達が難しい言葉の言い回しを早いテンポで使って盛り上がっていた。
「何話してるのー?」と無邪気に母親の元に駆け寄ったものだ。
その度に返ってくるのは「大人達だけのお話だからいいのよ〜」だった。
疎外感と羨ましさと、そんな大人になりたくないという反抗と。
こうした経験の影響だからだろうか?
中学生の時、大人は「なんでも知っている」と思っていた。正確に言うと、中学生なのに、と言えるかもしれない。
だから無根拠に、大人までの時間(=完璧な人間になるまでの時間)があまりに短すぎて、焦っていた。
しかし、
高校生や大学生になって周りの大人を見渡すと、現実は違った。
大人って全然完璧じゃなかった。
人の悪口も言うし、親も殺すし、他人に手を上げるし、嘘もつくし、野菜が食べられない大人もいる。
そして何より
大人になると汚いものも愛する。
本当に汚い。穢らわしい。
それでも平然とした顔で満員電車に乗り込んでくる。親切に席も譲る。不満一つ言わずに仕事に向かう。
汚いものも愛せる代わりくらい、寛容になる、
のかもしれない。
「まあいいやが増えたのは、大人になったからじゃなく きっと空気の中に変なものを」(back number/青い春)
「大人になるたびに見たくないものを見ては泣いちゃうし 本当の自分ん意気付くことは少し 怖いんだ」「強くはなりたい でも弱くもありたい 私のままでいたい」(あいみょん/19歳になりたくない)
大人は想像よりもすごかった。
こんな私もやがて大人になる。
こんな大人になっていいのかな?
最近時間が心に追いつかない。
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